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江戸の城攻め  - 三和書籍
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江戸の城攻め (エドノシロゼメ) 戦争を知らないサムライの失敗戦略 (センソウヲシラナイサムライノシッパイセンリャク)

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発行:三和書籍
四六判
縦189mm 横130mm 厚さ14mm
208ページ
並製
価格 2,000円+税
ISBN
978-4-86251-562-9   COPY
ISBN 13
9784862515629   COPY
ISBN 10h
4-86251-562-2   COPY
ISBN 10
4862515622   COPY
出版者記号
86251   COPY
Cコード
C0021  
0:一般 0:単行本 21:日本歴史
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2024年8月8日
書店発売日
登録日
2024年6月17日
最終更新日
2024年7月29日
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紹介

★話題作『海軍兵学校長の言葉』の著者・真殿知彦が描く衝撃の江戸史!

江戸時代の約260年間は、戦争のない天下泰平の時代が続いたわけではない。

宗教反乱、大火災、外国軍の来航、そして内戦という安全保障上の危機があった。

「平和ボケ」していた幕府が取ったこれらの危機への対処は、戦略と初動で失敗したと言わざるを得ない。

本書では、その舞台となった城に注目しつつ、幕府の「失敗戦略」を明らかにする。

目次

第1章 戦えなかった「ポスト関ヶ原世代」
    ~キリシタンたちの武装蜂起

第2章  ほぼ焼け落ちた最強の城
     ~明暦の大火:「●●●」再び

第3章 役に立たなかった江戸軍学
     ~武田信玄はシェイクスピア

第4章 間に合わなかった海上防衛計画
     ~『海國兵談』とペリー来航

コラム:史上最長の籠城戦とは?

第5章 戦えなかった最強の城
     ~再び江戸城の危機

前書きなど

空前のお城ブームが到来しています。

テレビでは城を特集した番組が高視聴率を得ています。また、ネットでは個人による城郭紹介のページや動画が多くアップされ、書店の城コーナーには城に関する多くの本が並んでいます。城に興味を持ち、実際に城を訪れる観光客も増えており、その影響もあってか城が所在する各自治体等では、天守や櫓、門を再建する動きも活発になっています。CGやVRの技術を使ったヴァーチャルの世界での城の再現も行われており、その精度には目を見張るものがあります。

最新の技術では、航空レーザー計測による赤色立体地図の開発により、山城の形が鮮明に「見える化」されるようになり、新たな山城の発見にもつながっています。

日本城郭協会が主催する城郭検定も人気の検定の一つになりました。

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私自身がお城に魅せられたきっかけは熊本城です。

その巨大で荘厳な城郭を見た時、全身に鳥肌が立つほどの感動を覚えました。それ以来城に魅せられて、全国の城郭を散策したり、書籍やYouTube等を通じて城について学ぶなど「城活」をしています。

天守や石垣などの外観も大きな魅力ですが、城に秘められた数々の歴史を知ることが、私を城の虜にする理由の一つです。日本に残る数々の城郭には、知られざる歴史が秘められています。日本の歴史は、城を舞台として展開してきたと言っても過言ではないと思います。

関ヶ原の戦い、大坂の陣を経て戦争のない平和な時代になった江戸時代。そして幕末を迎えるまでの約260年は、戦争のない天下泰平の時代が続いたかといえば、必ずしもそうではありません。宗教反乱、大火災、外国軍の来航、そして内戦という幾つかの危機がありました。

これらの安全保障上の危機に対し、幕府はどのように対処したのかといえば、そのいずれにおいても戦略と初動で失敗したと言わざるを得ません。戦争と築城のなくなった天下泰平の時代に、戦争を知らないサムライたちは「平和ボケ」してしまったのでしょう。

その舞台となったいくつかの城があります。本書では、歴史の舞台となった城に注目しつつ、幕府の「失敗戦略」を明らかにしたいと思います。

また、幕府は必ずしも失敗ばかりしていたわけではありません。幕府には優秀な人材もいて、初動では失敗したものの、その後の処置は見事でした。若い頃、国際政治学者の高坂正堯教授の講演を聞いた際、「日本は、二度目はうまくやる国」だと話されていたことが思い出されます。天下泰平の江戸時代に起こった安全保障の危機は、今日の日本を考える上でも、多くの教訓を与えてくれるものだと思います。

なお、この本の中心的な人物は、松平信綱、水野勝成、細川忠利、保科正之、武田信玄、土方歳三、林子平、松平定信、マシュー・ペリー、江川英龍、勝海舟、板倉勝清といった人たちですが、「何をした人か、知っているようで知らないという人」が多いのではないでしょうか。それも明らかにしたいと思います。

城を愛する人、歴史が好きな人が、本書を読んでますます城や歴史への興味を深めてくださることを希望するとともに、様々な分野で戦略や危機管理を学ぶ方々にも何らかの気づきをもたらすことを期待しています。


※本稿は筆者の研究成果に基づく個人的見解をまとめたものであり、所属する機関の見解とは一切関係ありません。

上記内容は本書刊行時のものです。