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【全訳】東学・天道教開祖 水雲・崔済愚「東経大全」「龍潭遺詞」
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2023年2月28日
- 書店発売日
- 2023年3月24日
- 登録日
- 2023年2月1日
- 最終更新日
- 2023年4月3日
紹介
朝鮮王朝末期に誕生した東学の教義・思想を伝える経典の全訳。翻訳にあたっては、原典にさかのぼって理解を助けるために詳しい注釈を付した。東学は、崩壊過程にあった封建制度と日本をはじめとする外圧に苦しむ多数の朝鮮農民の心をなぜとらえることができたのか。
目次
監修者解説
1.本訳書出版の意義
2.崔済愚の生涯と東学の唱道
3.『東経大全』『龍潭遺詞』解説
4.崔済愚年譜
一 『東経大全』
1.布徳文
2.論学文
3.修徳文
4.不然其然
5.祝文・呪文
6.詩文
7.歎道儒心急
8.八節・筆法・詩文
二 『龍潭遺詞』
1.教訓歌
2.安心歌
3.龍潭歌
4.夢中老少問答歌
5.道修詞
6.勧学歌
7.道徳歌
8.興比歌
9.(附)剣訣
参考文献
監修者あとがき
前書きなど
監修者解説
(…前略…)
崔済愚の著作としては『東経大全』があり、漢文で書かれた「布徳文」「論学文」「修徳文」「不然其然」という四篇の経文と、その他の断章を遺している。また「教訓歌」「安心歌」「龍潭歌」など8首のハングル歌詞からなる『龍潭遺詞』があるが、漢文が読めないのみならずハングルさえ読めない庶民、女性、子供までが歌っておぼえられるようにした、東学の民衆世界への浸透に重要な役割を果たした経典史料である。
『東経大全』の初刊は1880(庚辰)年、崔時亨によって、江原道麟蹄郡南面甲屯里の弟子・金顕洙の宅で行われた*2。その後、1883(癸未)年の春に忠清南道の木川(天安市木川邑)で、同年の夏には慶尚北道慶州で刊行された。前者を癸未仲春版、後者を癸未仲夏版と呼ぶ。1888(戊子)年の春には麟蹄で戊子季春版が刊行された。一方、『龍潭遺詞』の初刊は1881年、忠清北道丹陽郡丹陽邑南面泉洞里の呂奎徳の宅で行われたといわれる。そして1883(癸未)年の秋に慶州で刊行され、これを癸未仲秋版と呼ぶ。これらの版本の後を継いで、『東経大全』も『龍潭遺詞』も、各地で多様な版本が刊行されてきた。
本書の主たる底本は、尹錫山注解『東学経典』(東学社、2009年)である。ただし同書の『東経大全』の末尾に掲載してある「通諭文」の「通文」と「通諭」、「儀式」、「跋文」の四つの漢文は、第二代教領崔時亨の時に作成されたものであるため、省略する。ちなみに『龍潭遺詞』の歌詞・詩文の原文は当時のハングル表記である。したがって、現代のハングル表記とは異なるものが多い。天道教中央総部はその原文を『東経大全』『龍潭遺詞』をはじめ東学の関連文献をほぼ網羅して編集した『天道教経典』(天道教中央総部出版部、1997年初刊)を出版した際に現代のハングル表記に変更し漢字も併記している。本書はそれを尹錫山前著と合わせて底本とし、『龍潭遺詞』の原文としたことを断っておく。本書は金鳳珍教授が翻訳・解題の草案を作成し、邊英浩が議論をしつつ翻訳・解題を点検、修正していった。そのため翻訳・解題は金鳳珍教授との共著であるが本書全体について最終的な責任は邊英浩にあることを記しておく。
(…後略…)
上記内容は本書刊行時のものです。