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近世思想と仏教
- 初版年月日
- 2023年9月25日
- 書店発売日
- 2023年9月22日
- 登録日
- 2023年7月28日
- 最終更新日
- 2023年12月26日
紹介
近世は儒教の時代であり、幕藩体制に取り込まれた仏教は自由を失って形式化し、堕落した――。このような「近世仏教堕落論」が俗説として克服された今日に、多様で複雑な近世仏教思想の〈特質〉と〈画期性〉、そして〈魅力〉を探るための論点を提示。
仏教の教理教学のみではなく、文学作品や西洋人の仏教理解なども視野に収めつつ、儒教や国学・神道などを含めた近世思想全体において、仏教がいかなる位置を占めていたのかを問い直す。
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じつは近世の仏教は豊かな創造力を持ち、さまざまな領域に寄与し、新鮮で価値高い多くの遺産が遺されている。その点で、儒教や国学・神道に引けを取るものではない。(本書「はじめに」より)
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【目次】
はじめに
第一章 近世思想と仏教
第二章 仏教と諸思想の交流
第三章 近世中期の仏教研究──鳳潭を中心に
第四章 女性と仏教
第五章 近世仏伝の世界
第六章 欧米に伝わった近世仏教
第七章 近世から近代へ
初出一覧/あとがき/索 引
目次
はじめに
第一章 近世思想と仏教
第一節 近世思想の展開と仏教
第二節 近世思想の合理と非合理
第二章 仏教と諸思想の交流
第一節 ハビアンと『妙貞問答』
第二節 寂本の羅山批判──『神社考弁疑』をめぐって
第三節 東アジアの儒と仏
第三章 近世中期の仏教研究──鳳潭を中心に
第一節 近世中期の仏教思想の展開
第二節 鳳潭──生涯と著作
第三節 鳳潭と性悪説──『起信論註疏非詳略訣』を中心に
第四節 鳳潭の華厳学と普寂の批判
第五節 鳳潭晩年の思想──『華厳入法界品字輪頓証毘盧遮那法身観』をめぐって
第四章 女性と仏教
第一節 近世における女性と仏教
第二節 祖心尼──著作と思想
第三節 橘染子の禅理解
第五章 近世仏伝の世界
第一節 娯楽か信心か──仏伝から近世仏教を考える
第二節 近世後期の仏伝──ブッダの日本化をめぐって
第六章 欧米に伝わった近世仏教
第一節 シーボルト/ホフマンと日本宗教
第二節 『仏像図彙』とベルナール・フランク「お札」コレクション
第七章 近世から近代へ
第一節 来世観と幽界観の展開
第二節 幕末神道の幽冥観──六人部是香の場合
初出一覧
あとがき
索 引
上記内容は本書刊行時のものです。