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ギニア湾の悪魔 村津 蘭(著/文) - 世界思想社
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ギニア湾の悪魔 (ギニアワンノアクマ) キリスト教系新宗教をめぐる情動と憑依の民族誌 (キリストキョウケイシンシュウキョウヲメグルジョウドウトヒョウイノミンゾクシ)

哲学・宗教
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発行:世界思想社
四六判
縦192mm 横138mm 厚さ30mm
重さ 485g
448ページ
定価 4,800円+税
ISBN
978-4-7907-1779-9   COPY
ISBN 13
9784790717799   COPY
ISBN 10h
4-7907-1779-8   COPY
ISBN 10
4790717798   COPY
出版者記号
7907   COPY
Cコード
C3039  
3:専門 0:単行本 39:民族・風習
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2023年1月31日
書店発売日
登録日
2022年12月21日
最終更新日
2022年12月28日
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書評掲載情報

2023-03-12 産經新聞  朝刊
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紹介

神と悪魔の憑依は、いかにして現実の〈もの〉になるのか?
苦難を癒し、興隆するアフリカの新宗教。その核心は、モノや情動、環境の中に現れる霊的存在にある。写真や映像、エッセイを交え、霊と呼応する人々の生に迫る、マルチモーダル人類学

――序章より
「悪魔」とは、多くの場合、アフリカの在来の神格や霊的存在、または妖術師である。……

人々に憑依してその姿を現し、現実へと介入してくる。その中で人々の身体は、悲鳴を上げ、汗を散らし、目に見えない鞭で打たれ、涙を流す。手足を震わせ、身体を反らして、叫び、倒れ込む。立って走り、暴れつくした後に、床に寝そべり、うめき声を上げる。

それは、「人々は悪魔や妖術師を信じている」という記述にはとても収まらない、情動や身体など様々なものが絡まり合う中で起こっている出来事だ。神や悪魔といった人ならざるものたちが、いかに人々の間に立ち現れ、複雑に呼応しながら生が紡がれ
るのか。本書は、出来事が生起する場を起点として、このような問いを探究していくものである。

目次

――鳥になる――

序章❖霊の現れと情動
1 アフリカにおけるキリスト教の背景
2 霊的存在を意味づける
3 霊が生成するところへ

――雨の日の会話――

1章❖ベナンの宗教と霊的領域
1 調査地ベナン

2 ベナンの歴史と宗教
3 霊的な諸力
4 呪術と妖術

――丘に登る――

2章❖バナメー教会の神と悪魔の現れ
1 悪魔の現れ
2 神の現れ
3 「証言」という現れ

――退屈で重要な――

3章❖改宗の諸相
1 バナメー教会の信者たち
2 改宗の動機
3 「間」に生じる説得

――スパイと民族誌――

4章❖憑依による変容
1 デリヴァランスの概要
2 デリヴァランスの特性
3 憑依霊の正体と憑座

――声がつかむ――

5章❖憑依のエンスキルメント
1 憑依と身体
2 絡まり合いとしての霊の現れ
3 憑依される者のエンスキルメント
4 取り巻く者と霊のエンスキルメント

――送られる病い――

6章❖「妖術の病い」の治癒過程
1 病いの〈もの〉化
2 バナメー教会の治療の特徴

――トカゲの叫び――

終章❖呼応の中の霊、病い、民族誌


あとがき
参考文献
索引

著者プロフィール

村津 蘭  (ムラツ ラン)  (著/文

1983年生まれ。東京外国語大学現代アフリカ地域研究センター特任研究員。京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程修了。博士(地域研究)。
専門は文化人類学、アフリカ地域研究。西アフリカ・ベナンの宗教現象をフィールドとした宗教人類学、映像人類学/マルチモーダル人類学に根差した研究を行っている。主な論文業績に、‘Inter-religious Demonisation and Its Persuasiveness: The Case of a Newly Emerged Church in Southern Benin’, Journal of Religion in Africa, 52(1-2),2022、「悪魔が耳を傾ける――ベナン南部のペンテコステ・カリスマ系教会の憑依における想像と情動」『文化人類学』(86巻4号、2022年)、「妖術師の生成するところ――ベナンの新宗教の実践における身体・情動・マテリアリティ」『現代世界の呪術――文化人類学的探究』(春風社、2020年)など。

上記内容は本書刊行時のものです。