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消費するインドネシア
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2013年4月1日
- 書店発売日
- 2013年4月12日
- 登録日
- 2013年3月1日
- 最終更新日
- 2013年4月17日
紹介
インドネシアにおける消費の実態を克明に描く
▼世界4位の人口をかかえ、著しい経済成長を遂げるインドネシア。独特の国民性による旺盛で貪欲な消費意欲がこの国の経済を拡大し続けている。
▼近代的なショッピングモールと路地裏の露天商が共存する空間で、伝統と現代をともにライフスタイルに取り込む中間層の逞しさを徹底的な現地調査により明らかにする
▼インドネシア研究の第一人者倉沢愛子教授と新進気鋭の若手研究者による意欲作。
▼本編に加え、食、コンビニ、サッカー、下宿、フェイスブック、携帯電話、音楽、ミスコンやマッサージなど、インドネシアの今が分かるコラムを9編収録。
目次
はしがき
序
凡例
第1部 市場の変容
第1章 伝統的市場(パサール)の近代化
――ジャカルタ南部L市場をめぐって 内藤 耕
第1節 はじめに
第2節 地域の中の伝統的市場(パサール)
第3節 若返ったL市場
第4節 L市場の人々
第5節 カキリマと「秩序」
第6節 おわりに
第2章 ジャカルタの衣料品市場の変容
――タナアバン市場における西カリマンタン華人の役割
松村智雄
第1節 はじめに
第2節 タナアバンと西カリマンタン華人
第3節 タナアバンにおける西カリマンタン華人の軌跡
第4節 おわりに
第3章 現代的な消費と「インフォーマル・セクター」
――ジョグジャカルタ特別州スレマン県の学生街の事例
間瀬朋子
第1節 はじめに――学生街での消費に変化が生じた背景
第2節 消費の舞台――学生街A地区の様相
第3節 学生街A地区の大学生(消費者側)の変化
第4節 財・サービス提供者側の変化
第5節 おわりに――現代的な消費社会を生き抜く
「インフォーマル・セクター」
Column
ジャカルタの変わる食風景――モ―ル・グルメと路地グルメ
ミニマーケットの進出と外資コンビニの参入
サッカーに熱狂する若者たち
第2部 消費の変容
第4章 ディズニー化する郊外――商品としての分譲住宅
新井健一郎
第1節 はじめに
第2節 大型ニュータウンの時代
第3節 テーマ住宅街を売る
第4節 クラスター内の生活
第5節 おわりに
第5章 浴室タイルの家
――東ジャワ海外出稼ぎ村における顕示的消費と社会変容
南家三津子
第1節 はじめに
第2節 顕示的消費とジャワ農村社会
第3節 海外出稼ぎ村の誕生
――竹編みの家から「浴室タイルの家」へ
第4節 タイル(飾り)は成功の証し
第5節 家と教育とのはざまで――社会的上昇への2つの選択肢
第6節 おわりに
Column
ジャカルタのコスと若者たちの生活
インドネシアにおけるフェイスブック現象
都市カンポンの携帯電話事情
第3部 教育・文化の変容
第6章 消費行為としての教育――次世代に託す希望 倉沢愛子
第1節 はじめに
第2節 調査地の概要
第3節 教育は2歳児から――幼児教育にかける熱
第4節 学習塾とエリート校の出現
第5節 教育という梯子をのぼった若者たち
第6節 おわりに――疑似中間層の消費スタイル
第7章 商品化するイスラーム
――雑誌『アル=キッサ』と預言者一族 新井和広
第1節 はじめに
第2節 イスラームの商品化
第3節 インドネシアのサイイド
第4節 イスラーム雑誌『アル=キッサ』
第5節 サイイドと『アル=キッサ』
第6節 『アル=キッサ』発行の意図
第7節 おわりに
第8章 イスラーム的価値の大衆化
――書籍と映画に見るイスラーム的小説の台頭
第1節 はじめに
第2節 第一波――イスラーム的短編小説の流行
第3節 第二波――映画化を伴う長編小説の流行
第4節 社会変容とイスラーム的小説
Column
現代インドネシア人の「音楽」における消費傾向
ムスリマによるムスリマのためのもう1つのミスコン
――ムスリマ・ビューティー
美と健康のジャカルタ――拡大するマッサージ産業
執筆者紹介
追記
【編著者】
倉沢 愛子(くらさわ あいこ)〔編者/はしがき、序、第6章、コラム〕
慶應義塾大学名誉教授
【執筆者】(執筆順、肩書きは2013年3月現在)
内藤 耕(ないとう たがやす)〔第1章〕
東海大学文学部教授
松村 智雄(まつむら としお)〔第2章〕
東京大学大学院総合文化研究科学術研究員、東京理科大学非常勤講師
間瀬 朋子(ませ ともこ)〔第3章〕
上智大学アジア研究所客員所員、非常勤講師
新井 健一郎(あらい けんいちろう)〔第4章〕
共愛学園前橋国際大学准教授
南家 三津子(なんけ みつこ)〔第5章〕
岡山大学大学院社会文化科学研究科研究生
新井 和広(あらい かずひろ)〔第7章〕
慶應義塾大学商学部准教授
野中 葉(のなか よう)〔第8章、コラム〕
慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)、同大学総合政策学部講師(非常勤)
〈コラム執筆〉
ウイリアム・ブラッドリー・ホートン(William Bradley Horton)
早稲田大学社会科学総合学術院講師
林 英一(はやし えいいち)
日本学術振興会特別研究員
山口 元樹(やまぐち もとき)
慶應義塾大学大学院文学研究科後期博士課程
メタ・アストゥティ(Meta P. S. Astuti)
ハサヌディン大学文学部講師
井桁 美智子(いげた みちこ)
東京外国語大学大学院総合国際学研究科博士前期課程
猪俣 ロミ(いのまた ろみ)
フリー・ジャーナリスト
山本 まゆみ(やまもと まゆみ)
早稲田大学大学院文学学術院非常勤講師
上記内容は本書刊行時のものです。