版元ドットコム

探せる、使える、本の情報

文芸 新書 社会一般 資格・試験 ビジネス スポーツ・健康 趣味・実用 ゲーム 芸能・タレント テレビ・映画化 芸術 哲学・宗教 歴史・地理 社会科学 教育 自然科学 医学 工業・工学 コンピュータ 語学・辞事典 学参 児童図書 ヤングアダルト 全集 文庫 コミック文庫 コミックス(欠番扱) コミックス(雑誌扱) コミックス(書籍) コミックス(廉価版) ムック 雑誌 増刊 別冊
人はなぜ握手をするのか エラ・アル=シャマヒー(著/文) - 草思社
..
詳細画像 0 詳細画像 1
【利用不可】

人はなぜ握手をするのか (ヒトハナゼアクシュヲスルノカ) 接触を求め続けてきた人類の歴史 (セッショクヲモトメツヅケテキタジンルイノレキシ)

社会一般
このエントリーをはてなブックマークに追加
発行:草思社
四六判
224ページ
定価 1,800円+税
ISBN
978-4-7942-2597-9   COPY
ISBN 13
9784794225979   COPY
ISBN 10h
4-7942-2597-0   COPY
ISBN 10
4794225970   COPY
出版者記号
7942   COPY
Cコード
C0039  
0:一般 0:単行本 39:民族・風習
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2022年9月5日
書店発売日
登録日
2022年8月5日
最終更新日
2022年8月20日
このエントリーをはてなブックマークに追加

書評掲載情報

2022-11-20 産經新聞  朝刊
評者: 大石高典(東京外国語大学准教授)
MORE
LESS

紹介

時代が移り変わっても、
“握手”は死なない――
気鋭の古人類学者が、握手の起源から現代の握手事情まで
古今東西の「握手史」を縦横無尽に考察した快作。

人類誕生以前の時代の握手から、
古代のメソポタミア・ギリシャ・ローマでの握手、
帝国主義により姿を消した未開地域での特異な握手、
接触を避けるアジア式挨拶、現代史に刻まれた著名人による握手、
パンデミック期の「反握手」運動まで、
古人類学者が古今東西の「握手」を縦横に考察。
人類の根源的欲求「握手」の歴史と底力に迫った快作。

●握手の起源は、人類誕生よりはるか昔の700万年前
●チンパンジーは仲間と喧嘩した後、握手をしていた
●文明社会から隔絶された未接触部族も、握手をする
●指パッチン、ペニス握手…あまりに多様で豊かな握手の世界
●米国と中国の「不穏」な握手、ダイアナ妃の握手…歴史に残る握手シーン
●パンデミック下での「反握手」の歴史と、握手の蘇生力

目次

はじめに

握手はもう死んだのか
握手は太古からヒトのDNAにプログラムされてきた
握手をしない人生からする人生へ
相手の心に触れる行為

第1章 握手の起源──握手はどこから来たのか
「未接触部族」の衝撃的ジェスチャー
未接触部族の握手とDNA
ネアンデルタール人は握手をしたか
系統学から見る握手の起源
類人猿たちの「手」とハグ
ヒトは「匂い」から相手の感情さえ察知する  
握手による匂いの伝達
「接触」とホルモン分泌の関係
マッサージ、握手……接触という信頼のメッセージ
ジェスチャーとしての握手と、ダーウィンの「反対」の原理   
握手の心理学
極東の「触れない文化」の背景
握手は太古から続く生物学的な行動

第2章 象徴としての握手──握手は何を意味するのか
握手は常にポジティブなもの
ヒトの「手」の深遠な意味
太古の洞窟や岩に描かれた「手形」
握手の起源は中世の騎士道精神ではない
古代メソポタミアの王による「プロパガンダ」握手
古代ギリシャの「多様な意味」をもつ握手
エトルリア文明とローマ帝国の握手
握手と階級──史上最も「生意気」な握手
クエーカー教徒の平等主義と握手
現代における握手の意味
スポーツにおける握手
ビジネスにおける握手
政治家の握手

第3章 指パッチンとペニス握手──握手・挨拶の多様な文化
未解明な世界の挨拶文化
握手はなぜ、これほど多様化したのか
手の込んだ挨拶の消滅と、列強グローバリズム
それでも生き残った挨拶たち
「指パッチン」「しゃがんで拍手」「肩をぶつけあう」ほか
ハグ──他の追随を許さない「接触面積の広さ」
キス──一度にする回数も、どこにするかも、さまざま
鼻や額を擦りあわせる
非接触型の挨拶──日本、中国、インド、タイほか
失われた挨拶たち
乳房を吸う
ペニスを相手の手に押しつけ、引き抜く
自分の顎ひげをなでる
相手の胸を叩く
「サメの歯で自分を傷つける」「女性が下半身を露出する」ほか
異文化間の握手の気まずさと帝国主義

第4章 握手のやり方──人類学者によるちょっと尖った指南
「完璧な握手」を表す数式
握手の前の心得
握手は「自分の優位性」を示すものではない
体調が悪いときは
握手前の第一印象づくり
いざ、握手開始
正しい握手の仕方──「右手」と「左手」の意味
「握りの強さ」と健康、ジェンダー問題
握手の所作の注意点
いつ「手を放す」か

第5章 幸運の女神の御手──歴史に残る握手の名シーン 
握手の凄さをたどる旅
ダイアナ妃とあるエイズ患者の握手──社会的公正さとは何か
バイデン大統領とハリス副大統領のフィストバンプ──握手代わりのメッセージ
レーガンとゴルバチョフの握手──冷戦時代の「終わりの始まり」
キング牧師とジョンソン大統領の握手──1964年、公民権法の制定に際して
サダト大統領とベギン首相の握手──エジプト・イスラエル平和条約調印と第3の人物、米カーター大統領
マルコムXとキング牧師の握手──2大巨頭のつかの間の邂逅と悲哀
エリザベス女王と元IRA司令官の握手──過去を水に流す
南アフリカの黒人大統領マンデラとラグビー同国代表キャプテンの握手──人種差別を乗り越えて

第6章 不幸な運命の手──歴史に残る酷い握手

「握手を拒む」というドラマ
アメリカと中国──1954年と72年の2つの「不穏」な握手
オバマとケニーの握手──アイルランド首相が差し出した手に気づかなかったオバマ
ヒトラーとネヴィル・チェンバレンの握手──ミュンヘン協定の失敗
ヒトラーとベルリン五輪4冠の黒人選手とルーズベルト──ヒトラーの握手拒否と米国の人種差別
トランプ大統領と「ほぼすべての相手」の握手──粗暴な握手から見えてくるもの
英ジョンソン首相の悪名高きCOVID-19握手──抜群の反面教師
英サッカー選手同士の握手事件──セックススキャンダルの顛末
カストロとオバマの「握手」──身長差などが招いた想定外の事態
要人暗殺の手段としての握手──握手の達人マッキンリー大統領を襲った悲劇

第7章 パンデミックと反握手──握手は最期を迎えているのか
握手への死亡宣告は2020年が初めてではない
古代以来のパンデミックと感染予防の歴史
医療関係者等による「反握手」の歴史と、握手の「蘇生力」
ヒトの手に棲む無数のバクテリアやウイルスと、感染予防策
エルボーバンプの是非と「手洗い」が苦手な人たち

著者プロフィール

エラ・アル=シャマヒー  (エラ アル シャマヒー)  (著/文

エラ・アル=シャマヒー(Ella Al-Shamahi)
ナショナルジオグラフィックの探検家にして古人類学者、進化生物学者、さらにはスタンダップ・コメディエンヌでもある。専門は洞窟、非友好的地域、紛争地域、不安定地域などの探検とネアンデルタール人。テレビ司会者としても活動し、TED 2019のスピーカーも務めた。また、世界最大の芸術祭エディンバラ・フェスティバル・フリンジでは、これまでに4回パフォーマンスを披露している。遺伝学、分類学、生物多様性の学位をもち、現在は古人類学の博士課程に在籍中。

大川 修二  (オオカワ シュウジ)  (翻訳

大川 修二(おおかわ・しゅうじ)
早稲田大学第一文学部(哲学専修)卒業。外資系企業勤務を経て1996年より翻訳活動。主な訳書に『スターバックス成功物語』(共訳、日経BP社、1998年)、『完全なる経営』(日本経済新聞出版社、2001年)、『コトラーのマーケティング・コンセプト』(東洋経済新報社、2003年)、『最底辺のポートフォリオ』(みすず書房、2011年)、『ヒトデ型組織はなぜ強いのか』(ディスカヴァー・トゥエンティワン、2021年)など。著書に『人材価値による経営の時代』(幻冬舎ルネッサンス、2007年)。

上記内容は本書刊行時のものです。