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カリブ海の黒い神々
キューバ文化論序説
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2022年8月
- 書店発売日
- 2022年8月1日
- 登録日
- 2022年6月30日
- 最終更新日
- 2022年12月12日
書評掲載情報
2022-11-19 | 毎日新聞 朝刊 |
2022-10-01 |
東京新聞/中日新聞
朝刊 評者: 川内有緒(作家) |
2022-09-24 |
日本経済新聞
朝刊 評者: 今福龍太(文化人類学者) |
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紹介
詩、絵画、映画から、宗教、逃亡奴隷、移民、そして製糖……。
ディアスポラの文化や歴史を縦横に論じ、『老人と海』のまったく新たな読み解きへとなだれ込む、圧倒的な知的冒険。アフロ宗教の司祭の資格を持つ著者でなければ書き得なかった、かつてない圧巻のキューバ論。
キューバには一般の観光客の知らない世界があるのです。ここで取りあげるアフロキューバの世界です。なぜアフリカ由来の宗教や文化を論じるのでしょうか。それを三つの観点から説明しましょう。
第一に、キューバのナショナル・アイデンティティは、ヨーロッパ(スペイン系)とアフリカ(それに若干の先住民や中国人移民)が混ざった「混交文化」です。
そして、アフロキューバ文化を取りあげる第二の理由としては、それがわれわれの日本文化の考察に応用できると考えるからです。
そして、最後の三つめの理由ですが、これは個人的な事情にかかわります。私は二〇〇九年夏に、いまのパドリーノ(代父)のもとでサンテリアの「オルーラの手」と呼ばれる、一種のイニシエーション(通過儀礼)をおこないました。三日かけて私の運勢と守護霊を占ってもらう儀式です。
ヘミングウェイ論をはじめとして、ここに収録した文章は、私にとって未知の分野への挑戦でした。サンテリアの二百五十六通りの運勢のひとつに「大いなる冒険に人を駆りたてるのは、その人の知性である」ということわざが出てきます。お金や名誉ではなく、知性(頭脳)の活性化のために、どうぞご一緒に冒険をお楽しみください。
(本書「まえがき」より)
目次
まえがき
第1章 大きな緑色のトカゲとカリブ海の荒ぶる神――ふたつのアフロキューバ表象
1 大きな緑色のトカゲ――詩人ニコラス・ギジェンが捉えたキューバ
2 カリブ海の荒ぶる神――画家ヴィフレド・ラムの捉えたキューバ
第2章 サトウキビ物語
第3章 カリブ海の黒い神々――変容するアフリカの宗教
第4章 ハバナのサンテリア――都市化したアフロキューバ宗教
第5章 サンティアゴのブルへリア――もう一つのアフロキューバ宗教
第6章 逃亡奴隷の哲学
第7章 痕跡の思想――キューバの日系移民とジャマイカ移民
第8章 キューバ映画とアフロ宗教
最終章 キューバのヘミングウェイ――『老人と海』の謎を解く
註/附録 ベンベの歌/初出一覧/あとがき
上記内容は本書刊行時のものです。