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取引情報
本当の学校事務の話をしよう
ひろがる職分とこれからの公教育
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2016年6月
- 書店発売日
- 2016年6月1日
- 登録日
- 2016年5月10日
- 最終更新日
- 2021年2月22日
重版情報
4刷 | 出来予定日: 2020-03-25 |
3刷 | 出来予定日: 2018-08-03 |
2刷 | 出来予定日: 2017-04-03 |
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紹介
学校事務ができることは、こんなにある!
学校事務の可能性を広げる著者が、これからの公教育における事務職員のカタチを描き出す。
☆教材選定のしくみづくりで教員をサポート
☆公費の出せる範囲を明確化し、保護者負担金を軽減
☆就学援助制度を「事務室だより」で周知、家庭と行政の窓口に
☆リクエスト箱設置で子どもの「ほしい」に応える
事務職員が知りたいノウハウと、校長・管理職が知りたい学校事務の活かし方を語りつくします。
目次
第1章 あらためまして、「事務職員」です──導入的な自己紹介
1─事務職員って、こういう者です
最初に出会って最初に忘れられる存在/事務職員の配置は法律で決まっているん……です?/事務職員の仕事=学校事務ではありません
2─意外に広い人間関係
謎多き「事務室の先生」/子どもを評価しないおとな/節目の時期に増える保護者とのかかわり/地域住民と学校の窓口として
3―めざせ! 学校事務職員
「結局、なんの仕事なの?」/県の採用だけど、市の職員/「だれも教えてくれない!」単数配置職種の宿命/事務職員はめざすべき職種じゃないのか?!
コラム:事務職員の一日
──
第2章 教育費を担う仕事――学校財務担当者として
1─公費と私費
公費の使われ方──予算から決算まで/なんで公教育に「私費」があるの?
2─学校運営費を結合する
分離されている公費と私費/ついつい使い勝手のいい私費に流れがち/お金の流れの交通整理から保護者負担金の軽減へ
3─教材・教具と授業にまつわるお金
「算数セットは個人持ち」を考えなおす/事務職員は授業も学べ/解剖にいいイカは冷凍? 生?/だんぜん安い版画板に落とし穴が
4─学校徴収金=私費=保護者負担金のさまざま
学校徴収金とは何か/学校給食費負担の法的根拠/教材は受益者負担?/校外学習や修学旅行は大きな負担/中学から私費になりがちな生徒会費・部活動費/PTA会費・後援会費の「例年どおり」を見直す
5─学校財務の評価
見えなければ評価できない/学校財務を学びあう/「あの教材、有用だった?」効果検証シートの活用/財務評価を積み上げて公費増額へ──事務職員にできること
コラム:卒業するのにお金がいるの?──卒業対策費とは
──
第3章 変化し、広がる学校事務──学習環境を保障する
1─情報を発信する
保護者へ、子どもたちへ、教職員へ/「事務室だより」で情報を整理・伝達/アピールのチャンスは逃さない──壁新聞やWebサイトも
2─情報を安全に管理する
増殖する情報管理の仕事/先手を打って情報公開を/学校は個人情報のかたまり/セキュリティ事故防止策の利点と難点
3─危険な化学物質から学校環境を守る
シックスクールは労働問題でもある/「たかが油性ペン」を変えることから/物品購入を担う事務職員の重責
4─子どもの声を学校改善に生かす
生徒会の予算計画も学習に/生徒たちによる改善提案/アンケートは応答がいのち
5─子どもの就学を保障する
日本で増えている子どもの貧困/制度を知る・伝える──就学援助と生活保護/援助が必要な人に伝わっていない/ニーズを察知してアウトリーチする/バッシングはこわくない──知識は認識を変える/奨学金制度周知で卒業する子たちをバックアップ
6─教職員の労働環境を考える
教職員も労働基準法で守られている/分業・協働で負担軽減するために/「おとなアンケート」で安全・快適な職場に/あるのに使われていない休暇制度は周知がポイント
7─校内外の協力を集める結節点になる
教員は電話に出られない──渉外業務は事務職・管理職で/学校と外部機関をつなぐ/子ども目線の学校改善に「ウォント・リペアカード」/安全点検と施設管理にユニバーサル・デザインの観点を
コラム:増える学校給食費の未納――どう解決していくべきか
──
第4章 これからの公教育を考える──子どもの権利を実現する学校事務へ
1─教育無償化の経緯と展望
義務教育費無償の原則に逆行する学校徴収金/現行法で無償とされている範囲は/「義務教育は、これを無償とする」の範囲は──学説・裁判・行政の変遷/学校経費の負担はどこが──主体と範囲の移り変わり/明治からあった教育費無償化運動/全面無償化案を幻にした、占領政策との齟齬/世界がめざす、高等教育をふくむ無償化/日本国内で進む無償化推進の取り組み/義務教育無償を達成した長崎県・香焼町(1977年)/提言1・無償化に向けた財政措置のロードマップ/提言2・現行制度でも無償化は実現できる/自治体条例の前提となる市民のコンセンサス/ひとしく教育を受ける権利を「相対的無償相当」で実現しては
2─子どもの権利とおとなの使命
なかなかややこしい「子ども」の定義/民法が定める子どもへの制限/おとなの義務はどうやって定められているか/「子どもの権利条約」は世界共通の憲法/日本国内での子どもの権利/条約が要請する社会的インクルージョン/おとな社会は「虐待」といかに向きあうか/児童労働撤廃と学校のサッカーボール/身近なおとなとしての使命
版元から一言
かつて学校事務の仕事の主要部を占めていた給与等の経理処理は、電算システム化により省力化が進んできました。いっぽうで、個人情報保護やシステム管理、地域の防災拠点としての役割など、あらたな職域が生まれつつあります。
コスト削減の圧力のままに非正規化、配置縮小されるのか、より専門性を高めて「チーム学校」のハブとなっていくのか、職種としての岐路に立っています。
そんな危機感から書かれた本書は、学校という組織での実務の進み方や財務事情にまで突っ込んだ現場からのレポートとなっています。
子どもの学習・生育環境を事務からサポートする専門職として、何ができるのか。著者の軽妙にして真摯な実践を、多くの人に読んでいただきたいです。
上記内容は本書刊行時のものです。