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広葉樹の国フランス 門脇仁(著/文) - 築地書館
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広葉樹の国フランス (コウヨウジュノクニフランス) 「適地適木」から自然林業へ (テキチテキボクカラシゼンリンギョウヘ)

自然科学
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発行:築地書館
四六判
縦188mm 横128mm 厚さ20mm
重さ 354g
303ページ
定価 2,400円+税
ISBN
978-4-8067-1665-5   COPY
ISBN 13
9784806716655   COPY
ISBN 10h
4-8067-1665-0   COPY
ISBN 10
4806716650   COPY
出版者記号
8067   COPY
Cコード
C0061  
0:一般 0:単行本 61:農林業
出版社在庫情報
不明
書店発売日
登録日
2024年2月20日
最終更新日
2024年5月8日
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紹介

まさかの森林大国。
一人当たりの森林面積では日本を超えたフランス林業、奇跡のカムバックを描く!

国土の1/3を森林に覆われたフランス。その木々のうち、7割は広葉樹である。
修道院による大開墾や度重なる戦火によって荒廃し、
一時は10%台まで低下した森林率を、フランスはいかにして取り戻し、
植生の多様性を大切にした、本来の自然を模倣する森づくりを成し遂げたのか。

ヨーロッパの歴史と森林政策、伝統から未来へとつなぐフランス林業のあり方、
人々の広葉樹への愛と、拡大造林の影響が続く日本との比較から、
全体最適の森に向けた広葉樹林業を紹介する。
日本初のフランス「森林の書」。

目次

はじめに

Ⅰ  知られざる森林立国─ガリアの魂とフランス林業
オークでよみがえったノートルダム・ド・パリ
ビストロの看板も、パン工房の木炭も
自由・平等・緑愛
キーストーンの世界戦略
聖女伝説にさかのぼる水・森林管理
意識の古層のガリア、ケルト─失われた森を求めて
樹木信仰とユビキタス
気がつけば森林国─一人あたりの森林面積は日本以上
モザイク国土が生んだ「適地適木」
山脈の地質にはぐくまれ─フランスのおもな樹種
極相林(クリマ)を生かした林業経営
複層林でつらぬく「広葉樹林業」
国有林は地域色のパレット
アーボリストのたゆまぬ修練
脱力系サスティナブルな私有林
地方分権を林業プログラムの追い風に
採算性と保全の両立
ブランディングで国産材消費を伸ばす
森と海をつなぐ夏緑樹(かりょくじゅ)─牡蠣養殖の日仏協力
変貌するパリ─都市改造と17万本の新緑
フランス人のエコ感覚

Ⅱ  千年樹が見た日々─フランス森林再生史
密林が覆う氷河期明けの大地
恵みの森、シェルターの森
栽培、交易、祭祀─すべては森のはずれ(リジエール)から
収奪に始まり、荒れ地を残したローマンとゲルマン
萌芽更新で根絶やしをまぬがれる
林地を切り裂く「膨張エンジン」
大地と資源のナショナリズム
シカ追う者も森を守る─皆伐・乱伐・盗伐との闘い
大番頭コルベールの「森林大勅令」
モンバールの森で─ビュフォン博物学の原風景
時代を画す林学書が流行
時間と土地を解放したフランス革命
「われわれは伐り倒されても生えてくる」─植民地奴隷がつくった国ハイチ
森林科学の最高学府がナンシーに
戦火のたびに林種転換─ドイツ林業との確執
柔軟に、しかし執拗に─照査法の発展とギュルノー事件
衛星からも見える広域砂防林
植物社会を究め、人間社会と格闘─フラオーの生涯
対岸の火事だったナチスの自然保護
「雑木林」という名の抵抗
復興期に生まれた国立公園
放置林への打開策─広葉樹で良材を育てる
EUとはつかず離れず─フランスの農林政策
モンマルトルの樹木争議
20世紀最悪のサイクロン、そして森林法典改正へ
新しい森林レジームの時代

Ⅲ  ユーラシアの東と西で─森と林業の日仏比較
「弓」と「盾」
山河の森、平原の森
海洋性と大陸性、寒帯と亜熱帯の気候クロスロード
変質土壌も木々の苗床に
バリエーションに富む日仏の植物群落
「温帯林」にニュアンスの差も
照葉樹林国ニッポン
ギャップダイナミクスと病害虫
下草の違いと原生自然
伝統木造家屋の比較─「ハーフティンバー」vs「数寄屋造り」
乾燥気候ゆえの山火事
国有・私有・公有林に見る森の素描
日仏でシンクロしていた破壊と再生の歴史
薪炭つながり─製塩から線香花火まで
親仏外交路線の興亡
欧州使節団から始まった「針葉樹一択」
有能すぎた日本のスギ
日仏の明暗を分けた拡大造林
ふたつの教訓─「放置私有林」と「荒廃国有林」
21世紀の林業転換
「環境知性(エコゾフィー)」をはぐくむ現代の森づくり
国内の低開発、海外の乱開発
帳尻合わせの造林支援を避けるには
今後は日仏の国際林業協力も
再生の決め手はいまも広葉樹

おわりに
樹種名一覧
図表出典
参考文献
索引

著者プロフィール

門脇仁  (カドワキヒトシ)  (著/文

1961年浦和市生まれ。慶應義塾大学卒。
「国連持続可能な開発委員会」の理念にもとづく国際援助専門誌を経て、1994 年に渡仏。
日仏の森林生態系と林業についての比較研究で、フランス国立ヴァンセンヌ・サン= ドニ大学(パリ第8大学)
大学院人間生態学研究科上級研究課程を修了。
在仏中、フランス環境ジャーナリスト・作家連盟(JNE)加盟。帰国後、環境省所轄の公益法人を経て独立。
現在までエコロジー、生態学史、ネイチャーライティングなどの著述、翻訳(英・仏)、講義・講演多数。

上記内容は本書刊行時のものです。