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アイヌ史の時代へ
余瀝抄
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2013年6月1日
- 書店発売日
- 2013年6月5日
- 登録日
- 2013年5月1日
- 最終更新日
- 2013年6月5日
紹介
著者の40年に及ぶアイヌ民族の歴史・文化に関する多岐にわたる研究業績のうち、文献史学の方法に立脚したアイヌ史に関連した個別論考を中心に編まれている。関係者待望の研究書である。既成の概念にとらわれず、ときにそれへの問題提起を交えつつ重ねられてきた実証的な諸業績は、永く読み継がれていくべき価値がある。
目次
1 「アイヌ史」は成立するのだろうか――序にかえて
2 近世北方民族の生活
描かれたアイヌ生活誌 / アイヌの歴史 / ウェペケレと役蝦夷の時代 / コタンの生活 / アイヌ絵の意味するもの / 確実性の高いアイヌ絵 / 強制コタンでの生活
3 アイヌ文化の歴史と生業
四本のイクパスイ / 酒 / 酒と漆器 / 伝世された漆器群 / トゥキ / シカリンパハといううつわ / ウイマムと酒儀礼 / アイヌ文化と漆器 / むすび
4 中世の「蝦夷」史料
5 強制コタンの変遷と構造について――とくにアブタ・コタンを中心に
はじめに / 近世コタンの二形態 / 強制コタンとしてのアブタの変遷 / アブタ・コタンの構造 / おわりに
6 酋長サカナの物語――あるアイヌ研究の側面
7 噴火湾Ainuのおっとせい猟について――江戸時代におけるAinuの海獣猟
はじめに / 問題の所在 / おっとせいとその需要 / 獣名の由来 / おっとせい猟の実際と禁忌 / まとめ
8 レブンゲ・コタン誌稿――とくにコタン構造から
はじめに / レブンゲ・コタンの位置 / レブンゲ・コタンの構造 / 家内構成の変遷 / むすび
9 近世アイヌの社会――ソウヤウンクルのコタンを中心に
はじめに / ソウヤ場所内のコタン / ソウヤウンクルの社会 / むすび
10 蝦夷通詞について
はじめに / 蝦夷通詞 / 松前と蝦夷通詞 / 松前藩と蝦夷通詞 / 場所請負制下の蝦夷通詞 / 蝦夷通詞のアイヌ語 / むすび
11 蝦夷通詞・上原熊次郎のこと
12 近世アイヌ語資料について――とくに『もしほ草』をめぐって
はじめに / 上原熊次郎と『もしほ草』/ アイヌ語資料としての『もしほ草』/ むすび
13 アイヌイタク ヱラム アナ
はじめに / 異言語との出会い / カムイトクイという言葉 / アイヌと日本語 / シャモとアイヌ語 / むすび
14 少年たちのまなざし――一枚のアイヌ絵から
一枚の絵 / シャモとアイヌ / シャモという日本語びと / 少年の向学心 / 奇童エトメチュイくん / アイヌ語を学んだシャモの少年たち / シャモの世界にとびこんだひと / 新しい文化に触れる意欲
15 イオマンテ考――シャモによるアイヌ文化理解の考察
はじめに / 本報告の主たる関心 / アイヌの神概念とイオマンテ / 場所請負制下におけるイオマンテの評価 / むすび
16 犬は先祖なりや――アイヌの創世説話と和夷同祖論
はじめに / 犬祖説話 / 近世における犬祖説話 / アイヌ文化成立と犬祖説話 / むすび
初出一覧 / 主要著作目録 / 書後に
前書きなど
40年に及ぶ著者の多岐にわたる研究を集大成
関係者待望の書。
上記内容は本書刊行時のものです。