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アニメと場所の社会学 永田 大輔(編) - ナカニシヤ出版
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アニメと場所の社会学 (アニメトバショノシャカイガク) 文化産業における共通文化の可能性 (ブンカサンギョウニオケルキョウツウブンカノカノウセイ)

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A5判
270ページ
定価 2,700 円+税   2,970 円(税込)
ISBN
978-4-7795-1812-6   COPY
ISBN 13
9784779518126   COPY
ISBN 10h
4-7795-1812-1   COPY
ISBN 10
4779518121   COPY
出版者記号
7795   COPY
Cコード
C1030  
1:教養 0:単行本 30:社会科学総記
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2024年7月30日
書店発売日
登録日
2024年7月9日
最終更新日
2024年7月9日
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紹介

場所はなぜアニメ研究の問題になるのか。

ファン活動、アニメ産業、それらを支える技術や想像力といった角度から、場所がアニメを作り出し、アニメが場所を作り出すさまざまな現象を理解し、アニメ文化が共通文化となりうる可能性と限界を考える基本論集。




●著者紹介

永田 大輔*
所属:明星大学・明治学院大学等非常勤講師
担当:序章,第12章,終章

松永 伸太朗*
所属:長野大学企業情報学部准教授
担当:序章,第6章,終章

杉山 怜美*
所属:慶應義塾大学大学院社会学研究科後期博士課程
担当:序章,第3章,終章

近藤 和都
所属:立命館大学産業社会学部准教授
担当:第1章

菊地 映輝
所属:武蔵大学社会学部准教授
担当:第2章

田澤 真衣
所属:成城大学大学院文学研究科博士課程前期2年
担当:第4章

董 鎧源
所属:早稲田大学大学院社会科学研究科博士後期課程
担当:第5章

三原 龍太郎
所属:慶應義塾大学経済学部准教授
担当:第7章

林 緑子
所属:名古屋芸術大学等非常勤講師
担当:第8章

一藤 浩隆
所属:比治山大学非常勤講師
担当:第9章

清水 知子
所属:東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科教授
担当:第10章

大西 健太
所属:東京大学総合文化研究科博士課程
担当:補章01

雪村 まゆみ
所属:関西大学社会学部教授
担当:第11章

佐々木 啓
所属:東洋大学・明海大学等非常勤講師
担当:第13章

高艸 賢
所属:千葉大学大学院人文科学研究院助教
担当:第14章

松浦 優
所属:九州大学大学院人間環境学研究院学術協力研究員
担当:第15章

中村 香住
所属:神奈川大学人間科学部非常勤助手。慶應義塾大学文学部等非常勤講師。
担当:補章02

目次

序 章 場所から考えるアニメと共通文化
『アニメの社会学』から『アニメと場所の社会学へ』 永田 大輔・松永 伸太朗・杉山 怜美

1 場所から見るアニメ
2 共通文化としてのアニメ?
3 アニメと場所を論じる三つの視点

第1部 消費が作り出す/作り変える場所

第1章 アニメのオーディエンスになること
フローとストックのメディア流通史 近藤 和都

1 アニメブームのメディア論的基盤
2 アニメにおけるフロー型/ストック型流通の重層化
3 レンタルビデオ店を介したアニメ受容
4 ビデオの物質性とアクセスの美学
5 アニメ流通の非/連続的な展開

第2章 アニメ文化に都市が果たす役割を文化装置から考える
イベント・専門店・作品のなかの都市とその未来    菊地 映輝

1 都市の文化装置
2 都市部で開催されるイベント
3 アニメ文化の専門店
4 アニメのなかに描かれる都市
5 アニメ文化のDX化と都市の文化装置
6 アニメ文化と都市の行く末

第3章 ファンとして生きる拠点としての「ホーム」
「スレイヤーズ」ファンの経験を事例に 杉山 怜美

1 「ホーム」から捉えるファンの実践
2 「ホーム」概念の検討
3 「スレイヤーズ」という研究対象と調査概要
4 「スレイヤーズ」ファンのインターネットとの出会いと「ホーム」
5 「スレイヤーズ」ファンをやめずに済ます実践と「ホーム」
6 ファン経験と生活が交差する「ホーム」

第4章 アニメの「聖地」に暮らす
アニメツーリズムを契機とした大洗移住 田澤 真衣

1 ガルパンの「聖地」への移住
2 アニメツーリズムと移住はどのように結びつくか
3 「ガルパン移住」を取り囲む人びと
4 「聖地」に暮らすまで

第5章 中国のアニメファンにとってのアニメ聖地巡礼
さまざまな壁を越えた受容とファンたちの国際移動 董 鎧源

1 「場所の消費」とアニメ聖地巡礼
2 中国のアニメファンと「聖地巡礼」との出会い
3 中国のアニメファンにおけるアニメ聖地巡礼の先駆者たち
4 中国における「アニメ聖地巡礼」概念の定着と個人旅行の広がり
5 中国のアニメファンのアニメ聖地巡礼はビジネス化されたのか
6 中国のアニメファンによる「聖地巡礼」の今後

第2部 生産をめぐるネットワーク・制度と場所の関わり

第6章 制作進行によるスケジュール管理の実践
多拠点で進行する仕事をいかにして協調させるのか 松永 伸太朗

1 マネジメント職としての制作進行
2 クリエイティブ・ヒエラルキーとカジュアルなインプット
3 制作現場でのフィールドワーク
4 リモート状況でのリズムの不一致と調整
5 リモート状況を用いたチームでのフォロー
6 クリエイティブ職を追いかけるための情報の収集
7 協調のセンターとしての制作スタジオ

第7章 知られざる日印合作アニメ  
『ラーマーヤナ ラーマ王子伝説』からみる日本アニメとアジアの過去・現在・未来 三原 龍太郎

1 はじめに
2 『ラーマーヤナ ラーマ王子伝説』はいかにしてつくられたか
3 ディスカッション
4 おわりに

第8章 アニメーションサークルとアニメーション教育
1980年前後のファンたちの教えあいと学びあいの場 林 緑子

1 アニメーション文化、アニメーション教育、アニメーションサークル
2 ファンによる教えあいと学びあいの場
3 産業・大学・ACによる教えあいと学びあいの場の重層性
4 「東京アニメーション同好会」と「アニメーション・ワークショップ」
5 「東京造形大学アニメーション研究会」と「ANIMATION 80」
6 アニメーション教育につながるACの役割

第9章 コピーライト表記の変遷から見る権利意識とスタジオ史
サンライズの歴史を中心として 一藤 浩隆

1 作品の権利とアニメ制作
2 (C)表記の意味
3 『機動戦士ガンダム』に至るまでの(C)表記の展開
4 (C)表記から見た『機動戦士ガンダム』以降
5 二つの場をつなぐために

第10章 ディズニーはロンドンをアーカイブする
クルエラはなぜパンクの女王だったのか 清水 知子

1 変容するヴィランズ
2 ロンドンとファッション:白と黒のアヴァンギャルド
3 復讐の作法とフェミナイズされた手仕事
4 毛皮と悪女の顛末:ポスト/フェミニズムと動物愛護の展開
5 No Futureの行方:クリエイティヴ・シティに生きる女性と動物たち

補章01 地理学的視点から見たアニメーション産業の地方展開とその動向
産業集積から分散への転換の可能性とその課題 大西 健太

1 アニメーション産業と地理学
2 アニメ産業の立地形態と変容
3 アニメ産業の地方展開とその要因
4 地方圏におけるアニメ制作現場
5 今後の展望

第3部 表象とメディア空間

第11章 フランスにおける日本製アニメの放映状況と視聴の記憶
フランスの「ドラゴンボール世代」の経験から 雪村 まゆみ

1 フランスの「ドラゴンボール世代」とは
2 日本製アニメの海外戦略
3 フランスにおける日本製アニメの放映
4 アニメ視聴の記憶の記録
5 おわりに

第12章 映像のコレクションをめぐる意味づけの複層性
「オタクの代表」と「真のオタクではない」を区別する根拠に注目して 永田 大輔

1 オタクの問題化とビデオ利用
2 「オタクの代表」の宮﨑勤
3 1989年におけるビデオの社会的位置づけと有微性
4 「真のオタク」ではない宮﨑勤という語り
5 変容するコレクションの意味論
6 結論:オタクが語られ始めた論理

第13章 「音楽」を通じて作品を理解すること
アニメ『ぼっち・ざ・ろっく!』における視聴者分析の一事例から 佐々木 啓

1 アニメの感想や意見を述べるという実践
2 先行研究および「音楽」を通じて「作品について語る」ことの意味
3 取り扱う題材について
4 視聴者たちの理解1:「下手」な演奏を「そのようなもの」として聞くこと
5 視聴者たちの理解2:「音楽」を通じて作品の内容を理解するということ
6 視聴者の「方法」の分析と今後の課題

第14章 『ポケモンGO』の現象学
空間・時間・自己・他者 高艸 賢

1 『ポケモンGO』プレイヤーの経験
2 シュッツの多元的現実論
3 認知様式論に基づく分析
4 『ポケモンGO』における空間・時間・自己・他者

第15章 コンテンツや場所を介して立ち上がる対人性愛中心主義批判
二次元の性的創作物への法規制に対する抵抗運動に注目して 松浦 優

1 対人性愛中心主義への批判:クィア・スタディーズにおける二次元性愛
2 多様なスケールにおける二次元性愛のスティグマ化
3 性的創作物と流通する場の重要性
4 モノや場所の連関から立ち上がる対人性愛中心主義批判

補章02 女性を「推す」女性たち
「女ヲタ」の実践とコミュニティの分析 中村 香住

1 女性を「推す」女性に向けられてきた目線
2 「女が女を推す」ことをめぐる多様な理由:資料の分析
3 「趣味縁」としての女ヲタコミュニティ
4 女ヲタコミュニティとセクシュアリティ
5 「女ヲタ」の現状と今後の可能性

終 章 グローバル化するアニメとそれをめぐる知のゆくえ
永田 大輔・松永 伸太朗・杉山 怜美

1 本書の要約と到達点
2 アニメのグローバル化をどのように捉えるか
3 アニメのグローバル化と学問のあり方

著者プロフィール

永田 大輔  (ナガタ ダイスケ)  (

明星大学・明治学院大学等非常勤講師
主著:『アニメオタクとビデオの文化社会学――映像視聴経験の系譜』(青弓社,近刊)、「コンテンツ消費におけるオタク文化の独自性の形成過程」(『ソシオロジ』182:21–37.,2015年),「ビデオをめぐるメディア経験の多層性――「コレクション」とオタクのカテゴリー運用をめぐって」(『ソシオロゴス』42: 84-100.,2018年)

松永 伸太朗  (マツナガ シンタロウ)  (

長野大学 企業情報学部 准教授。一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程修了 博士(社会学)。
主要業績:(1)『アニメーターの社会学――職業規範と労働問題』(三重大学出版会, 2017年),(2)『アニメーターはどう働いているのか――集まって働くフリーランサーたちの労働社会学』(ナカニシヤ出版, 2020年),(3)『産業変動の労働社会学――アニメーターの経験史』(晃洋書房, 2022年, 永田大輔との共著)


杉山 怜美  (スギヤマ サトミ)  (

所属:慶應義塾大学大学院社会学研究科後期博士課程
主要著作:「メディアミックスが支える〈保温〉状態のファン実践――「スレイヤーズ」を事例に」(『メディア研究』104:127–146, 2024年)

近藤 和都  (コンドウ カズト)  (

所属:立命館大学産業社会学部准教授
主要著作:『映画館と観客のメディア論――戦前期日本の「映画を読む/書く」という経験」(青弓社,2020年)

菊地 映輝  (キクチ エイキ)  (

所属:武蔵大学社会学部准教授
主要著作:「第3章 メディア,コンテンツとしてのゲーム/eスポーツ」「第4章 新テクノロジーとゲーム/eスポーツ」(川又啓子[編著]『eスポーツ社会論』同友館:pp. 51–62;pp. 63–74,2023年,共著収録論文)

田澤 真衣  (タザワ マイ)  (

所属:成城大学大学院文学研究科博士課程前期2年
主要著作:「アニメ聖地巡礼観光者の移住について」(東アジア人類学研究会・若手研究者発表会報告,2021年)

董 鎧源  (トウ ガイゲン)  (

所属:早稲田大学大学院社会科学研究科博士後期課程
主要著作:「中国資本の進出と独自化するアニメ産業」(『社学研論集』 36:51–59, 2020年)

三原 龍太郎  (ミハラ リョウタロウ)  (

所属:慶應義塾大学経済学部准教授
主要著作:“Involution: A perspective for understanding the Japanese animation’s domestic business in a global context.”, (Japan Forum, 32(1):102–125, 2020年)

林 緑子  (ハヤシ ミドリコ)  (

所属:名古屋芸術大学等非常勤講師
主要著作:「サークルとしてのアニメーション文化――1960~1970年代の東海アニメーションサークルを中心に」(『映像学』 107:39–59, 2022年)

一藤 浩隆  (イチフジ ヒロタカ)  (

所属:比治山大学非常勤講師
主要著作:「アニメーション産業における1960年代後半という時代――東映動画の経営と「放映権」「商品化権」の変化を中心にして」(『マス・コミュニケーション研究』100:279–295, 2022年)

清水 知子  (シミズ トモコ)  (

所属:東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科教授
主要著作:『ディズニーと動物――王国の魔法をとく』(筑摩書房,2021年)

大西 健太  (オオニシ ケンタ)  (

所属:東京大学総合文化研究科博士課程
主要著作:「国内アニメーション産業の立地変容に関する地理学的研究――非東京圏における展開に着目して」 (東京都立大学都市環境科学研究科修士論文,2024年)

雪村 まゆみ  (ユキムラ マユミ)  (

所属:関西大学社会学部教授
主要著作:「アニメ聖地巡礼による空間価値の創出――アート・ワールドにおける背景美術の躍進と能動的オーディエンスという視点から」(『アニメーション研究』23(1):89–100, 2023年)

佐々木 啓  (ササキ ヒロシ)  (

所属:東洋大学・明海大学等非常勤講師
主要著作:「人々にとって「学問」とは何か――SNSのまとめサイトにおける「社会学」をめぐる言説の分析から」(『The Basis : 武蔵野大学教養教育リサーチセンター紀要』14:163–178, 2024年)

高艸 賢  (タカクサ ケン)  (

所属:千葉大学大学院人文科学研究院助教
主要著作:『シュッツの社会科学認識論――社会の探究が生まれるところ 』(晃洋書房,2023年)

松浦 優  (マツウラ ユウ)  (

所属:九州大学大学院人間環境学研究院学術協力研究員
主要著作:「抹消の現象学的社会学――類型化されないことをともなう周縁化について」(『社会学評論』74(1):158–174, 2023年)

中村 香住  (ナカムラ カスミ)  (

所属:神奈川大学人間科学部非常勤助手。慶應義塾大学文学部等非常勤講師。
担当:補章02
主要著作:「メイドカフェにおける店員と客の親密性のマネジメント――「親密性の労働」としての「関係ワーク」の実践」(永田大輔・松永伸太朗・中村香住[編著]『消費と労働の文化社会学――やりがい搾取以降の「批判」を考える』ナカニシヤ出版: pp. 159–178,2023年,共著収録論文)

上記内容は本書刊行時のものです。