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18世紀ニューイングランド漁業のグローカル・ヒストリー
タラ商人の書簡から読み解く環大西洋世界・地域社会・独立戦争への道
- 初版年月日
- 2025年6月30日
- 書店発売日
- 2025年6月13日
- 登録日
- 2025年5月10日
- 最終更新日
- 2025年5月29日
紹介
「このように、タラ漁業とそれに付随した干しダラ輸出業は、当時のニューイングランド経済最大の富の源となっていたのである」(本文序章より抜粋)
本書は、植民地期ニューイングランドの基幹産業だったタラ漁業と干しダラ輸出業に着目し、同植民地の経済発展及びイギリス本国からの経済的自立化、そして独立戦争へ至るプロセスについて考察したものである。ケーススタディとして、当該期のニューイングランドを代表するタラ漁業・タラ交易都市マーブルヘッド(マサチューセッツ植民地)を取り上げ、同都市のタラ商人が遺した書簡史料を手がかりとしながら、環大西洋史とマーブルヘッド地域社会史が織りなしたグローカル・ヒストリーを描き出す。
目次
はじめに
序
第1節 タラ漁業の重要性
第2節 「グローカル」的視角からのアプローチ 環大西洋史と地域社会史との接合
第3節 本書の課題と構成
第1部 18世紀ニューイングランド漁業の環大西洋的な経済発展プロセス
第1章 下請け・孫請け部門としてのマーブルヘッド漁業
第2章 18世紀前半におけるマーブルヘッド漁業の経済発展プロセス
第1節 ニューファンドランド沖への漁場の拡大
第2節 西インド市場
第3節 仏領西インド諸島との密貿易
第4節 イベリア市場
第3章 17世紀型サプライチェーン崩壊とボストン商人による密貿易の開拓
第1節 ボストン商人の生存戦略 1720年代のキャンソを事例として
第2節 ボストン商人による密貿易ネットワークの開拓
第2部 18世紀ニューイングランド漁業によるイギリス本国からの経済的自立化
第4章 マーブルヘッド漁業の経済的自立化
第1節 ジョン・バーナード牧師の功績
第2節 ゲリー家の書簡史料から見えてくるマーブルヘッド漁業の経済的自立化
第5章 地域社会のリーダーとして――マーブルヘッド・ジェントリの形成
第1節 新旧商人エリート層の入れ替わり
第2節 マーブルヘッド・ジェントリの形成 地域社会への積極的関与と富の還元
第3部 ニューイングランド漁業の環大西洋交易網とイギリス重商主義体制との衝突
第6章 砂糖法の成立――西インド諸島派との対立
第1節 西インド諸島派の不満
第2節 砂糖法をめぐる論争
第7章 規制法の成立――イングランド西部地方商人との対立
第1節 イングランド西部地方商人による季節性漁業とニューファンドランド漁業
第2節 イングランド西部地方商人の不満とイギリス海軍による取締り
第3節 規制法の成立とその影響
第8章 イギリス海軍への反発――イギリス海軍の強制徴募を中心に
第1節 18世紀前半におけるニューイングランド漁業とイギリス海軍
第2節 18世紀半ば以降における強制徴募関連の法体制の変化と反強制徴募
第3節 1775年におけるアメリカ貿易法の撤廃
終章
参考文献一覧
あとがき
索引
上記内容は本書刊行時のものです。