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若者支援政策の現在地 岡部 茜(編著) - 明石書店
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若者支援政策の現在地 (ワカモノシエンセイサクノゲンザイチ) こども家庭庁/こども基本法は「若者」をどう位置づけたのか (コドモカテイチョウコドモキホンホウハワカモノヲドウイチヅケタノカ)

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発行:明石書店
A5判
240ページ
並製
価格 2,700 円+税   2,970 円(税込)
ISBN
978-4-7503-6101-7   COPY
ISBN 13
9784750361017   COPY
ISBN 10h
4-7503-6101-1   COPY
ISBN 10
4750361011   COPY
出版者記号
7503   COPY
Cコード
C0036  
0:一般 0:単行本 36:社会
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2026年3月30日
書店発売日
登録日
2026年3月4日
最終更新日
2026年4月2日
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紹介

2000年代以降、若者の困窮は労働にとどまらず、貧困や居場所、居住などの課題として顕在化してきた。コロナ禍で一層可視化する一方、2023年のこども家庭庁発足で若者支援政策の後景化が懸念される。本書は政策動向を批判的に検討し、若者支援の展望を示す。

目次

序章[岡部茜/御旅屋達/原未来]
 1 若者の後景化と「子ども化」
 2 家庭に埋め込まれる若者
 3 「若者」とは誰のことか
 4 本書の構成

第1章 日本社会における「若者支援政策」の俯瞰と課題[南出吉祥]
 1 はじめに
 2 法律に示される「若者」の位置づけ
 3 2000年代以降の「若者支援政策」の推移
 4 若者支援政策全体の課題
 5 おわりに――「若者の権利」の保障に向けて

第2章 「こどもの居場所づくり」の陥穽を見抜く――自律的・自治的な実践をつくり続けるために[阿比留久美]
 1 はじめに
 2 こども家庭庁における「こどもの居場所づくり」
 3 多様なアクターによってつくられていく「こどもの居場所づくり」
 4 「こどもの居場所づくり」政策がはらむもの
 5 ロールアウト型社会における市民参加の危うさ
 6 ロールアウト型の統治に抗する仕組み
 7 おわりに

第3章 「子ども・若者総合支援センター」とは何か――自治体間の多様性と資源制約に着目して[御旅屋達]
 1 はじめに
 2 包括的支援の必要性と「子ども・若者総合相談センター」
 3 調査の概要
 4 調査結果から見るセンターの多様性
 5 現場の声から見る四つの制約
 6 おわりに――多様さの背後にあるもの

第4章 こども政策は若者の住まいの権利を保障するか――若者の住まいに関する政策動向と課題[岡部茜]
 1 はじめに――若者期の住まいの問題
 2 若者期と住まい
 3 若者支援政策での住まいに関する支援の展開
 4 「若者期」の住まいをめぐるいくつかの論点
 5 おわりに――若者期の住まいの権利の保障にむけて

第5章 ヤングケアラー支援における若者の位置[斎藤真緒]
 1 はじめに
 2 ヤングケアラーの「社会問題」化と若者ケアラーの位置づけ
 3 若者ケアラーへの支援をめぐる課題
 4 ケアを通じた新しい社会の模索――ケアのジレンマを語る可能性
 5 おわりに――ケアの民主主義と若者

第6章 社会的養護を経験した若者の「自立」と支援のこれから[永野咲]
 1 はじめに――社会的養護を必要とするということ
 2 社会的養護を経験した若者はどのように生きているか――ライフチャンスの概念から紐解く
 3 既存の制度を正しく活用する
 4 社会的養護を経験した若者等の「自立」支援の「拡大」
 5 社会的養護における当事者「参画」を困難にしてきたもの
 6 おわりに――子ども・若者の声を中心とした社会的養護へ

第7章 「声を聴く」政策に潜む排除――若者と共に在る実践からみる「意見反映」[原未来]
 1 はじめに
 2 意見を聴かれる権利
 3 「声を聴く」政策の実態と課題
 4 「声を聴く」とはなにか
 5 共に在るなかで声を聴く、声を紡ぐ
 6 おわりに

第8章 若者と「こども計画」――官民協働とネットワーク構築[鈴木綾]
 1 はじめに
 2 「こども基本法」と「こども計画」
 3 NPO法人こおりやま子ども若者ネットワークの展開経過
 4 行政側の視点――こども部 佐藤麗子氏へのインタビュー
 5 計画施行後の状況と今後の課題
 6 おわりに――市民一人の無力感を伴う声から始まる市民活動

終章――本書における示唆と若者支援政策の今後[岡部茜/御旅屋達/原未来]
 1 なにが前進し、どこに課題が残されているのか
 2 家庭への埋め込みの実際と、それを乗り越える糸口
 3 「切れ目ない支援」の陥穽
 4 「声を聴く」をスローガンで終わらせないために
 5 本書の限界と今後の課題

前書きなど

序章[岡部茜/御旅屋達/原未来]

 (…前略…)

 4 本書の構成

 本書は、「序章」「終章」と八つの章から構成される。
 前節でも簡単にまとめてきたように、ヨーロッパ諸国とも共通した若者期の問題がありつつも、まったく同じというよりは、日本の社会状況が反映された特有の「若者支援」の政策が形成されてきている。そのため、まず第1章(南出論文)では、日本でどのように「若者支援」が取り組まれてきたのかを整理する。(……)
 「若者支援」の全体的な流れを踏まえたうえで、第2章以降は、支援・活動の要素ごとに各論として検討を進める。(……)
 第2章(阿比留論文)では、居場所に関する実践や政策動向について取り上げる。若者の居場所は、若者支援が注目された初期のころは、就労支援を基軸にする政策動向とは異なって民間で取り組まれ、その重要性が認識されていた。しかし、昨今は居場所への政策的な注目も高まり、こども家庭庁においては「居場所づくり」が政策的にも重視され、推進されるようになっている。(……)
 そして第3章(御旅屋論文)では、子ども・若者育成支援推進法が定める総合的な支援窓口である、「子ども・若者総合相談センター」を取り上げる。子ども・若者育成支援推進法は、日本の若者支援について定める法律であり、以前は内閣府の管轄として位置づけられていたが、こども家庭庁発足以降はこども家庭庁に管轄されることとなった。(……)
 日本の若者支援政策では、就労支援・相談窓口・居場所の三つが、政策や民間の取り組みのなかで重視されてきたことは前述の通りである。そのなかで、若者の生活や困窮と密接に関係しながらも議論が弱かった分野がある。それが、第4章(岡部論文)で取り上げる、住まいの視点である。(……)
 第5章と第6章では、「若者支援」という曖昧な定義とは別に、より細かいカテゴリーとして個別に注目され、実践や政策化が進められてきたヤングケアラーと社会的養護経験のある若者への支援や政策動向について取り上げる。(……)
 (……)第6章(永野論文)では、社会的養護を経験した若者の現状と、そうした若者を取り巻く支援政策の課題を整理し、子ども・若者の当事者参画を軸に今後の展望を示している。
 最後の二つの章は、若者の「声」と各自治体での政策化について検討する。(……)第7章(原論文)では、こども家庭庁・こども基本法によって進められる「声を聴く」政策の展開過程を整理し、課題を検討する。
 また、そのうえで第8章(鈴木論文)では、福島県郡山市における「こども計画」の策定過程を取り上げ、市民と行政との協働のなかで計画がつくられる過程を追う。「こども計画」とは、こども基本法に基づき自治体が策定するものである。この計画の「こども」のなかには、こども基本法における「こども」の定義通り、若者層も含まれるとされるが、実際のところ若者は後景化しがちである。そうしたなかで、郡山市では、若者への取り組みも含めた計画にするため、関心をもつ市民が集まってネットワークをつくり、計画への関係者の声の反映を試みた。(……)
 以上、こども家庭庁発足以降の若者支援政策を各視点から検討する八つの章で得られた知見を踏まえ、「終章」では、本書なりの現状の若者支援政策への評価を行い、今後の若者支援や政策にむけての示唆を取り出したい。

著者プロフィール

岡部 茜  (オカベ アカネ)  (編著

大谷大学社会学部講師(2026年4月から佛教大学社会福祉学部准教授)。若者支援や社会的排除への抵抗に取り組む複数の団体に理事として関わっている。専門は社会福祉学、若者支援。最近は特に、若者の住まいの問題とその解決に向けた実践に関心がある。主な著作に『若者支援とソーシャルワーク』(法律文化社、2019年)、『現代のラディカル・ソーシャルワーク』(監訳、クリエイツかもがわ、2023年)、『住む権利とマイノリティ』(共著、青弓社、2025年)など。

御旅屋 達  (オタヤ サトシ)  (編著

立命館大学産業社会学部教授。専門は福祉社会学、教育社会学。現在の関心は「若者」の社会的位置を政策や言説から読み解くこと。主な著作に『〈若者〉を捉える社会学(仮)』(共編著、ミネルヴァ書房、2026年刊行予定)、『「自己」からの現代若者論(仮)』(共著、ナカニシヤ出版、2026年刊行予定)、『新グローバル時代に挑む日本の教育』(共著、東京大学出版会、2021年)など。

原 未来  (ハラ ミキ)  (編著

滋賀県立大学人間文化学部准教授。一般社団法人OMUSUBI理事など。専門は教育学、若者支援。フリースペース(居場所)実践に携わりつつ、近年は自治体の「こども計画」策定や当事者部会立ち上げにかかわるなかで、「声」の発信・可視化にも関心がある。主な著作に『見過ごされた貧困世帯の「ひきこもり」』(大月書店、2022年)、『ユースワークとしての若者支援』(共著、大月書店、2023年)など。

上記内容は本書刊行時のものです。