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イコンとしてのチェ・ゲバラ 加藤 薫(著/文) - 新評論
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イコンとしてのチェ・ゲバラ (イコントシテノチェゲバラ) 〈英雄的ゲリラ〉像と〈チェボリューション〉のゆくえ (エイユウテキゲリラゾウトチェボリューションノユクエ)

芸術
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発行:新評論
A5判
192ページ
定価 2,200円+税
ISBN
978-4-7948-0962-9   COPY
ISBN 13
9784794809629   COPY
ISBN 10h
4-7948-0962-X   COPY
ISBN 10
479480962X   COPY
出版者記号
7948   COPY
Cコード
C0070  
0:一般 0:単行本 70:芸術総記
出版社在庫情報
不明
書店発売日
登録日
2015年8月13日
最終更新日
2023年12月19日
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紹介

ジャン=ポール・サルトルをして「20世紀で最も完璧な人間」と言わしめ、ジョン・レノンに「世界で一番カッコいい男」と称賛された人物。その名はエルネスト・ラファエル・ゲバラ・デ・ラ・セルナ(1928-67)、一般にチェ・ゲバラとして知られる。
 1967年に非業の死を遂げて以来、チェ・ゲバラの《英雄的ゲリラ》としてのイメージは、民衆の願望や希望を反映した神話化のプロセスを歩んできた。そしてそのイメージは、21世紀になっても消費しつくされることなく、理想の未来を目指す運動のイコンとしていまも増幅を続けている。
 本書は、数多あるゲバラ研究に新発見の事実や歴史の新解釈を加え、脱神話化の文脈でその「英雄性」を世に問うというものではない。社会正義や「公正な社会」の実現のため、あるいはささやかな自己実現のためにチェ・ゲバラのイメージを必要とした人々の物語であり、彼の英雄譚をあらわす表徴/イコンの集成ということになる。そこで中心的な役割を果たしたのが、写真家コルダが撮影した「世界で一番有名な肖像写真」である。そのアプロプリエーション(流用)の範囲は、芸術作品から商品にいたるまで実に幅広い。多くの写真家やアーティストたちが、このイコンをイメージの上で超えていく図像の創造を、あるいは、過去のイメージの発掘と再生を競いあってきた。本書ではこういった事例の紹介に相当の紙数を費やしている。
 ゲバラというイコンは、なにゆえいまだに愛され、必要とされているのか。その理由を、現代社会のありように照らしあわせながら、読者とともに探ってみたい。草の根からの社会変革が可能だと信じた20世紀後半の数々の抵抗運動の挫折を経て、より複雑さを増し、真の敵が見えにくくなっている現代において、「チェボリューション」(ゲバラの理想や行動を参照しつつ目指される社会と人間の変革)は果たして可能か、あるいは本当に必要なのか。本書はそれを考えるための一歩である。(かとう・かおる)

著者プロフィール

加藤 薫  (カトウカオル)  (著/文

1949年生まれ。中南米・カリブ圏・米国ラティーノ美術研究者、評論家、神奈川大学教授。各種美術展の企画やテレビ番組制作にも携わる。主著に『ニューメキシコ 第四世界の多元文化』『キューバ☆現代美術の流れ』『骸骨の聖母サンタ・ムエルテ』など。

上記内容は本書刊行時のものです。