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老年と正義 瀬口 昌久(著) - 名古屋大学出版会
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老年と正義 (ロウネントセイギ) 西洋古代思想にみる老年の哲学 (セイヨウコダイシソウニミルロウネンノテツガク)

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四六判
328ページ
上製
定価 3,600円+税
ISBN
978-4-8158-0676-7   COPY
ISBN 13
9784815806767   COPY
ISBN 10h
4-8158-0676-4   COPY
ISBN 10
4815806764   COPY
出版者記号
8158   COPY
Cコード
C3010  
3:専門 0:単行本 10:哲学
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2011年10月1日
登録日
2011年10月14日
最終更新日
2011年10月14日
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紹介

老年論の原点 ―― 。老年とはたんに福祉の対象なのか。人生の最終章をむかえ、あらためてよく生きることを考え、実践すべき時ではないのか。老人は政治にも参与すべきか。西洋古代思想にさかのぼり、見失われた正義という観点から、老年を内面から支える精神的基盤を問い直す注目の書。

目次

序 章 「老いは険しい道か、楽しい道か」
      プラトン 『国家』 の問い
      プラトン、キケロ、プルタルコス
      アリストテレスの老年観

第1章 西洋古代世界における老年像
   1 西洋古代文学における多様な老年像
      西洋古代世界では老年は何歳からはじまるのか
      文学のなかの多様な老年像
   2 ホメロス世界の老年像 ―― 老賢者の理想とポスト英雄時代
      老賢者の理想像 ―― ネストル
      ポスト英雄時代の老年像 ―― オデュッセウスの帰還
      ティトノスの物語 ―― 永続する老年
   3 ヘシオドス ―― 人間の成熟と老後の世話
      五時代説話のなかのヒュブリスと成熟
      『仕事と日』 と 『国家』 の密接な関係
      老いた両親を養う責務 (ゲーロトロポス)
      ピエタースへ
   4 悲劇における老年 ―– 悲観的な老年像の支配とその超克
      老いたオイディプスの最期
      老年の嘆きと生への執着
   5 喜劇のなかの老年 ―― 世代間の争い
      周縁化された老人たちの反逆
      年長の女性の役割
      伝統的価値の 「復権」 ?
      古喜劇から新喜劇へ ―― 政治性を失った老年像の拡大

第2章 文学から哲学へ ―― プラトンとアリストテレスの老年観
   1 プラトンの老年論と自然学的理論 ―― 『ティマイオス』
      プラトン 『ティマイオス』 のコスモロジーの骨格
      幾何学的アトミズムの導入
      生命活動の源としての髄の重要性と老化のプロセス
      老年と病気の区別
      身体と精神の運動と調和
   2 アリストテレスの老年論と自然学的理論 ―― 『自然学小論集』
      「冷」 と 「乾燥」 ―― 老化の二つの原理
      生得的な生命熱とは
      生命熱と知的能力
      老年と病気
      二つの自然学的理論から帰結すること
   3 プラトンとアリストテレスの老年論の比較
      ボーヴォワールへの批判
      プラトンの 「老年」 の自然学的理論と心身の衰弱
      晩学 (オプシマティアー) についてのプラトンの見解
      アリストテレスの 「老年」 の自然学的理論と老年の心身の衰弱
      老年を示す用語の異なる用法
      アリストテレスの老年論のスコープ
      アリストテレスの 『弁論術』 の老年像
      老人の政治的・社会的位置づけは同じか
      プラトン 『法律』 における国家の要職者の年齢規定
      老人たちの歌舞団 (コロス)
      老いた両親への態度
      心身観の相違に根ざした差異

第3章 ヘレニズム・ローマ期の老年像の変遷 ―― 晩年の理想と現実
   1 プラトンの老年論の系譜 ―― キケロの 「悦ばしい老年」
      キケロの生涯
      著作の意図と作品の設定
      老年をめぐる四つの誤解とその反論
      「元老院 (セナートゥス)」
      「公の活動」 と 「世代間倫理」
      肉体と肉体的快楽の衰え
      死の近さと魂の不死の教説
      老年と成熟
   2 プルタルコスと老人の政治参加
      中期プラトニスト
      『老人は政治に参与するべきか』
      老年を理由に公的生活から引退すべきでないこと
      老年に適切な仕事と若者への教育的役割
      日常のなかの政治と哲学
      キケロとプルタルコスの老年論の比較
      プルタルコスの老年論の意図
      晩年の理想としての閑暇 ―― スプリンナの一日
   3 セネカ ―― 閑暇の意義
      『閑暇について』
      『人生の短さについて』
      オーティウムとスコレーと観想
      老年と自殺
   4 エピクロス派の老年論
      古代原子論のなかの老年
      ルクレティウス 『事物の本性について』 の老年論
      魂の老化と死の恐れ
      エピクロス派への批判

終 章 西洋古代思想における老年と正義
      ガレノスの老年論
      精神の競技の判定者としての老年

上記内容は本書刊行時のものです。