版元ドットコム

探せる、使える、本の情報

文芸 新書 社会一般 資格・試験 ビジネス スポーツ・健康 趣味・実用 ゲーム 芸能・タレント テレビ・映画化 芸術 哲学・宗教 歴史・地理 社会科学 教育 自然科学 医学 工業・工学 コンピュータ 語学・辞事典 学参 児童図書 ヤングアダルト 全集 文庫 コミック文庫 コミックス(欠番扱) コミックス(雑誌扱) コミックス(書籍) コミックス(廉価版) ムック 雑誌 増刊 別冊
クィアする現代日本文学 武内 佳代(著) - 青弓社
.
【利用可】

書店員向け情報 HELP

書店注文情報

注文電話番号:
注文FAX番号:
注文メール:

在庫ステータス

在庫あり

取引情報

取引取次:
ト・日     書店
子どもの文化     書店(直)
直接取引:あり
返品の考え方: 返品は常時フリーです。了解者名が必要な場合は「矢野」と記入してください

出版社への相談

店頭での販促・拡材・イベントのご相談がありましたらお気軽にご連絡ください。

クィアする現代日本文学 (クィアスルゲンダイニホンブンガク) ケア・動物・語り (ケア ドウブツ カタリ)

社会一般
このエントリーをはてなブックマークに追加
発行:青弓社
四六判
縦188mm 横128mm 厚さ23mm
重さ 363g
288ページ
上製
定価 3,000円+税
ISBN
978-4-7872-9271-1   COPY
ISBN 13
9784787292711   COPY
ISBN 10h
4-7872-9271-4   COPY
ISBN 10
4787292714   COPY
出版者記号
7872   COPY
Cコード
C0095  
0:一般 0:単行本 95:日本文学、評論、随筆、その他
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2023年1月27日
書店発売日
登録日
2022年12月21日
最終更新日
2023年2月9日
このエントリーをはてなブックマークに追加

書評掲載情報

2023-04-30 読売新聞  朝刊
評者: 郷原佳以(東京大学教授・仏文学者)
MORE
LESS

紹介

金井美恵子、村上春樹、田辺聖子、松浦理英子、多和田葉子の作品を、クィア批評や批評理論を縦横に組み合わせて読み解く。読者のアイデンティティをも揺さぶる「現代小説を読むことの可能性」を、小説表現とクィア批評の往還からあざやかに描き出す。

目次

はじめに

第1章 金井美恵子「兎」――クィアとしての語り
 1 危うい近親相姦願望
 2 肉食と殺害に惑溺する少女
 3 過剰な模倣のゆくえ
 4 「少女」の物語から「私」の物語へ

第2章 村上春樹『ノルウェイの森』――語り/騙りの力
 1 男同士の絆と女同士の絆
 2 31と13
 3 語る/騙る女
 4 語られた/騙られた死
 5 女性の欲望を読み直す

第3章 村上春樹「レキシントンの幽霊」――可能性としてのエイズ文学
 1 不可解な孤独
 2 眠りのあとで
 3 パーティーに参加しない「僕」
 4 記録と距離

第4章 村上春樹「七番目の男」――トラウマを語る男
 1 「K」と「私」
 2 男性性(ルビ:マスキュリニティ)の呪縛
 3 「波」の出来事
 4 トラウマの語り
 5 「私たち」のセラピー的空間

第5章 田辺聖子「ジョゼと虎と魚たち」――ケアの倫理と読むことの倫理
 1 ケアの倫理という思考方法
 2 潜在化するニーズ
 3 女性障害者の困難
 4 ケアの倫理と読みの倫理

第6章 松浦理英子『犬身』――クィア、もしくは偽物の犬
 1 ケアされる/ケアする犬
 2 犬という伴侶種
 3 被傷性とケアの倫理
 4 クィアな身体
 5 不穏なる暴力の気配

第7章 多和田葉子「献灯使」――未来主義の彼方へ
 1 障害者的身体をめぐって
 2 クィアな身体と反再生産的未来主義
 3 献灯使という子ども騙し
 4 可能性としてのケア

おわりに

初出一覧

あとがき

人名索引

事項索引

版元から一言

小説を読むとは、どのような行為なのか。現代の小説は私たちに何を語りかけるのか。

本書では、金井美恵子、村上春樹、田辺聖子、松浦理英子、多和田葉子という5人の作家が1970年代から2010年代にかけて描き出した7つの小説に着目する。これらの小説を、アイデンティティのあり方を多様に読み替え/書き換えていくクィア批評と、動物やケアなどをめぐる批評理論を縦横に組み合わせて読み解き、小説に内在する多様性や小説固有の強度を浮かび上がらせる。

既存の社会秩序や異性愛主義的な社会構造を揺さぶり、読者の主体性やジェンダー/セクシュアリティをめぐるアイデンティティをも変容させていく「現代小説を読むことの可能性」を、小説表現とクィア批評の往還からあざやかに描き出す。現代の小説をふたたび読み返したくなる、「クィアする」文学論。

著者プロフィール

武内 佳代  (タケウチ カヨ)  (

日本大学文理学部教授。専攻は近現代日本文学、クィア・フェミニズム批評。共編著に『〈少女マンガ〉ワンダーランド』(明治書院)、共著に『三島由紀夫小百科』(水声社)、『中央公論特別編集 彼女たちの三島由紀夫』(中央公論新社)、『〈戦後文学〉の現在形』(平凡社)など。

上記内容は本書刊行時のものです。