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出版者情報
〈京大発〉専門分野の越え方
対話から生まれる学際の探求
- 初版年月日
- 2023年3月31日
- 書店発売日
- 2023年3月31日
- 登録日
- 2023年3月8日
- 最終更新日
- 2023年3月14日
紹介
異分野の人と話すだけで、学際的といえるのか。大学院生が教育活動に取り組む意義とは。「院生が学部生に模擬講義を行う」という活動を通して若手研究者たちが直面した問いに、議論を重ねながら迫る!
専門分野も違う,興味関心もてんでばらばら。そんなメンバーが集い,「大学院生が学部生に模擬講義を行う」という活動をやり始めた。こうした特殊な事情のために,私たちは常に「異質な他者と共に何かに取り組むとはどういうことか」という問いにさらされることになった。
本書では,この問いに対して,「学際性」と「共同性」という二つの視点から考察を加えていく。ミカタに中心的に関わってきたメンバーの論考に加えて,第一線で活躍する外部研究者を含めたさまざまな「他者」を巻き込みながら議論が展開される。(「序章」より)
目次
はじめに
序章 学際性と共同性について考える(萩原広道)
1 「総人のミカタ」というちょっと変わった活動
2 「ミカタの実践を他大学でも」とは考えていません
3 多様な「他者」を巻き込みながら問いを深める
4 本書の構成
5 「つながり」に支えられて
第1章 「総人のミカタ」とは(須田智晴)
1 イントロダクション
2 「総人のミカタ」の理念・目的
3 模擬講義から検討会までの流れ
4 異分野ディスカッション
5 「総人のミカタ」の運営体制と派生企画
6 今後の課題
第2章 「研究を語る」と総人のミカタ(高橋由典)
1 はじめに
2 「研究を語る」とは何か
3 「研究を語る」から総人のミカタをみる
4 おわりに
第1部 「学際性」を育て合う
第3章 専門分野の底流にあるものとしての〈学際〉(萩原広道)
1 専門と学際
2 学際の理想と現実:言うは易く行うは難し
3 学際の重心をずらす
4 総人のミカタにおける〈学際〉の実践
5 おわりに
Commentary01(近藤 望)
Response01
Commentary02(ロレダナ・スコルシ)
Response02
Commentary03:「学際」を制度化することは可能だろうか?(寺山 慧)
Response03
第4章 総人のミカタは専門性の深化に寄与するか(村上絢一)
1 はじめに
2 「総人のミカタ」における「専門性」の追求とは
3 講義における初学者との対話
4 ミカタに集う大学院生との対話
5 むすびに
Commentary01(三宅香帆)
Response01
Commentary02(三升寛人)
Response02
Commentary03(山守瑠奈)
Response03
第5章 シンポジウム1:「学際性」を育て合う
(磯部洋明・高梨克也・佐野泰之+萩原広道・真鍋公希)
1 テーマと人選の意図
2 登壇者・発表要旨
3 ディスカッション
4 シンポジウムのまとめ・その後の展開
第6章 自然科学者が見た学際的な研究と教育(磯部洋明)
1 はじめに
2 余はいかにして学際研究を始めしか
3 宇宙の学際研究の例
4 学際研究と大学院教育
5 自然科学者にとっての異分野交流の意味
第7章 「他者の関心に関心を持つ」ということ(高梨克也)
1 はじめに:「総人のミカタ」と学際性
2 現代における教養
3 認識と行動をつなぐもの
4 媒介項としての関心
5 相手の気になることが気になる
6 「複数の立場」から「自己の二重性」へ
7 おわりに:二重生活と遊び
第8章 学際性とは何か?
「学際諸島」から抜け出すために(佐野泰之)
1 はじめに:学際諸島にて
2 学際性への統合主義的アプローチ
3 統合とは何の謂か
4 認知的学際性
5 専門分野と学際性
6 単独専門性の克服
7 おわりに:学際諸島から
「総人のミカタ」へのコメント(渡邉浩一)
第2部 「共同性」を育て合う
第9章 学際教育のなかの「地図作成」と,その制度化をめぐって(谷川嘉浩)
1 「内なる場所」の育ち
2 学部生に対する学際教育
3 大学院生に対する学際教育
4 大学教育におけるミカタ:北米や国内の院生能力開発と比較して
Commentary01(金澤木綿)
Response01
Commentary02(伊縫寛治)
Response02
Commentary03(北川裕貴)
Response03
第10章 学際的コミュニティの実践と課題
学際による凝集性と制度との関係(杉谷和哉)
1 「総人のミカタ」と制度の関係
2 「総人のミカタ」における「凝集性」
3 限界と課題
4 終わりに:「学際的コミュニティ」のこれからを考える
Commentary01(杉山賢子)
Response01
Commentary02(近藤真帆)
Response02
Commentary03(橋本 悠)
Response03
第11章 シンポジウム2:共同性を育て合う
(大山牧子・成瀬尚志・朱喜哲+谷川嘉浩・杉谷和哉)
1 テーマと人選の意図
2 登壇者・発表要旨
3 ディスカッション
4 シンポジウムのまとめ・その後の展開
第12章 学者養成機能としての「総人のミカタ」(大山牧子)
1 はじめに
2 学者養成機能としての「総人のミカタ」:SoTL(Scholarship of teaching and learning)の考え方を通して
3 プレFDとしての「総人のミカタ」の活動に期待したいこと
第13章 ソーシャルアクションとしての総人のミカタ(成瀬尚志)
1 ソーシャルアクションとしての「総人のミカタ」
2 「何か面白そう」がなぜ本質的であるのか:ワクワク感とリスクの縮減
3 「総人のミカタ」の魅力
4 火種はどのようにして生まれるのか
5 「人間の条件」としてのソーシャルアクション
第14章 「探求の共同体」を現出させるために:
リチャード・ローティのアカデミア論における「関心」概念を検討する(朱喜哲)
1 「探求の共同体」と「関心」
2 リサーチ・プログラム化するアカデミア
3 「何らかの全体論的な見方」から「総人のミカタ」を見る
総人のミカタと私1)(金澤木綿)
総人のミカタと私2)(浪花晋平)
総人のミカタと私3)(萩生翔大)
終章 「総人のミカタ」とは何だったのか(真鍋公希)
1 はじめに
2 「公式の動機」とそれぞれの動機
3 個別の知識を超えること
4 「ものの見方」は細部に宿る
5 「総人のミカタ」は「味方」になれたのか
事項索引
人名索引
上記内容は本書刊行時のものです。