版元ドットコム

探せる、使える、本の情報

文芸 新書 社会一般 資格・試験 ビジネス スポーツ・健康 趣味・実用 ゲーム 芸能・タレント テレビ・映画化 芸術 哲学・宗教 歴史・地理 社会科学 教育 自然科学 医学 工業・工学 コンピュータ 語学・辞事典 学参 児童図書 ヤングアダルト 全集 文庫 コミック文庫 コミックス(欠番扱) コミックス(雑誌扱) コミックス(書籍) コミックス(廉価版) ムック 雑誌 増刊 別冊
生活保護 行政運用・判例・裁決データ集成 吉永 純(編著) - 明石書店
.
【利用可】 (連絡不要)

書店員向け情報 HELP

書店注文情報

注文サイト:

在庫ステータス

在庫あり

取引情報

直接取引:なし

出版社への相談

店頭での販促・拡材・イベントのご相談がありましたらお気軽にご連絡ください。

生活保護 行政運用・判例・裁決データ集成 (セイカツホゴギョウセイウンヨウハンレイサイケツデータシュウセイ) 資産・各扶助・収入認定を中心に (シサンカクフジョシュウニュウニンテイヲチュウシンニ)

このエントリーをはてなブックマークに追加
発行:明石書店
A5判
344ページ
上製
価格 5,400 円+税   5,940 円(税込)
ISBN
978-4-7503-5709-6   COPY
ISBN 13
9784750357096   COPY
ISBN 10h
4-7503-5709-X   COPY
ISBN 10
475035709X   COPY
出版者記号
7503   COPY
Cコード
C0036  
0:一般 0:単行本 36:社会
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2024年3月15日
書店発売日
登録日
2024年1月25日
最終更新日
2024年3月11日
このエントリーをはてなブックマークに追加

紹介

生活保護に関する実施責任、資産、他法他施策、各扶助(生活扶助・加算、医療扶助・通院移送費等、葬祭扶助、一時扶助、特別基準)、収入認定、収入認定除外等の合計14の領域について、30の判例と368の裁決を徹底分析した最新データ集成。

目次

 はじめに
 凡例

第1章 実施責任
  第1節 問題の所在
   1 実施責任の意義――要保護者の手続的権利保障と実施機関の財政責任
   2 「失踪による生活保護の廃止」と実施責任
  第2節 行政運用
   1 法の規定
   2 通知の規定――居住地の認定
  第3節 判例
  第4節 裁決
   1 居住地保護における「居住地」の意義と認定
   2 現在地保護
   3 転居、退所、退院等と実施責任
   4 「居住実態不明」による保護廃止
   5 その他
  第5節 争訟例を踏まえたあるべき行政運用

第2章 資産(自動車以外)
 1 預貯金
  第1節 問題の所在
  第2節 行政運用
   1 通知の規定
   2 通知の問題点
  第3節 判例
   1 保護費等の累積金にかかる加藤訴訟
  第4節 裁決
   1 資産性
   2 保護費等累積金
   3 保護開始時の手持ち金
  第5節 争訟例を踏まえたあるべき行政運用
 2 生命保険
  第1節 問題の所在
  第2節 行政運用
   1 保護申請時における保険の取扱い
   2 具体的な運用
  第3節 判例
  第4節 裁決
   1 生命保険の保有
   2 保有容認の「目安」
   3 生命保険の資産性
   4 その他
  第5節 争訟例を踏まえたあるべき行政運用
 3 年金担保と急迫保護
  第1節 問題の所在
  第2節 行政運用
   1 年金担保
   2 急迫保護
  第3節 判例
   1 豊後大野市年金担保事件
   2 那覇市生活保護義務付け訴訟
   3 恩給担保事件
   4 保護の口頭申請と年金担保
  第4節 裁決
   1 年金担保と生活保護
   2 年金担保と急迫保護
  第5節 争訟例を踏まえたあるべき行政運用
   1 年金担保貸付と生活保護
   2 急迫状態の判断
 4 不動産
  第1節 問題の所在
  第2節 行政運用
   1 通知の規定
   2 通知の問題点
  第3節 判例
   1 居住用不動産買換え・保護停止事件
  第4節 裁決
   1 不動産保有容認の可否
   2 ローン付き住宅
   3 要保護世帯向け不動産担保型生活資金
   4 その他
  第5節 争訟例を踏まえたあるべき行政運用

第3章 他法他施策
  第1節 問題の所在
  第2節 行政運用
   1 法4条2項について
   2 通知の規定
   3 具体例
  第3節 判例
   1 ホームレス自立支援システムの活用
   2 更生保護法による応急の救護の措置と生活扶助の必要性
  第4節 裁決
  第5節 争訟例を踏まえたあるべき行政運用

第4章 各扶助
 1 生活扶助・障害者加算
  第1節 問題の所在
  第2節 行政運用
   1 通知の規定
  第3節 判例
   1 一般的加算
   2 介護料加算
  第4節 裁決
   1 障害者加算における調査の契機、調査義務、認定時期、加算の程度の判定、遡及支給の限度等
   2 重度障害者加算
   3 障害年金と精神障害者保健福祉手帳の優先関係、等級のズレに関する裁決
   4 家族介護料、他人介護料
  第5節 争訟例を踏まえたあるべき行政運用
 2 住宅扶助
  第1節 問題の所在
  第2節 行政運用
   1 通知の規定
   2 通知の問題点
  第3節 判例
   1 住宅扶助基準額を超える家賃の住居への転居の場合の敷金支給の可否(不支給を肯定)
   2 住宅扶助基準額を超える家賃の住居への転居の場合の敷金支給の可否(厚生労働大臣へ特別基準の設定を求めるべきとした)
   3 敷金支給事由(家主の立退き要求理由の相当性)
  第4節 裁決
   1 保護申請と住宅扶助
   2 賃借人が保護世帯員と異なる場合
   3 賃貸人が扶養義務者である場合
   4 住宅扶助特別基準
   5 敷金
   6 火災保険料、保証料、更新料
   7 安定した住居のない要保護者、ホームレス状態からの住居確保
   8 2015年からの住宅扶助引き下げにかかる経過措置と特別基準
   9 住宅維持費
   10 その他
  第5節 争訟例を踏まえたあるべき行政運用
 3 医療扶助(通院移送費、治療材料、その他)
  第1節 問題の所在
  第2節 行政運用
   1 法の規定
   2 通知の規定
   3 通知の問題点
  第3節 判例
   1 医療機関の選択権
   2 通院移送費の教示義務
   3 通院移送費の遡及支給
  第4節 裁決
   1 医療扶助
   2 通院移送費
   3 治療材料
   4 時間外選定医療費
   5 施術
   6 その他
  第5節 争訟例を踏まえたあるべき行政運用
 4 葬祭扶助
  第1節 問題の所在
  第2節 行政運用
   1 法の規定
   2 法の解釈と通知の問題点
  第3節 判例
  第4節 裁決
   1 葬祭扶助額の意義、範囲
   2 扶養義務者の範囲
   3 遺留金品
  第5節 争訟例を踏まえたあるべき行政運用
 5 一時扶助
  第1節 問題の所在
  第2節 行政運用
   1 通知の規定
   2 通知の問題点
  第3節 判例
   1 寒冷地における保護利用中に故障したストーブ(家具什器類)の支給の可否
  第4節 裁決
   1 被服費
   2 家具什器費
   3 移送費
  第5節 争訟例を踏まえたあるべき行政運用
 6 特別基準
  第1節 問題の所在
  第2節 行政運用
   1 特別基準の意義
  第3節 判例
   1 老齢加算廃止処分取消訴訟最高裁判決
   2 住宅扶助基準額を超える家賃の住居への転居の場合の敷金支給の可否(厚生労働大臣へ特別基準の設定を求めるべきとした)
   3 寒冷地における故障したストーブ(家具什器費)の支給の可否
  第4節 裁決
   1 特別基準の個別設定
   2 特別基準の一般設定
  第5節 争訟例を踏まえたあるべき行政運用

第5章 収入認定
 1 収入認定
  第1節 問題の所在
  第2節 行政運用
   1 収入認定の意義
   2 通知の規定
   3 通知の問題点
  第3節 判例
   1 誤った収入申告の指導に起因する過少支給
   2 架空収入額の認定による過少支給
  第4節 裁決
   1 収入の意義、範囲
   2 収入調査、収入認定の方法
   3 最近の支払い、収入形態と収入認定
   4 収入認定と法63条、法80条
  第5節 争訟例を踏まえたあるべき行政運用
 2 収入認定除外
  第1節 問題の所在
  第2節 行政運用
   1 通知の規定
   2 通知の問題点
  第3節 判例
   1 自営業者に対する誤った経費除外認定による過少支給
   2 高校就学のための奨学金の収入認定除外
   3 水俣病被害者に対する給付金と収入認定除外
   4 自治体による障害者への医療費助成金の収入認定除外
  第4節 裁決
   1 収入として認定されないもの
   2 必要経費
   3 基礎控除等
   4 その他の控除
  第5節 争訟例を踏まえたあるべき行政運用
   1 収入認定除外についての実施機関の助言・教示義務
   2 奨学金の包括的収入認定除外
   3 自営業に関する収入認定規定の整備

第6章 その他
 1 海外渡航
  第1節 問題の所在
  第2節 行政運用
   1 通知の規定
   2 通知の問題点
  第3節 判例
   1 海外渡航中の生活保護
   2 台湾に在住する前妻らに会うための海外渡航費と法63条返還
  第4節 裁決
  第5節 争訟例を踏まえたあるべき行政運用
 2 保護費遡及支給の限度
  第1節 問題の所在
  第2節 行政運用
   1 通知の規定
   2 通知の問題点
  第3節 判例
  第4節 裁決
   1 2020年度改正前の裁決
   2 2020年度改正後の裁決
  第5節 争訟例を踏まえたあるべき行政運用

 判例索引
 裁決索引

前書きなど

はじめに

 本書は拙著(2020年)『生活保護審査請求の現状と課題』の「第2部主要争点別の行政運用、判例、裁決の状況」の続編である。前著では、生活保護で争いになりやすい八つの領域である保護の申請、自動車、稼働能力、扶養、世帯単位、指導指示、費用返還(法63条)、不正受給(法78条)について約60の判例と約400の裁決(2005年度から2017年上半期までに全国で出された裁決中注目される裁決。基本的には「生活保護裁決データベース」(https://seihodb.jp)所収)の検討を試みた。
 続く本書では、生活保護で残された重要領域である、実施責任、資産(自動車以外の、預貯金、生命保険、年金担保・急迫保護、不動産)、他法他施策、各扶助(生活扶助・加算、医療扶助・通院移送費等、葬祭扶助、一時扶助、特別基準)、収入認定、収入認定除外、その他(海外渡航、保護費遡及支給の限度)の合計14の領域について、32の判例とのべ347の裁決(2005年度から2021年度までに全国で出された裁決中注目される裁決。前著同様、基本的には「生活保護裁決データベース」所収)の分析を試みた。これにより、前著と合わせれば、生活保護のほぼ全領域にわたる行政運用、主要な判例、そして裁決の動向を把握することができる。
 通達行政の典型である生活保護行政を理解するには、まず諸通知の解釈と行政運用などの実状と課題を把握する必要がある。また基本的に審査請求前置主義である生活保護の争訟(審査請求と訴訟)においては、訴訟提起の前に紛争を解決できる方が望ましい。そのためには、判例の理解はもとより、行政庁である都道府県知事が行う裁決の理解は不可欠である。
 本書で扱う裁決の分析は、全国生活保護裁判連絡会事務局10名あまりの弁護士、研究者、ケースワーカー、査察指導員、民間の支援者等によるものである。各分析者の固有名詞は掲載しないが、本書はこうした共同作業の成果である。各裁決の考察部分は分析者の原稿を編著者である吉永がまとめ、修正の上本書に掲載したものであり、文責は吉永にある。

 (…後略…)

著者プロフィール

吉永 純  (ヨシナガ アツシ)  (編著

花園大学社会福祉学部教授(公的扶助論)、全国公的扶助研究会会長、日本社会保障法学会理事。1979年京都大学法学部卒業、2010年京都府立大学大学院博士後期課程修了、博士(福祉社会学)。1982年京都市役所に入り福祉事務所を中心に、生活保護ケースワーカー(12年半従事)をはじめ生活保護事務、生活保護監査、ホームレス支援などに携わる。2006年花園大学社会福祉学部助教授を経て2008年から現職。著書に『生活保護の争点』(高菅出版、2011年)、『生活保護「改革」と生存権の保障』(明石書店、2015年)、『生活保護審査請求の現状と課題』(同、2020年)、編著に『Q&A 生活保護手帳の読み方・使い方第2版』(同、2020年)、共編著に『無料低額診療事業のすべて』(クリエイツかもがわ、2019年)、『判例生活保護』(山吹書店、2020年)など。

上記内容は本書刊行時のものです。