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詩人の恋
アラブの歌姫ウンム・クルスーム物語
原書: OUM
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2020年12月27日
- 書店発売日
- 2020年12月14日
- 登録日
- 2020年11月16日
- 最終更新日
- 2020年12月15日
書評掲載情報
2021-02-26 |
VOGUE
2021年4月号 評者: 実川元子 |
2021-01-16 | 日本経済新聞 朝刊 |
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紹介
この本は、フランスで刊行された『ウンム(OUM)』(仏語本)の全訳。書名のウンムとは、ウンム・クルスーム(1904?-75)のことで、彼女はエジプトが生んだ希代の名歌手であり、いまだにCDショップや書店にはライブCDが大量に並んでいるという。本書は、ウンム・クルスームと同時代を生きた、やはり著名なエジプトの詩人のアフマド・ラーミー(1892-1981)の口を借りて、彼自身の生涯と重ね合わせながら、ウンム・クルスームの一生を、一人称で縦横に克明に語りつくした小説である。ウンムはその生前から、「オリエントの星」「アラブの歌姫」「ナイルのナイチンゲール」「黄金ののど」「五色の声をもつ歌手」などと称され、さまざまの最高の形容でもてはやされてきた。そればかりか、没後もアラブ世界で、レジェンドの地位をほしいままにしており、彼女の歌は、いまもなお聴衆の心に、ふかく、やさしく、新鮮に息づいている。事実、ウンム・クルスームの歌は、エジプトでは今日ですら、ラジオの音楽番組の定番となっており、おびただしい量のライブCDが、現地書店や楽器店の棚をかざっていて、その人気は一向におとろえる気配すらない。著者ナスィーブは、1946年ベイルート生まれで、1969年以降今日まで、パリを中心に活動するパレスチナ問題に詳しいジャーナリスト。そのかたわら、小説も書いている。
目次
第1部(1924‒1928年)
第2部(1932‒1938年)
第3部(1950‒1956年)
第4部(1965‒1975年)
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版元から一言
この本は、『ウンム(OUM)』(仏語本)の全訳です。書名のウンムとは、ウンム・クルスーム(1904?-75)(仏語ではOum Kalthoum、英語ではUmm Kulthum)というエジプトが生んだ希代の名歌手のこと。彼女のラジオ番組がはじまると通りから人が消えたとも言われるほどの人気を誇りました。また、彼女の葬儀には400万人の人が集まったと言われます。彼女のライブCDは、いまだに現地のCDショップや書店に大量に並んでおり、エジプトはもちろんアラブ世界では知られた存在です。本書は、ウンム・クルスームと同時代を生きた、やはり著名なエジプトの詩人アフマド・ラーミー(1892-1981)の力を借りて、彼自身の生涯と重ね合わせながら、ウンム・クルスームの一生を、縦横かつ克明に語りつくした小説です。彼女の歌風はアラブの古典音楽と大衆音楽の特質をあわせもち、壮大さにみちみちており、そのコンサートは、「タラブ」(=アラブ的情調)に裏打ちされた、つねに熱狂的な雰囲気に取り囲まれたものであったそうです。
この日本語訳の他にも、アラビア語訳『それはまぼろしの城だった』、ヘブライ語訳『ウンム・クルスーム物語』、英語訳『あなたの声ゆえにあなたを愛した』などがあります。
著者ナスィーブは、1946年ベイルート生まれの、パリを中心に活動しているパレスチナ問題に詳しいジャーナリストです。ジャーナリストとしてのかたわら小説も書いています。
アラブの偉大な歌手の姿を本書で堪能してください。
上記内容は本書刊行時のものです。