版元ドットコム

探せる、使える、本の情報

文芸 新書 社会一般 資格・試験 ビジネス スポーツ・健康 趣味・実用 ゲーム 芸能・タレント テレビ・映画化 芸術 哲学・宗教 歴史・地理 社会科学 教育 自然科学 医学 工業・工学 コンピュータ 語学・辞事典 学参 児童図書 ヤングアダルト 全集 文庫 コミック文庫 コミックス(欠番扱) コミックス(雑誌扱) コミックス(書籍) コミックス(廉価版) ムック 雑誌 増刊 別冊
遊廓を生きる/遊廓を記憶する 加藤 晴美(著) - ひつじ書房
..
【利用可否不明】

書店員向け情報 HELP

遊廓を生きる/遊廓を記憶する (ユウカクヲイキルユウカクヲキオクスル) 遊廓研究・細見 (ユウカクケンキュウサイケン)

歴史・地理
このエントリーをはてなブックマークに追加
発行:ひつじ書房
A5判
226ページ
定価 2,800 円+税   3,080 円(税込)
ISBN
978-4-8234-1352-0   COPY
ISBN 13
9784823413520   COPY
ISBN 10h
4-8234-1352-0   COPY
ISBN 10
4823413520   COPY
出版者記号
8234   COPY
Cコード
C1021  
1:教養 0:単行本 21:日本歴史
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2026年8月25日
書店発売日
登録日
2026年8月7日
最終更新日
2026年8月28日
このエントリーをはてなブックマークに追加

紹介

売春防止法施行から70年近くが経過し、遊廓に関連する遺構や史資料は消滅の危機に瀕している。性売買の場であった遊廓の「記憶」と「記録」を次世代に継承するためには今、何が必要だろうか。本書では、近年急速に発展する遊廓研究の論点を整理し、遊廓の成立と変容、遊女たちの暮らしを通史的に提示するとともに、遊廓調査の手順を示す。遊廓や遊女たちの歴史や実像に関心をもつ方々が、遊廓を「知る」ためのガイドブックである。

目次

はじめに
 遊廓の「記憶」をめぐって
 「記憶の場所」とヘリテージ化
 遊廓に投影されるロマン、揺らぐ遊廓の「語り」
 遊廓の「歴史を知る」ということに向かって

第1部 遊廓研究をはじめるまえに

序章 大衆買春社会と「買春ツアー」から

第1章 遊廓・遊女をみる視角―「売春社会」論と「遊廓社会」論、そしてこれから―
1 「売春社会」論とはなにか
2 「遊廓社会」論とはなにか
3 あらたな研究の潮流
①一次史料を用いた研究の進展
②遊廓で「生きること」を考える

第2章 近世における遊廓・遊所―非日常の世界―
1 性売買の閉ざされた空間/閉ざされない空間
2 遊所番付からみる遊廓・遊所
3 三都の遊廓―閉ざされた空間―
4 宿場町・湊町・門前町―閉ざされない空間―
①宿場町
②湊町
③門前町と湯治場

第3章 遊廓を支えるもの―資金と身売りのネットワーク―
1 遊廓を支える金融ネットワーク
2 遊女の移動ネットワークと斡旋システム
3 飯盛女と越後

第4章 近代移行期における遊廓の創出―「普及」する遊廓―
1 遊廓の再編と地域―居留地と開拓地―
①居留地付き遊廓
②開拓地遊廓
2 地域の「再興」と遊廓―城下町と宿場町―
3 「芸娼妓解放令」をめぐって

第5章 近代遊廓の誕生―性の管理・統制と空間―
1 遊廓分布の変化―非日常から日常へ―
2 遊廓はどこにあるのか
3 都市から排除される遊廓
4 近代遊廓と新吉原モデル

第6章 「大衆買春社会」の到来と遊廓―買春する男性たちと娼妓の労働―
1 大衆買春社会の到来
2 客の増加と娼妓の労働負担
3 安く、簡易な「遊興」を志向する人びと

第7章 拡大する私娼街と遊廓―新しい遊興とゆらぐ遊廓―
1 私娼街の発達―「十二階下」から玉ノ井・亀戸へ―
2 台の物と「わずらわしい」遊廓
3 「モダン化」する遊廓

[コラム1]畠野佳司 飛田遊廓「嘆きの壁」の言説

第8章 娼妓の日常生活世界―遊廓で「暮らす」こと、「生きる」こと―
1 遊廓で「食べる」ということ
①明治の吉原から
②新宿遊廓、和田芳子の日記から
2 烏山旭遊廓、チヱの「精算帳」
3 金光教と娼妓の祈願
①娼妓が病気をおそれるということ
②大阪飛田に残された「性病検査場」から

第9章 娼妓たちの闘い―より良い生存と生活を目指して―
1 遊廓の「ストライキ節」
2 共同炊事による「待遇改善」
3 遊廓で「生きる」

第2部 吉原遊廓とは何か

序章 ロマンの場所としての吉原

第1章 新吉原遊廓の形成―自然地理学・考古学からみる吉原とその「伝承」―
1 遊廓区域の建設
①新吉原への移転
②新吉原の地形
2 おはぐろどぶの形成とその意味

[コラム2]太田茜 『小悪魔ageha』にみる和装のバリエーションと夜の街における「花魁風着付け」

第2章 新吉原の基礎知識
1 江戸の周縁としての新吉原
2 新吉原の遊女と客―基本的な遊興システム―
3 「吉原細見」とは何か
4 デジタルアーカイブでみる「細見図」

第3章 「芳原細見図」からみた17世紀後半の新吉原
1 新吉原のプロトタイプ
2 遊女屋の分布
3 「高級な遊興」の景観

第4章 「吉原弘化四年図」からみた19世紀の吉原
1 新吉原の変化
2 遊女屋の分布
①揚屋町の変化
②長屋

[コラム3]加藤晴美 「花魁道中」という幻想

第3部 遊廓研究ことはじめ

序章 遊廓は「ディープ」なのか

第1章 アウトラインを描く
1 基礎文献を集める
2 基本データと統計データを集める

第2章 景観復原とさまざまな資料
1 地図を集める
2 さまざまな資料

第3章 現地調査の手順
1 景観を観察してみよう
2 銚子松岸遊廓のフィールドノートから

おわりに
 遊廓の「記憶」を紡ぐ島から
 「ここは遊廓ではない」と語ること
 郷土史が描く遊廓の「記憶」とヘリテージ化

あとがき
参考文献
索引

著者プロフィール

加藤 晴美  (カトウ ハルミ)  (著)

加藤晴美(かとう はるみ)
1980年、静岡県生まれ。現在、東京家政学院大学現代生活学部 准教授。筑波大学大学院人文社会科学研究科単位取得退学、博士(文学)。専門は歴史地理学。
[著書]『遊廓と地域社会―貸座敷・娼妓・遊客の視点から―』清文堂出版、2021年。中西僚太郎ほか編『歴史地理学―近現代の課題とその探究―』山川出版社、2026年(共著)。小口千明・清水克志編『生活文化の地理学』古今書院、2019年(共著)。

上記内容は本書刊行時のものです。