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東南アジアのイスラームを知るための64章 久志本 裕子(編著) - 明石書店
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東南アジアのイスラームを知るための64章 (トウナンアジアノイスラームヲシルタメノロクジュウヨンショウ)

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発行:明石書店
四六判
404ページ
並製
価格 2,000円+税
ISBN
978-4-7503-5524-5   COPY
ISBN 13
9784750355245   COPY
ISBN 10h
4-7503-5524-0   COPY
ISBN 10
4750355240   COPY
出版者記号
7503   COPY
Cコード
C0336  
0:一般 3:全集・双書 36:社会
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2023年3月15日
書店発売日
登録日
2023年2月7日
最終更新日
2023年5月2日
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紹介

東南アジア各国・各地域に暮らすイスラームの歴史と現状をはじめ、その信仰実践や日常生活、また各国の近代的国民国家の枠組みの中でイスラームがどのように異なる形で位置付けられているか、またイスラームと政治がかかわる重要な事項などを知る小事典的一冊。

目次

 はじめに


Ⅰ 東南アジア・ムスリム社会の多様性とその歴史

第1章 東南アジア・ムスリム社会の概観――多様性とその歴史
第2章 東南アジアのイスラームをどのように見るのか――「穏健」を越えて
第3章 商業の時代の東南アジア――イスラームの浸透と多様な展開
第4章 マレー半島におけるイスラームの広まりと社会変化――交易の中心からイスラーム教育の中心へ変貌したパタニ
第5章 スマトラ、ジャワ、マカッサルにおけるイスラームの広まりと社会変化――王国のイスラーム受容
第6章 スールー海域世界におけるイスラームの広まりと社会・政治的変容――国境の導入とムスリムの抵抗
第7章 植民地期と日本軍政期(インドネシア)――イスラーム指導者の政治的立場の変化
第8章 植民地期と日本軍政期(マラヤ)――イギリスの統治と近代イスラームの出現
第9章 植民地統治期以降のスールー海域世界とイスラーム――植民地化と海域世界のムスリムの抵抗
第10章 イスラーム改革主義――「真のイスラーム」への回帰と近代文明との調和


Ⅱ 信仰実践と日常生活

第11章 生活の中の六信五行――天国を目指す生き方の指針
第12章 信仰告白――日々唱え、目にするアラビア語
第13章 礼拝――様々なフレキシビリティ
第14章 義務と任意の断食――ラマダーン月の喜び
第15章 喜捨――インドネシアにおけるザカートの変容
第16章 巡礼――その現代的形態
第17章 服装――信仰とファッションの追求、グローバル化と多様化の進展
第18章 食とハラール――認識の多様性と認証制度
第19章 結婚と離婚――女性の社会的地位の変化と変わる結婚観
第20章 家族と女性――交錯する女性像と選択する自由
第21章 エンターテインメント――人気コンテンツとしてのイスラーム
 【コラム1】マレーシアの日常に増えてゆくアラビア語


Ⅲ 各国のイスラームと諸制度

第22章 インドネシア――人々の多様なイスラーム実践と、国家とウラマーの関与
第23章 マレーシア――多民族国家の「唯一の公式宗教」
第24章 ブルネイ――イスラーム的価値観の醸成を支える制度
第25章 シンガポール――多民族・多宗教国家における少数者のムスリムに配慮した制度
第26章 タイ――支援と管理が結びついた制度
第27章 フィリピン――宗教的多元性を制度化する
第28章 ミャンマー――仏教徒社会のマイノリティ
第29章 カンボジア――カンボジアのマイノリティ・ムスリム チャム人の離散の歴史
第30章 ベトナム――「ホイザオ」の現在


Ⅳ イスラームと政治・市民運動

第31章 インドネシアのダアワ運動――その政治的・社会的インパクト
第32章 マレーシアのダアワ運動――学生運動から官製の社会運動へ
第33章 インドネシアにおける政治的競争とイスラーム――社会の分断を読み解く
第34章 マレーシアの政治・政党とイスラーム――世界のすべてとしてのイスラーム
第35章 タイ南部の分離独立運動とイスラーム――政府との戦いは「ジハード」か
第36章 インドネシアとマレーシアにおけるフェミニズム運動――運動の発展と法制度改革の異なる経路
第37章 フィリピンにおけるムスリム政治運動の変容――武装闘争と政党政治
第38章 ムスリム少数派への不寛容――インドネシアとマレーシアの事例から
第39章 武装闘争派の思想とネットワーク――グローバルな闘争のローカルな歴史
第40章 ミャンマーにおけるロヒンギャ問題――国内に暮らすロヒンギャの状況
 【コラム2】マレーシアに暮らすロヒンギャ


Ⅴ イスラーム知識の伝達と教育

第41章 東南アジアのムスリムが学ぶイスラームの知識――「普通のムスリム」と「学者」とその間
第42章 イスラーム知識をどのように学ぶのか――近代化と知識の担い手の多様化
第43章 インドネシアのポンドック・プサントレン――「民」による教育
第44章 学校以外の場で学ぶイスラーム――インドネシアのモスクにおけるイスラーム学習
第45章 タイのイスラーム教育――受け継がれるマレーの伝統と「タイ・ムスリム」の創造
第46章 フィリピン南部ミンダナオのイスラーム教育の変容――イスラーム写本とズンバ
 【コラム3】クルアーン学習テキスト『イクロ』創案とその普及
 【コラム4】ムスリム女性の教育とリバース・ジェンダー・ギャップ――成績の良い女の子と勉強しない男の子?


Ⅵ グローバル化の中の東南アジアとイスラーム

第47章 東南アジア・ムスリムの生活の変化――消費社会の進展の中で
第48章 ハラール認証制度――産業社会におけるイスラーム実践
第49章 イスラーム金融――グローバリゼーションと世界の趨勢の中で
第50章 ソーシャルメディアと説教師の活動――国境を越えるインドネシアのムスリム説教師
第51章 ハドラミーのグローバルネットワーク――宣教者としての活動
 【コラム5】LGBTを巡るグローバルな言説とイスラームの相克


Ⅶ 人物を通じてみる東南アジアのイスラーム

第52章 アル=ラーニーリーとアル=ファターニー――キターブが結ぶつながり
第53章 ワリ・ソンゴ――ジャワのイスラーム化を体現する聖者たち
第54章 アフマド・ダフランとハシム・アシュアリ――インドネシア二大イスラーム団体の創設者
第55章 モハマド・ナシール――20世紀インドネシアを生きたイスラーム指導者
第56章 サイイド・ムハンマド・ナキーブ・アル=アッタース――「知識のイスラーム化」論から見えるもの
第57章 アンワール・イブラヒムとニック・アジズ――「イスラーム復興」の多様性
第58章 アブドゥルラフマン・ワヒドとヌルホリス・マジッド――リベラルなイスラームの2つの道
第59章 ドモカオ・アロントとサラマト・ハシム――フィリピンのムスリム知識人
第60章 リイス・マルクスとザイナ・アンワール――インドネシアとマレーシアにおけるイスラミック・フェミニズムの発展


Ⅷ 東南アジアのムスリムと日本

第61章 歴史の中の日本と東南アジアのイスラーム――戦前・戦中の日本の関与
第62章 日本の文化外交における東南アジアのムスリム――共感と相互理解の醸成
第63章 東南アジアのムスリムツーリスト――旅行先としての日本
第64章 日本に暮らす東南アジアのムスリム――コミュニティの形成と進む多層化
 【コラム6】ムスリムの人々との出会い――日本のインドネシア人留学生を通して

前書きなど

はじめに

 イスラームと言えば、中東の砂漠地帯の宗教、そんなイメージが日本では根強いかもしれない。けれども、ムスリム(イスラーム教徒)は世界中のほぼあらゆる地域に住んでおり、18億とも20億とも言われるその総計の約15%が東南アジアのムスリムである。一方、多様な宗教が存在する東南アジアの域内においては、人口の約40%がムスリムである。世界においても、東南アジアにおいても、大きな影響力を持ち得る数のムスリムが諸地域の社会を形成しているのである。
 本書は、この東南アジアのイスラームにフォーカスし、その歴史、国家や政治とのかかわり、社会における様々な広がりや人々の日常をトピックごとに紹介する。「東南アジアのイスラーム」というタイトルについて、違和感を覚える方もいるかもしれない。もちろん、イスラームはどれほど解釈が多様でも信者にとっては唯一のイスラームであり、東南アジアに「固有のイスラーム」が存在するわけではない。本書は、東南アジアに伝来し、長い年月をかけ定着していったイスラームと、東南アジアの人々や社会のかかわりのありようを示すことを目指している。クルアーンに書かれた神からのメッセージは不変だが、それがいかに東南アジアの地で人々に受容され、理解され、実践されてきたのか、またそれらが今、どのように変化しているのかを明らかにする、そんな本にすることを目指し「東南アジアのイスラームを知る」というタイトルを採用した。
 イスラームや東南アジアのイスラームについて、いまだに日本ではステレオタイプ(固定観念)に基づく見方が広がっていると言わざるを得ない。イスラームは、中東アラビア語世界を中心とする宗教であり、みな厳格に教えを守り、過激でテロ行為も厭わず、女性はヴェールの着用を強制され、抑圧されている、というようなイメージが共有されてはいないだろうか。一方で、東南アジアを訪れたことがある人や、東南アジアを「好意的」に見る人の中には、東南アジアでは中東とは異なり、穏健で、寛容で、ゆるいイスラームが根付いていると考える人もいる。読者には、本書を通じて、イスラームや東南アジアのイスラームに対するこのようなステレオタイプを超え、東南アジア各地で実践される多様なイスラームの姿を知ってもらえたらと思う。
 本書は全8部、64章と6つのコラムからなる。章ごと、部ごとに読むだけでなく、通して読むことで前述のようなステレオタイプ的見方をずらしていけるように構成されている。Ⅰ部では、あえて国民国家で分けずに歴史の記述をはじめ、植民地化と国民国家の形成という大きな変化の末に現在の東南アジアのイスラームの姿があることが強調されるようにした。Ⅱ部では、「堅苦しい」と捉えられがちな信仰と実践がいかに暮らしと生き方の中に溶け込んでいるのかを描いた。Ⅲ部では、国家の枠組みの中のイスラームの位置を論じ、Ⅳ部では、その中で起こったイスラームの管理や利用、一部の人々の周縁化などの問題と、それに対する市民の運動に光を当てた。Ⅴ部では、日々の暮らしから政治的活動まで様々な場面でムスリムが参照するイスラームの知識がどのように伝えられ、多様性が生まれてきたのかを、Ⅵ部では、グローバル化の中での新たなイスラーム理解と実践、他地域との結びつきで、多様性がさらに変化するさまを描いた。Ⅶ部では、各時代に活躍した人物の思想や行動、複数の人物の比較から、各部で描かれた諸側面を相互に結びつけて理解できるようにした。Ⅷ部では、日本と東南アジアを行き来する人々がいかに両者の関係を作ってきたのかを描き、本書を通読した後で、ここまでに示してきた様々な側面を踏まえて今後日本の人々と東南アジアのムスリムたちがどのような関係を築くことができるかに思いをはせられるように構成した。
 本書で使用する用語や固有名詞の表記についても、簡単に記しておきたい。各章の執筆者ごとに異なる文や表現のスタイルはある程度そのままに残した。ただし複数の章に共通する用語は、混乱を避けるためできる限り統一の表記を心掛けた。イスラーム関連用語のカタカナ表記は、『岩波イスラーム辞典』(岩波書店、2002)に項目があるものは、その表記に基本的に従うという方針を採った。しかし一部の用語は、東南アジアでの発音が大きく異なる。その場合には、現地での発音に近いカタカナ表記を優先した。また、マレー・インドネシア語には長母音がないため、たとえば「イスラーム」ではなく「イスラム」と、「ラマダーン」ではなく「ラマダン」と表記すべきとする考え方もある。しかし、現地の人たちの会話の中では、母音を伸ばす発音の方が一般的な場合もある。また同じ単語でも人によって伸ばし方が違うこともある。このため、各章の執筆者がそれぞれの研究の文脈で普段聞きなれた音でカタカナ表記することを優先し、章の間で表記が統一されない場合があってもよしとした。
 本書の構想は、東南アジアのイスラームに関心のある学部生や一般の人たちが理解を深められる概説書を作りたいという編者2人の思いから生まれたものである。東南アジアのイスラームを研究対象とする研究者は増えており、多数の優れた成果が出されているものの、多岐にわたるトピックを網羅的に学べる読み物はこれまでになかったからである。各章はそれぞれのテーマを専門に研究し実績のある優れた研究者の皆さまに執筆を依頼した。一般向けの入門書として、各章とてもわかりやすく、かつ大変に読み応えのある議論が提示されていると自負している。

 (…後略…)

著者プロフィール

久志本 裕子  (クシモト ヒロコ)  (編著

上智大学総合グローバル学部准教授。東京外国語大学大学院地域研究専攻科修了。博士(学術)。専門分野:地域研究(マレーシア)、文化人類学、比較教育学。主な関心はマレーシアおよび周辺地域におけるイスラームの学びと教育の変化、多文化・宗教の共生。1999年にマレーシアに留学してからマレーシアの研究をはじめ、2005年から2019年にかけて約10年マレーシアに滞在し調査を行う。マレーシア国際イスラーム大学勤務を経て2019年から現職。
【主な著作】
『イスラーム文化事典』(編集委員、丸善出版、2022年)、「マレー・ムスリムの女子教育はなぜ必要とされたのか――20世紀初頭から1960年代までのマラヤにおける女子教育観の錯綜」(長澤栄治 監修、服部美奈・小林寧子 編著『イスラーム・ジェンダー・シリーズ3 教育とエンパワーメント』明石書店、2020年)、『変容するイスラームの学びの文化――マレーシア・ムスリム社会と近代学校教育』(ナカニシヤ出版、2014年)。

野中 葉  (ノナカ ヨウ)  (編著

慶應義塾大学総合政策学部准教授。慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科後期博士課程修了。博士(政策・メディア)。専門分野:地域研究(インドネシア)。主な関心は同地域における人々のイスラームの受容や実践とその広がり。高校時代にスラウェシ島マカッサル(当時の名称はウジュンパンダン)に1年間留学して以来、インドネシアの魅力に取りつかれ、大学院在学中(2004年~)から現在に至るまで、頻繁に現地を訪れ調査を実施。最近は日本のムスリムの宗教実践や共生社会にも関心を持つ。
【主な著作】
「宗教と衣服」(蘆田裕史・藤嶋陽子・宮脇千絵 編『クリティカル・ワード ファッションスタディーズ:私と社会と衣服の関係』フィルムアート社、2022年)、「インドネシアのムスリマ活動家たちの結集――世界的に稀な女性ウラマー会議開催」(長澤栄治 監修、鷹木恵子 編『イスラーム・ジェンダー・シリーズ2 越境する社会運動』明石書店、2020年)、「信じること・装うこと――インドネシア人女性たちのヴェールと服装」(『コンタクト・ゾーン』9、2017年)、『インドネシアのムスリムファッション――なぜイスラームの女性たちのヴェールはカラフルになったのか』(福村出版、2015年)。

追記

【執筆者一覧】

久志本裕子(くしもと・ひろこ) ※編著者プロフィールを参照

野中葉(のなか・よう) ※編著者プロフィールを参照

足立真理(あだち・まり)
立命館大学・日本学術振興会 特別研究員(PD)
【主な著作】
「格差是正の処方箋――定めの喜捨ザカートの発展(28章)」(西尾哲夫・東長靖 編『中東・イスラーム世界への30の扉』ミネルヴァ書房、2021年)、ADACHI Mari,Nur Indah Riwajanti. Perkembangan Praktek Zakat Kontemporer di Asia Tenggara. Kyoto University Islamic Economic Studies Project (KUISES), Graduate School of Asian and African Area Studies, Kyoto University(80 p.)2021.

新井和広(あらい・かずひろ)
慶應義塾大学商学部 教授
【主な著作】
「海を渡る聖者の「記憶」――ハドラマウトとインドネシアにおけるハウル(聖者記念祭)を通じて」(堀内正樹・西尾哲夫 編『〈断〉と〈続〉の中東――非境界的世界を游ぐ』悠書館、2015年、183-212頁)、「聖なる血筋の効力――インドネシアの預言者一族」西尾哲夫・東長靖 編『中東・イスラーム世界への30の扉』ミネルヴァ書房、2021年)、“‘Revival’ of the Hadhrami Diaspora? Networking through Religious Figures in Indonesia,” in Brehony, Noel et.al eds. Hadhramaut and its Diaspora: Yemeni Politics, Identity and Migration.London: I.B. Tauris, pp.101-123, March 2017.

阿良田麻里子(あらた・まりこ)
立命館大学食マネジメント学部 教授
【主な著作】
2008年『世界の食文化6 インドネシア』(農文協、2008年)、『文化を食べる、文化を飲む――グローカル化する世界の食とビジネス』(編著、ドメス出版、2017年)、「先輩が使っていれば、使うんだ――オランダ在住インドネシア人ムスリムのハラール食実践と認識」(『文化人類学』83(4)、2019年、572-591頁)。

有川友子(ありかわ・ともこ)
大阪大学国際教育交流センター 教授
【主な著作】
『日本留学のエスノグラフィー――インドネシア人留学生の20年』(大阪大学出版会、2016年)。

市岡卓(いちおか・たかし)
流通経済大学社会学部国際観光学科 教授
【主な著作】
『シンガポールのムスリム――宗教の管理と社会的包摂・排除』(明石書店、2018年)、「多民族社会シンガポールにおけるムスリムの宗教間結婚」(長沢栄治 監修、森田豊子・小野仁美 編著『イスラーム・ジェンダー・スタディーズ1 結婚と離婚』明石書店、2019年)。

大川玲子(おおかわ・れいこ)
明治学院大学国際学部 教授
【主な著作】
『チャムパ王国とイスラーム カンボジアにおける離散民のアイデンティティ』(平凡社、2017年)、『クルアーン 神の言葉を誰が聞くのか』(慶應義塾大学出版会、2018年)、『リベラルなイスラーム 自分らしく生きる宗教講義』(慶應義塾大学出版会、2021年)。

太田淳(おおた・あつし)
慶應義塾大学経済学部 教授
【主な著作】
『近世東南アジア世界の変容――グローバル経済とジャワ島地域社会』(名古屋大学出版会、2014年)、In the Name of the Battle against Piracy: Ideas and Practices in State Monopoly of Maritime Violence in Europe and Asia in the Period of Transition. ed. Leiden and Boston: Brill, 2018.; Changes of Regime and Social Dynamics in West Java: Society, State, and the Outer World of Banten, 1750 -1830. Leiden and Boston: Brill, 2006.

岡本正明(おかもと・まさあき)
京都大学東南アジア地域研究研究所 教授
【主な著作】
『暴力と適応の政治学――インドネシア民主化と地方政治の安定』(京都大学学術出版会、2015年)、Okamoto Masaaki and Jafar Suryomenggolo eds. Indonesia at Crossroads.Gajahmada University Press, Kyoto University Press and Pacific Press, 2022.; Okamoto Masaaki et.al. Local Governance of Peatland Restoration in Riau. Indonesia: Springer, 2023.

小川忠(おがわ・ただし)
跡見学園女子大学文学部 教授
【主な著作】
『インドネシア イスラーム大国の変貌――躍進がもたらす新たな危機』(新潮選書、2016年)、『自分探しするアジアの国々――揺らぐ国民意識をネット動画から見る』(明石書店、2021年)、『逆襲する宗教――パンデミックと原理主義』(講談社選書メチエ、2023年)。

小河久志(おがわ・ひさし)
亜細亜大学国際関係学部 准教授
【主な著作】
『自然災害と社会・文化――タイのインド洋津波被災地をフィールドワーク』(風響社、2013年)、『「正しい」イスラームをめぐるダイナミズム――タイ南部ムスリム村落の宗教民族誌』(大阪大学出版会、2016年)、『人文系学生のためのはじめての社会調査ワークブック』(共編著、人間社、2022年)。

鴨川明子(かもがわ・あきこ)
山梨大学大学院総合研究部教育学域 准教授
【主な著作】
『マレーシア青年期女性の進路形成』(東信堂、2008年)、『アジアを学ぶ――海外調査研究の手法』(単編著、勁草書房、2011年)、「マレーシアの公立大学における『リバース・ジェンダー・ギャップ』――進む女性の高学歴化、その光と影」(分担執筆、長沢栄治 監修、服部美奈・小林寧子 編『イスラーム・ジェンダー・スタディーズ3 教育とエンパワーメント』明石書店、2020年)。

茅根由佳(かやね・ゆか)
筑波大学人文社会系 助教
【主な著作】
“Historical formation of Islamist ideology in Indonesia: the role of the Indonesian Islamic Propagation Council (DDII),” Critical Asian Studies. 47-66, 2021.; “The Populism of Islamist Preachers in Indonesia’s 2019 Presidential Election,” The Muslim World 110(4). pp.605-624,2020.; “Understanding Sunni-Shi’a sectarianism in contemporary Indonesia A different voice from Nahdlatul Ulama under pluralist leadership,” Indonesia and the Malay World 48. pp.78-96,2020.

川島緑(かわしま・みどり)
上智大学 名誉教授
【主な著作】
『マイノリティと国民国家――フィリピンのムスリム』(山川出版社、2012年)、「植民地の文明化と宗教的・民族的少数派――フィリピンのモロをめぐる「白人の責務」とイスラーム復興」(『国際文化関係史研究』、平野健一郎他(編)、東京大学出版会、2013年)、The Library of an Islamic Scholar of Mindanao: The Collection of Sheik Muhammad Said bin Imam sa Bayang at the Al-Imam As-Saddiq (A.S.) Library, Marawi City, Philippines.O. Fathurahman, M. Kawashima and L. S. Riwarung eds. Tokyo: Institute of Asian, African, and Middle Eastern Studies, Sophia University, 2019.

上原健太郎(かんばら・けんたろう)
同志社大学人文科学研究所 嘱託研究員
【主な著作】
「イスラーム金融が編み出す質入れの新しいかたち」(『学んで生かす!市民のためのイスラーム社会経済入門』公益財団法人トヨタ財団、2017年、53-67頁)、「ブルネイ・ダルサラームにおける開発行政の展開」『社会科学』51、2021年、29-47頁)、“Economics of Ar-Rahnu (Islamic Pawnbroking): Issues and Cases in Brunei Darussalam” Jurnal Hadhari(Edisi Khas), pp.87-96, 2017.

久志本裕子(くしもと・ひろこ)
編著者紹介を参照

倉沢愛子(くらさわ・あいこ)
慶應義塾大学 名誉教授
【主な著作】
『日本占領下のジャワ農村の変容』(草思社、1992年)、『戦後日本=インドネシア関係史』(草思社、2011年)、『9·30 世界を震撼させた日――インドネシア政変の真相と波紋』(岩波書店 2014年)。

黒田景子(くろだ・けいこ)
鹿児島大学 名誉教授
【主な著作】
「パタニの二つの顔」(分担執筆、床呂郁哉・西井凉子・福島康博 編『東南アジアのイスラーム』東京外国語大学出版会、2012年、145-170頁)、「牛泥棒とノーラの舞――マレー半島中部の内陸社会」(『鹿児島大学法文学部紀要人文学科論集』89、2022年、11-28頁)、Siamese and Thai Buddhist Temples in Kedah: a Field Report in 2007-2009. Tokyo University of Foreign Studies, 2022.

斎藤紋子(さいとう・あやこ)
東京外国語大学・上智大学 非常勤講師、上智大学アジア文化研究所 客員所員。
【主な著作】
『ミャンマーの土着ムスリム――仏教徒社会に生きるマイノリティの現在と歴史』(風響社、2010 年)、「民主化による新たな試練とムスリムコミュニティ」(土佐桂子・田村克己 編『転換期のミャンマーを生きる――「統制」と公共性の人類学』風響社、2020年)、“Muslims as Citizens of Myanmar: Education in the Muslim Community.” In Ryoko Nishii and Shigeharu Tanabe eds. Community Movements in Southeast Asia: An Anthropological Perspective of Assemblages. Thailand: Silkworm Books, 2022.

佐々木拓雄(ささき・たくお)
久留米大学法学部 教授
【主な著作】
「宗教間の調和のために――宗教多元主義を唱えるインドネシアのムスリム知識人」(『久留米大学法学』第80号、2019年、1-45頁)、「イスラームの宗教多元主義――アジア共同体のための一試論」(児玉昌己・伊佐淳 編『グローバル時代のアジアの国際協力――過去・現在・未来』芦書房、2020年、273-295頁)。

塩崎悠輝(しおざき・ゆうき)
静岡県立大学国際関係学部 准教授
【主な著作】
『国家と対峙するイスラーム――マレーシアにおけるイスラーム法学の展開』(作品社、2016年)。

菅原由美(すがはら・ゆみ)
大阪大学大学院人文学研究科 教授
【主な著作】
『オランダ植民地体制下ジャワにおける宗教運動――写本に見る19世紀インドネシアのイスラーム潮流』(大阪大学出版会、2013年)、「出版とオランダ領東インドのイスラーム化――インドネシア近代史叙述とイスラーム・アイデンティティ」(小泉順子 編『歴史の生成』京都大学出版会、2018年、223-252頁)、「東南アジアにおけるイスラームの展開とキターブ文献の成立」(『史苑』79巻、2019年、97-119頁)。

多和田裕司(たわだ・ひろし)
大阪公立大学大学院文学研究科 教授
【主な著作】
『マレー・イスラームの人類学』(ナカニシヤ出版、2005年)。

坪井祐司(つぼい・ゆうじ)
名桜大学国際学群 上級准教授
【主な著作】
『東南アジアの歴史』(古田元夫 編著、放送大学教育振興会、2018年、分担執筆、第2~4章)、『『カラム』の時代IX:マレー・ムスリムの越境するネットワーク2』(山本博之との共編、京都大学東南アジア地域研究研究所、2018年)、『ラッフルズ――海の東南アジアの「近代」』(山川出版社、2019年)。

床呂郁哉(ところ・いくや)
東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所 教授
【主な著作】
『越境――スールー海域世界から』(岩波書店、1999年)、『東南アジアのイスラーム』(西井涼子と福島康博との共編、東京外国語大学出版会、2012年)、Ikuya TOKORO & Hisao TOMIZAWA, Islam and Cultural Diversity in Southeast Asia (Vol.3). ILCAA.TUFS,2021.

中田有紀(なかた・ゆき)
東洋大学アジア文化研究所 客員研究員、立教大学 兼任講師
【主な著作】
中田有紀「独立後のインドネシアにおける大学創設と国家との関わり――ジョグジャカルタの二つの大学と「場」の象徴性に着目して」(『比較教育学研究』第57号 日本比較教育学会、2018年、157-178頁)、「インドネシアにおける幼児教育の機会拡大――2000年以降の動向に着目して」(『比較教育学研究』第63号、日本比較教育学会、2021年、47-58頁)、『インドネシアのイスラーム基礎学習の組織的展開 学習テキストの創案と普及』(東信堂、2022年)。

西直美(にし・なおみ)
同志社大学一神教学際研究センター 共同研究員
【主な著作】
「タイ深南部におけるイスラームと帰属意識――イスラーム教育の場を事例に」(『年報タイ研究』第18号、2018年)、「イスラーム的価値観をめぐる相違と「過激化」問題――タイ深南部を事例として」『一神教世界』第11巻、2020年)、『イスラーム改革派と社会統合-タイ深南部におけるマレー・ナショナリズムの変容』(慶應義塾大学出版会、2022年)。

野中葉(のなか・よう)
編著者紹介を参照

ハズマン・バハロム(Hazman Baharom)
早稲田大学大学院アジア太平洋研究科・博士課程後期
【主な著作】
Renungan Kemasyarakatan. Kuala Lumpur: MLC, 2016.; Perihal Keadilan: Tinjauan Wacana Keadilan Moden. Petaling Jaya: SIRD, 2019.

服部美奈(はっとり・みな)
名古屋大学大学院教育発達科学研究科 教授
【主な著作】
『インドネシアの近代女子教育――イスラーム改革運動のなかの女性』(勁草書房、2001年)、『ムスリマを育てる――インドネシアの女子教育』(山川出版社、2015年)、『イスラーム・ジェンダー・スタディーズ3 教育とエンパワーメント』(長澤栄治監修、小林寧子との編著、明石書店、2020年)。

福島康博(ふくしま・やすひろ)
立教大学アジア地域研究所 特任研究員
【主な著作】
『Q&A ハラールを知る101問――ムスリムおもてなしガイド』(解放出版社、2018年)、『イスラームで許されるビジネス――ハラール産業とイスラーム金融』(インターブックス、2022年)。

見市建(みいち・けん)
早稲田大学大学院アジア太平洋研究科 教授
【主な著作】
『新興大国インドネシアの宗教市場と政治』(NTT出版、2014年)。

光成歩(みつなり・あゆみ)
津田塾大学学芸学部国際関係学科 講師
【主な著作】
『『カラム』の時代XIII マレー・イスラム世界における移動とジェンダー規範』(山本博之との編著、京都大学東南アジア地域研究研究所、2022年)、“The Worldview and Challenges of Malay Muslims in the Age of Nation-building: Classification and Annotation of ‘1001 Questions',” MSC12 E-Proceedings: The 12th International Malaysian Studies Conference, pp.16-33, 2021.8.

山口元樹(やまぐち・もとき)
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科 准教授
【主な著作】
『インドネシアのイスラーム改革主義運動――アラブ人コミュニティの教育活動と社会統合』(慶應義塾大学出版会、2018年)、「イスラームの文字、マレーの文字――独立期インドネシアにおけるジャウィ復活論とマラヤとの関係」(『東南アジア研究』58巻2号、2021年、141-163頁)、“Islamic School and Arab Association: Aḥmad Sūrkatī's Reformist Thought and Its Influence on the Educational Activities of al-Irshād,” Studia Islamika 23/3: pp.435-469, 2016.

吉本康子(よしもと・やすこ)
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科 非常勤講師
【主な著作】
「チャム・バニはムスリムか?――「ホイザオ(ベトナムのイスラーム)」と多配列クラス」(『多配列思考の人類学――複数性と民族誌的リアリティを読み解く』第3章、風響社、2016年、75-94頁)、「チャムのイスラーム受容とは――バニの写本を通して考える」(『フィールドプラス』No.28:10-11、東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所、2022年)、“A Study of the H – i giáo Religion in Vietnam: With a Reference to Islamic Religious Practices of Cham Bani,” in Southeast Asian Studies, 1(3): pp.487-505, 2012.

渡邉暁子(わたなべ・あきこ)
文教大学国際学部 准教授
【主な著作】
「フィリピンの都市部にみる宗教多元主義的空間形成への試み――ムスリム=クリスチャン関係を中心に」(笹川平和財団 編『アジアに生きるイスラーム』イーストプレス、2018年、19-39頁)、「アジアのイスラームの日常風景と課題を知る」(石坂晋哉・佐藤史郎 編著『現代アジアをつかむ』明石書店、2022年、449-464頁)、“Does Religious Conversion Transcend the Boundaries of Multiple Hierarchies? Filipino Migrant Workers’Embracing Islam in the UAE and Qatar,” Ishii Masako, Hosoda Naomi, Masaki Matsuo, and Horinuki Koji eds. Asian Migrant Workers in the Arab Gulf States. Brill. pp.194-217, 2019.

上記内容は本書刊行時のものです。