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難破する精神 マーク・リラ(著) - NTT出版
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難破する精神 (ナンパスルセイシン) 世界はなぜ反動化するのか (セカイハナゼハンドウカスルノカ)

社会科学
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発行:NTT出版
四六判
定価 2,400円+税
ISBN
978-4-7571-4349-4   COPY
ISBN 13
9784757143494   COPY
ISBN 10h
4-7571-4349-4   COPY
ISBN 10
4757143494   COPY
出版者記号
7571   COPY
Cコード
C0031  
0:一般 0:単行本 31:政治-含む国防軍事
出版社在庫情報
不明
書店発売日
登録日
2017年7月5日
最終更新日
2017年9月5日
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紹介

アメリカ大統領選中に緊急出版され、トランプ現象の背景にある政治的反動という思想背景をときあかし、ワシントン・ポスト、ニューヨーク・タイムズ、フィナンシャル・タイムズ、ニューヨーカーなどにとりあげられ、アメリカの論壇で大きな論争を巻き起こした一冊。

宗教が確固たる信仰のシステムもっていた時代は、神の超越性のもと人間の存在は盤石であった。人間理性中心のヒューマニズムにもとづく近代世界は、ユートピアという未来にむかって、より豊かにより善き生を、不断なく目指すことによって、人間の存在は保たれていた。
しかし、宗教もヒューマニズムも力を失い、向かうべき理想・未来がなくなったうえ、経済的にも沈下し、埋めがたい格差が広がっている。人々の精神は、寄る辺を失い、彷徨っている。人々は自らの実存を保つために、現在の価値観・システムを否定し、失われた過去の栄光にすがりつき、その再現までも試みはじめた。
本書は、反動思想の源流に遡ることによって、現在世界的に猛威をふるうその思想背景・本質を明らかにする。

☆反動(reactionary)とは?
フランス革命の際に生まれた歴史・政治用語で、革命勢力から見て反革命的な姿勢、行動のこと。現在では、アメリカの保守的な人々や、ヨーロッパの民族主義者、イスラームのジハード主義者など、広く既存の社会秩序・システムへの不満を表明する人々にたいして使われている。その思想的な特徴としては、「革命」がイデオロギーにのっとった未来やユートピアへの期待や願望の実現を目指すものだとすれば、「反動」はそれへの幻滅であり、過去へのノスタルジーとして現れる。

目次

はじめに 難破する精神

I 反動の思想家たち
 1 フランツ・ローゼンヴァィク――宗教を求める戦い
 2 エリック・フェーゲリン――内なる世界の終わり
 3 レオ・シュトラウス――アテネとシカゴ

II 反動思想の潮流
 4 ルターからウォルマートまで――「選択しなかった道」という誘惑
 5 毛沢東から聖パウロへ――あるフランス左翼の転向

III 反動の事件
 6 パリ、2015年1月――シャルリー・エブド襲撃事件の余白に

おわりに 騎士道精神とカリフ制――ドン・キホーテと政治的イスラーム

著者プロフィール

マーク・リラ  (マークリラ)  (

コロンビア大学教授。1956年、ミシガン州デトロイト生まれ。ネオコン系の「パブリック・インタレスト」誌、元編集委員。専門は政治哲学、政治神学。哲学あるいは宗教と政治権力の行使の関係を大きなテーマとして研究している。New York TimesやNew York Review of Booksなどに寄稿。著書に、『シュラクサイの誘惑』(日本経済評論社、2005)、『神と国家の政治哲学』(NTT出版、2011)など。

会田 弘継  (アイダ ヒロツグ)  (

【監訳】
日本のジャーナリスト、青山学院大学教授。共同通信社社論説委員長を経て、現職。アメリカ保守に対して造詣が深く、現在メディアや講演会などで引っ張りだこである。著書に、『トランプ現象とアメリカ保守思想』(2016)、『追跡・アメリカの思想家たち』(2008)など。訳書に、フランシス・フクヤマ『政治の起源』(2013)、『アメリカの終わり』など。

山本 久美子  (ヤマモト クミコ)  (

翻訳家。1960年生まれ。ロンドン大学アジアアフリカ研究学院博士課程修了(PhD)、東京大学大学院総合文化研究科超域文化科学(表象文化論コース)博士課程中退。東京大学特任准教授を経て、おもに映画やITを専門とする翻訳家に。訳書に『みんなの検索が医療を変える』(2017)など。

上記内容は本書刊行時のものです。