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詩人茨木のり子の誕生 熊谷誠人(著) - 風媒社
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詩人茨木のり子の誕生 (シジンイバラギノリコノタンジョウ) 西尾の少女の物語 (ニシオノショウジョノモノガタリ)

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発行:風媒社
四六判
312ページ
定価 1,800 円+税   1,980 円(税込)
ISBN
978-4-8331-2133-0   COPY
ISBN 13
9784833121330   COPY
ISBN 10h
4-8331-2133-6   COPY
ISBN 10
4833121336   COPY
出版者記号
8331   COPY
Cコード
C0095  
0:一般 0:単行本 95:日本文学、評論、随筆、その他
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2026年3月25日
書店発売日
登録日
2026年1月22日
最終更新日
2026年3月26日
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書評掲載情報

2026-06-27 朝日新聞  朝刊
評者: 梯久美子(ノンフィクション作家)
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紹介

詩人として核となったものは何なのか―。茨木のり子の十篇の詩を読みながら、彼女が生きた時代のありさまと、少女であった彼女の姿を追う。
本書は、昭和8年に茨木のり子が西尾尋常高等小学校に入り、成長し、敗戦を経て、詩人として出発するまでの物語である。

目次

ジグソーパズルの空白のピースを探して 宮嵜治

序 章 詩人茨木のり子が誕生するまで
◯西尾の少女の物語 
本章の特長1 詩の背後にある原体験を読み解く
本書の特長2 詩人茨木のり子が誕生するまでの自己形成の物語
本書の特長3 人々を戦争に巻き込んだ昭和の時代を見つめる
〔凡例〕
 
第1章 詩「麦藁帽子に」
昭和8年(小学校1年生)
◯明るさの背後に忍び寄る影
1 昭和7年、のり子ロードを通う
2 昭和8年4月、小学校に入学
3 のり子の体に刻まれたリズム
4 明るさの中に際立つ暗さ
5 のり子の背後に忍び寄る暗い社会

第2章 詩「自分の感受性くらい」
昭和12年(小学校5年生)
◯宝塚少女歌劇と母への愛
1 詩「自分の感受性くらい」とのり子の戦争体験
2 昭和12年7月、日中戦争が勃発
3 母と見た名古屋公演の宝塚歌劇
4 昭和12年4月3日の日記
5 7月23日には東京宝塚劇場で
6 8月末に再び東京宝塚劇場へ
7 のり子の感受性を育んだものは何か
8 戦時下に抱いた「疑問」と詩「自分の感受性くらい」との関係
9 茨木のり子の表現者としての原点
10 母の死と詩人としての〈核〉

第3章 詩「癖」
昭和14年(小学校の卒業)
◯切なさの原体験と子ども時代の終焉
1 小学校卒業時の切ないドラマ
2 クラスの「やな子」とのアクシデント
3 谷川俊太郎の評
4 卒業を控えたのり子の物語①
5 菊ちゃんの物語
6 のり子の物語②
7 詩「癖」のドラマ性
8 卒業前の原体験が意味するもの
9 当時の西尾の町から 

第4章 詩「お休みどころ」
昭和15年(高女2年生)
◯のり子の〈お休みどころ〉のひととき
1 西尾高等女学校の2年生、「十五歳の セーラー服の私」
2 詩「お休みどころ」が描き出すのどかな世界
3 〈お休みどころ〉の場所はどこか①
4 〈お休みどころ〉の場所はどこか②
5 図書室で森◯外の散文にため息をつくのり子
6 高女1年の「野良犬」と2年の「お風呂」に見る〈自分の感受性〉
7 そしてのり子は戦争の渦の中へ

第5章 詩「わたしが一番きれいだったとき」
昭和16年夏(高女3年生)
◯挙手の礼をする男を見送るのり子
1 「男の人はみんな挙手の礼をして行かれました」
2 「挙手の礼」をして発っていった男
3 男の先生の物語①◯昭和十五年度まで◯
4 皇紀二千六百年、変わりゆく西尾高女
5 男の先生の物語②◯昭和十六年度◯
6 挙手の礼を見送る少女の物語
7 昭和十六年、戦争が日常を変えていく
【コラムⅠ】 152

第6章 詩「儀式」
昭和16年冬から17年春(高女3年生~4年生)
◯「軍国少女になりおおせていた」
1「十六歳のわたくし」への自嘲
2 高女3年生の学校生活
3 裂帛の号令を発するのり子の物語
4 軍事教練によるのり子の心の変容
5 昭和17年秋から吉良町がふるさとに
6 詩「儀式」に込められたメッセージ

【コラムⅡ】

第7章 詩「対話」
昭和20年5月(専門学校3年生)
◯ネープルの花と星との対話、のり子の再生
1 昭和18年4月、東京の薬学専門学校に進学
2 時代と自分に絶望して自殺を考えていたのり子
3 昭和20年4月15日、学生寮が全焼
4 ふるさとで体験したネープルと星との〈対話〉
5 詩「対話」を読む
6 死の意識からの再生


第8章 詩「根府川の海」
昭和20年夏(専門学校3年生)
◯再び「燃えさかる東京」へ、そして敗戦
1 1953年1月15日、詩「根府川の海」が生まれた日
2 昭和20年に根府川駅を通過した三つの記憶
3 第5連 昭和20年4月「ネープルの花の白かつたふるさとへ」
4 第4連 「動員令をポケツトに ゆられていつた」のは何月か
5 〈美しいもの〉が失われた暗黒の時代に
6 第3連 敗戦の翌日に東海道線を下る
7 「うしなわれたたつた一つの海賊箱」への哀惜

第9章 詩「汲む - Y・Yに - 」
昭和22年(卒業後の東京で) 
◯山本安英との出会いがもたらしたもの
1 NHK名古屋放送局が制作した「わたしたちの茨木のり子」
2 戦後に表現者としての道を志したのり子
3 昭和20年秋、専門学校の4年生に進級
4 学生最後の一年間は新劇に夢中になる
5 昭和21年秋、「戯曲」の賞状と卒業証書を手にする
6 昭和22年、山本安英との出会い
7 詩「汲む」を読む
8 山本安英との出会いがもたらしたもの

第10章 詩「首吊」
昭和24年(結婚) 
◯ふるさとからの巣立ち
1 吉良町の岡田幸子さんからの宿題
2 空白だったのり子の〝昭和23年〟
3 セレンディピティの賜物◯物語「電話」の発見◯
4 母を亡くした小学生の心を支えたもの
5 詩「首吊」を読む◯「ひとびとのやさしさ」の町◯

終 章 のり子の戦争体験とその時代性

茨木のり子略年譜

著者プロフィール

熊谷誠人  (クマガイマコト)  (

1962年、岡崎市生まれ。名古屋大学文学部国語国文学科卒業。愛知県立高校の教諭を経て、愛知県庁の県史編さん室に出向し『愛知県史』を編纂。その後、県立高校の教頭、岩津高校・熱田高校の校長を歴任。定年退職し2024年から私立安城学園高校の校長を務める。
茨木のり子について『名古屋大学国語国文学』に6本の論文を発表し、その内容が中日新聞や東京新聞、朝日新聞、日本経済新聞で紹介された。2022年にNHK名古屋放送局が制作した特番『わたしたちの茨木のり子』に参加。詩人茨木のり子の会会員。

上記内容は本書刊行時のものです。