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売る身体/買う身体
セックスワーク論の射程
- 出版社在庫情報
- 品切れ・重版未定
- 初版年月日
- 1997年7月
- 書店発売日
- 1997年7月1日
- 登録日
- 2010年2月18日
- 最終更新日
- 2011年7月4日
紹介
売春を性的奴隷としてではなく性労働としてとらえなおしてみること──売買春からセックス・ボランティアまで性労働の歴史とその現場に定位しながら、欲望の物語を不断に再生産する資本制システムからの決定的な切断点をさぐる先駆的な試み。
目次
第1章 プロスティテュート・ムーブメントが問うもの 田崎英明 1 プロスティテュートの解放とは何か 1 奴隷か労働者か 2 「犠牲者化」に抗して 2 セックスワークの概念──それとジェンダーの関係 1 集団としての「プロスティテュート」の浮上 2 生殖と快楽の分割以前へ第2章 買春する身体の生産 金塚貞文 1 経済行為としてのセックス 2 価値としての「商品化されない性」 3 オナニーする身体の生産第3章 売買春と資本主義的一夫多妻制 小倉利丸 1 売春に関するマルクス主義の古典的な解釈 1 普遍的な身売りの特別な表現としての売春──問題の枠組み 2 アウグスト・ベーベルによる二重規範の指摘 2 売買春論の射程 1 道徳的必要悪説批判──ハヴロック・エリスの場合 2 「女の交換」──クロード・レヴィ=ストロースの場合 3 資本主義における「女の交換」 4 市場と権力 5 違犯を引き受ける市場経済──ジョルジュ・バタイユの場合 6 性欲の多型性とその抑圧──ジョン・マネーの所説 7 性的異端の世俗化と家族における非性的コミュニケーション 3 資本主義と結婚・家族制度 1 なぜ性的快楽をめぐる市場が構築されるのか 2 家族の社会的な機能 4 恋愛結婚という制度 1 特殊資本主義的なカップリング機構としての恋愛 2 恋愛結婚システムの副次的作用 5 消費者からみたセックス商品論 1 欲望の特殊社会性 2 市場システムの欲望の構造 3 商品交換行為の特殊性 4 経験以前的な欲望の形成 5 商品フェティシズムの新しい解釈 6 性の商品化の局面 7 一夫一妻制と売買春の相互補完的な関係についての一般的なモデル 6 おわりに第4章 快楽と生殖のはざまで揺れるセックスワーク──大正期日本を手がかりに 菅野聡美 1 はじめに 2 「妻」なる雇用形態と恋愛結婚 3 大正期日本の性・愛・結婚をめぐる様相 4 母性主義と生殖の売春化 5 おわりに第5章 労働としての売春と近代家族の行方 千本秀樹 1 労働と売春の再検討 1 売春スナックにおけるタイ人女性の実態 2 労働概念の再検討 3 売春と性の再定義 2 近代家族と天皇制 1 一夫一婦制と売春 2 天皇制と売春 3 「性労働の商品化」と「愛の解放」 1 「性の商品化」ではなく「性労働の商品化」の視点を 2 「性産業労働者を公務員に」 3 「性の解放」から「愛の解放」へ第6章 日本の性産業で働くタイ女性たち 渡辺里子 1 インタビューの方法 2 調査上の問題 1 対象となるタイ女性への接近 2 調査費用 3 言葉 4 情報の正確さ 3 インタビュー結果 1 本人の特性と家族状況 2 タイでの職歴 3 日本への出稼ぎ 4 日本での労働条件 5 母国とのつながり 6 日本でのネットワーク 7 日本人とのつきあい 8 日本での生活 9 将来の計画 4 結び 1 自律的な主体としての女性出稼ぎ労働者 2 自ら闘う力をもつ女性たち 3 タイ女性のネットワークと連帯 4 女性労働としてのセックスワーク 5 海外出稼ぎと日本女性たちの闘い 6 国際的な賃金ヒエラルキーの拒否 7 女性たちの闘いの循環第7章 買売春と労働をめぐって──「下館事件タイ三女性を支える会」有志による座談会 1 「売春=労働」観と「売春=悪」論のせめぎあい 2 売春環境と疑似恋愛 3 買いに行く意識 4 「買わない正義派」は共感を得られない 5 障害者と買春編者あとがき 田崎英明
関連リンク
上記内容は本書刊行時のものです。