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ピクチャレスクなスペイン マリオ・プラーツ(著) - ありな書房
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碩学の旅巻次:Ⅴ

ピクチャレスクなスペイン (ピクチャレスクナスペイン) 五角形の半島Ⅰ (ゴカッケイノハントウ)
原書: viaggi dell’erudito V, SPAGNE PITTORESCA: Penisola Pentagonale I

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発行:ありな書房
A5判
縦210mm 横148mm 厚さ14mm
重さ 400g
196ページ
並製
定価 3,000円+税
ISBN
978-4-7566-2490-1   COPY
ISBN 13
9784756624901   COPY
ISBN 10h
4-7566-2490-1   COPY
ISBN 10
4756624901   COPY
出版者記号
7566   COPY
Cコード
C0070  
0:一般 0:単行本 70:芸術総記
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2024年7月30日
書店発売日
登録日
2024年7月10日
最終更新日
2024年7月23日
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紹介

プラーツは一九二六年にスペインを訪れた。その若きプラーツが原著において意図したもの、それは一九世紀以降の西欧の近代文学、とりわけ紀行文において、ワシントン・アーヴィングやプロスペル・メリメ、テオフィル・ゴーティエやエドモンド・デ・アミーチスらによって営々とひきつがれ、築きあげられてきた、「ピクチャレスク」で「ロマン主義的」、そしてイスラム文化の影響により多分にエキゾチックなスペインのイメージ、すなわち闘牛とフラメンコ、アルハンブラ宮殿とシェリー酒に彩られた定型的、常套句的なスペイン像に対して論駁することであった。そしてプラーツは、スペインの文化や芸術の本質が、「ピクチャレスク」どころかむしろ反対の「偉大で力強いモノトーン」であることを、いささか自家撞着的だが、体験談や引用を抱負に織り込んだ「ピクチャレスク」な文体によって例証していく。しかしプラーツの目的は、ドキュメンタリーやルポルタージュ的な意図によって、スペイン社会の現実に光をあてることではない。プラーツの関心は、終始一貫して、現実のスペインに対してよりもむしろ文学で描かれたスペインに、あるいはスペイン的なものの表象としての美術や建築、風習などに対して向けられている。また多くの引用に彩られた記述は、スペインの現実との乖離を指摘しながらも、ロマン主義のスペイン紀行を批判的に回顧するような、旅行記の体裁を装った文学批評とも解釈できる。さらに言えば、若きプラーツには、文学史家、批評家としての領分にとどまらず、自らスペイン叙述の新たなかたちを示そうという、一種の文学的野心をもうかがいみることができる。つまり本書自体が、批判的な立ち位置を示しつつも、スペイン紀行の文学的伝統に連なっているのである。

目次

プロローグ ピクチャレスクなスペインから非ロマン的スペインへ
ピクチャレスクなスペイン
モノトーンのスペイン
血、官能、死
アルハンブラとチュリゲラ
イギリス人たち
エピローグ 非ロマン的スペインからロマンティック・アゴニーへ
人名・作品名 索引

著者プロフィール

伊藤 博明  (訳者

専修大学文学部教授/イタリア思想史

金山 弘昌  (訳・責任編集

慶應義塾大学文学部教授/イタリア美術史

新保 淳乃  (訳者

武蔵大学文学部講師/イタリア美術史

石井朗  (企画構成

表象芸術論

上記内容は本書刊行時のものです。