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ロシア極東・シベリアを知るための70章
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2024年5月31日
- 書店発売日
- 2024年5月24日
- 登録日
- 2024年4月23日
- 最終更新日
- 2024年6月25日
紹介
「エリア・スタディーズ」シリーズの1冊。広大なロシアの国土のうち、おもにウラル山脈以東、沿海州までの自治共和国・自治州を網羅的に紹介する待望の書。小辞典の役割も果たす。今般のウクライナ戦争でもこの地の一部から多くの若者が戦場に赴き斃れた。
目次
はじめに[服部倫卓]
Ⅰ シベリア・極東の地理と自然
第1章 シベリア・極東の起源と領域――時代とともに揺れ動く地理のイメージ
第2章 「シベリアの真珠」 バイカル湖――その瞳は青いままでいられるか
第3章 シベリアの大河――レナ・エニセイ・オビと暮らす人たち
第4章 カムチャッカと千島列島の火山――世界屈指の活動的火山群
第5章 オホーツク海を育むロシア極東の河川――日本にめぐみをもたらす魚附林
第6章 タイガ・ツンドラ・永久凍土――シベリアを特徴づける自然環境
第7章 地球温暖化とシベリア――近年の気候変動と環境への影響
第8章 シベリア・極東の希少動物――アムールトラやアムールヒョウの個体数は回復
第9章 日本とシベリアを繋ぐ渡り鳥――先住民・行政・研究者が協働するコクガン市民調査
第10章 シベリアの森林火災――凍土上のゾンビファイアー
【コラム1】シベリアの淡水魚とその利用――ロシア人と先住民の利用法
Ⅱ シベリア・極東の歴史
第11章 シベリアの人類史と多様な民族形成――民族的・文化的多様性の起源
第12章 ロシア極東と北海道の先史文化交流――ホモ・サピエンスの定着化からオホーツク文化形成まで
第13章 古代・中世のロシア極東と北海道――極東史から見たアイヌ民族の形成
第14章 シベリアの地域情報収集と地図化――ロシアによるシベリア・極東進出の歴史①
第15章 ロシアの近代学術調査と探検――ロシアによるシベリア・極東進出の歴史②
第16章 極東地方南部への移住――コサックと古儀式派教徒の進出
第17章 ロシアの北太平洋進出とアラスカ――毛皮資源と新天地を求めた人々
第18章 日露の出会いとなったシベリア・極東――漂流民が端を開いた両国関係
第19章 流刑地としてのシベリア・極東――ロシアの「島」
第20章 日露戦争から日露同盟へ――対立から戦略的互恵関係へ
第21章 シベリア出兵から日ソ国交樹立へ――関係再構築までの苦闘
第22章 満洲事変から日ソ戦争まで――スターリンとの対決
第23章 「シベリア抑留」の始まりと終わりの地――日本人兵悲劇の舞台、ロシア極東
第24章 サハリン残留朝鮮人とサハリン残留日本人――〈樺太〉と〈サハリン〉を生きた人々
Ⅲ シベリア・極東の民族と文化
第25章 ロシア文学に描かれたシベリア――探検と流刑のトポス
第26章 極東・シベリアの先住少数民族――民族の分類・分布
第27章 極東・シベリアの先住少数民族の言語――アルタイ諸語
第28章 カムチャッカ半島の先住民言語――18世紀から現在までの言語分布の変遷
第29章 極東・シベリアの先住少数民族の生活・生業様式――自然・社会環境変化の中で
第30章 シベリア(先住)諸民族における口承文芸――語られた文芸の記録叢書
第31章 イスラームのシベリアと仏教のシベリア――その歴史と現在
第32章 特徴的なロシア人ローカル・グループ――コサック、古参住民、古儀式派教徒
第33章 シベリアのポーランド人・ウクライナ人・ベラルーシ人――19世紀末から20世紀初頭にかけての自由移民
Ⅳ 現代のシベリア・極東の諸問題
第34章 シベリア・極東をめぐる国際関係――「東方シフト」が抱え込むいっそうの困難
第35章 シベリア・極東の石油・ガス――ロシア経済を支える貴重な資源
第36章 シベリア・極東は資源の宝庫――ダイヤモンド、石炭、金、水産物
第37章 プーチンの極東開発――覚悟と信念の四半世紀
第38章 シベリア・極東を舞台とした日露経済協力――重大な岐路を迎えた極東ビジネス
第39章 ロシア極東の漁業と日露漁業関係――押し寄せる時代の荒波
第40章 軍事面から見たシベリア・極東――配備兵力、核戦略、軍需産業
第41章 日露間の北方領土問題――「0島返還」路線に戻ったプーチン政権
第42章 アジアシフトで変わるシベリア鉄道――増え続ける貨物輸送
第43章 シベリア・極東の人口減少問題――90年代の混乱と2000年代の安定化
第44章 ロシアの北極政策――プーチン政権下の急展開
第45章 シベリア・極東観光案内――大自然の宝庫、多様な民族文化と歴史
第46章 ウクライナ侵攻とシベリア・極東――「東方シフト」は加速するか
【コラム2】「シベリアの呪い」とは何か?
【コラム3】東京農業大学の実験的プロジェクトから見えた可能性
【コラム4】北海道・極東ロシア間交流――北方領土の旧居住者の語りから
Ⅴ シベリア・極東の諸地域
シベリア・極東諸地域基礎データ・地図
第47章 チュメニ州はシベリアの門――石油・ガス産地の2つの自治管区は実質独立
第48章 ハンティ・マンシ自治管区はロシア随一の産油地域――先住民の社会にも変化
第49章 世界屈指の天然ガス産地 ヤマル・ネネツ自治管区――資源開発と先住民の生存
第50章 山と湖の景勝地 アルタイ共和国――ロシアらしからぬ山岳地帯
第51章 かつては独立国だったトゥバ――トゥバ人がロシア人よりも多数を占める共和国
第52章 遊牧民国家興亡の地 ハカス共和国――現代の主産業は水力発電とアルミ精錬
第53章 自然が人を呼び寄せるアルタイ地方――背後に山脈が控える豊かな大地
第54章 貴金属・非鉄金属で栄えるクラスノヤルスク地方――大河エニセイ流域に広がる広大な地域
第55章 日本と歴史的関係の深いイルクーツク州――漂流民から木材企業まで
第56章 石炭産業の中心地 ケメロヴォ州――300年の歴史を誇るクズバス炭田
第57章 ソ連とともに生まれたノヴォシビルスク州――学術都市建設とその後
第58章 かつてのシベリア「首都」 オムスク州――その歴史的変遷
第59章 教育と科学の街 トムスク州――最古であり、最先端
第60章 民族文化を維持しようとするブリヤート共和国――ロシアとアジアが交差する地
第61章 サハ共和国は世界最大面積の地方行政単位――凍土とダイヤと民族文化の地
第62章 地方政治を色濃く映すザバイカーリエ地方――宗教や歴史が凝縮する空間
第63章 火山・漁業・原潜基地のカムチャッカ――人口希薄な戦略的要衝
第64章 変化を見せる沿海地方――プーチンのアジア戦略の最前線
第65章 潜在能力を秘めたハバロフスク地方――極東主都の座を失う
第66章 存在感を増すアムール州――中国、大豆、メガプロジェクト
第67章 スターリン体制の暗部が刻まれたマガダン州――コルィマ街道の悲劇
第68章 サハリン州をめぐるさまざまなボーダー――サハリン島とクリル諸島
第69章 世界史が影を落とすユダヤ自治州――ソ連版「約束の地」
第70章 最果てのチュクチ自治管区――生き残りをかけて
おわりに[吉田睦]
ロシア極東・シベリアを知るための参考文献
地名・人名・民族名索引
前書きなど
はじめに
明石書店の「エリア・スタディーズ」のシリーズからは、すでに下斗米伸夫・島田博(編著)『現代ロシアを知るための60章【第2版】』、下斗米伸夫(編著)『ロシアの歴史を知るための50章』が刊行されています。ロシアという国全般に興味をお持ちの読者は、まずはそれらを手に取って入門を果たしてください。
世界各国を国別に解説することに飽き足らず、最近ではよりマニアックな領域に踏み込んでいる「エリア・スタディーズ」ですが、本書のように一国の中の特定地域を取り上げるケースは、まだあまり多くないはずです。しかも、ロシア極東・シベリアは地理的にこそ広大ですが、今日この辺境地帯には全ロシア国民の2割ほどが住んでいるにすぎません。
それでも、本書があえてロシアの東部に徹底的にフォーカスするのには、もちろん理由があります。端的に言えば、ロシアをロシアたらしめているのは、シベリアであり、さらにその延長上にある極東なのではないでしょうか。シベリア・極東は、ロシアのすべてではありませんが、それがなかったら、ロシアはまったく違う国になっていたはずです。
歴史を振り返れば、後進的なヨーロッパ国としてくすぶっていたロシアが、やがて大国に成長していったのには、東に広がっていた広大なフロンティアを、それほどの苦もなく手に入れられたことが大きかったはずです。これによりロシアは、地理的なコントラストを増し、ヨーロッパのみならずアジア・太平洋国家ともなりました。また、正教を信奉するロシア人を主体としつつも、多民族・多文化国家としての性格を強めることにもなりました。
シベリア・極東は、石油・天然ガスをはじめとする天然資源に恵まれ、それがロシアの発展を支えています。しかし、代償として資源以外の産業が育ちにくく、また国際市況に翻弄されがちです。その上、シベリア・極東を開発・維持することは、ロシアにとって大きな負担です。巨大なポテンシャルを有する反面、重荷でもあるシベリア・極東は、ロシアにとり常に中心的なジレンマなのです。
シベリア・極東はまた、日本とロシアの出会いの地でもあります。江戸時代に日本人がロシアの人々と邂逅したのを皮切りに、20世紀前半には日露戦争、日本軍のシベリア出兵、ソ連対日参戦、日本人捕虜のシベリア抑留といった政治的な事件が続き、戦後には北方領土問題が残されました。他方でシベリア・極東は、時代の浮き沈みこそあるものの、両国による経済協力の舞台でもあり、日本がロシアから輸入している商品は大部分がシベリア・極東の産品です。
さらに言えば、気候変動をはじめ、今後の人類・地球にとって北極の重要性が高まっていくはずですが、ロシアの北極圏はシベリア・極東とかなりオーバーラップしています。北極の行方という観点からも、シベリア・極東に目を向けることが必要です。
ロシアの本質を解く鍵が、シベリア・極東にあるだけではありません。ここは日本にとり、そして人類・地球にとり、とても重要なエリアなのです。
追記
【執筆者一覧】
麻田雅文(あさだ・まさふみ)
岩手大学人文社会科学部 准教授
【主要著作】
『中東鉄道経営史――ロシアと「満洲」1896~1935』(名古屋大学出版会、2012年)、『満蒙――日露中の「最前線」』(講談社選書メチエ、2014年)、『シベリア出兵――近代日本の忘れられた七年戦争』(中公新書、2016年)、『日露近代史――戦争と平和の百年』(講談社現代新書、2018年)など。
天野尚樹(あまの・なおき)
山形大学人文社会科学部 教授
【主要著作】
『樺太40年の歴史――40万人の故郷』(原暉之との共編著、全国樺太連盟、2017年)、『北東アジアの地政治――米中日ロのパワーゲームを超えて』(共著、岩下明裕編著、北海道大学出版会、2022年)、『日ソ戦争史の研究』(共著、日ソ戦争史研究会編、勉誠出版、2023年)など。
飯島慈裕(いいじま・よしひろ)
東京都立大学都市環境学部 教授
【主要著作】
『気象研究ノート第230号:北半球寒冷圏陸域の気候・環境変動』(佐藤友徳との共編著、日本気象学会、2014年)、Water-Carbon Dynamics in Eastern Siberia(Ohta, T. ほかとの共編著、Springer Japan、2019年)、『森林科学シリーズ第5巻 森林と水』(三枝信子ほか編、分担執筆:第4章、共立出版、2022年)など。
伊賀上菜穂(いがうえ・なほ)
中央大学総合政策学部 教授
【主要著作】
『ロシアの結婚儀礼――家族、共同体、国家』(彩流社、2013年)、「ロシア正教古儀式派教会の展開に見る『伝統』の利用――ロシア連邦ブリヤート共和国におけるセメイスキーの事例より」(佐々木史郎・渡邊日日編『ポスト社会主義以後のスラヴ・ユーラシア世界――比較民族誌的研究』国立民族学博物館論集4、風響社、2016年)、「小説の中の白系ロシア人と日本人との結婚――「満洲国」の枠組みの中で」(新免康編著『ユーラシアにおける移動・交流と社会・文化変容』中央大学出版会、2021年)など。
生田美智子(いくた・みちこ)
大阪大学 名誉教授
【主要著作】
『大黒屋光太夫の接吻――異文化コミュニケーションンと身体』(平凡社、1997年)、『ロマノフ王朝時代の日露交流』(東洋文庫との監修、牧野元紀編、勉誠出版、2020年)、『満洲からシベリア抑留へ――女性たちの日ソ戦争』(人文書院、2022年)など。
井上岳彦(いのうえ・たけひこ)
大阪教育大学教育学部 特任准教授
【主要著作】
Yumiko Ishihama, Ryosuke Kobayashi, Makoto Tachibana, Takehiko Inoue, eds., The Resurgence of ”Buddhist Government”: Tibetan-Mongolian Relations in the Modern World. Osaka: Union Press, 2019.「ダムボ・ウリヤノフ『ブッダの予言』とロシア仏教皇帝像」(『スラヴ研究』63号、2016年)、「遊牧から漁撈牧畜へ――定住政策下のカルムィク(18世紀後半~19世紀中葉)」(『地域研究』(地域研究コンソーシアム)20巻1号、2020年)など。
岩花剛(いわはな・ごう)
アラスカ大学フェアバンクス校・Research Assistant Professor
【主要著作】
『北極読本――歴史から自然科学、国際関係まで』(共著、南極OB会編集委員会編、成山堂書店、2015年)など。
内田一彦(うちだ・かずひこ)
東京農業大学 客員教授
【主要著作】
「日露修好150周年記念回航事業『次世代交流の船』乗船記」(『外交フォーラム』2005年)、「日ロ関係を見る学生の視点――日露学生フォーラムを終えて」(『外交フォーラム』2006年)など。
内山暁央(うちやま・あきお)
株式会社ロシア旅行社
江畑冬生(えばた・ふゆき)
新潟大学人文学部 教授
【主要著作】
「サハ語(ヤクート語)の「双数」の解釈――聞き手の数からの分析」(『言語研究』151号、2017年)、『サハ語文法――統語的派生と言語類型論的特異性』(勉誠出版、2020年)、「チュルク語北東語群の接辞頭子音交替」(『北方言語研究』第12号、2022年)など。
大石侑香(おおいし・ゆか)
神戸大学大学院国際文化学研究科 准教授
【主要著作】
『シベリア森林の民族誌――漁撈牧畜複合論』(昭和堂、2023年)など
大西秀之(おおにし・ひでゆき)
同志社女子大学現代社会学部社会システム学科 教授
【主要著作】
『トビニタイ文化からのアイヌ文化史』(同成社、2009年)、『東アジア内海世界の交流史――周縁地域における社会制度の形成』(加藤雄三・佐々木史郎との共編著、人文書院、2008年)、「景観に刻まれたソビエト体制の展開と崩壊――ナーナイ系先住民の集落景観を形作った土地利用と生計戦略」(『年報人類学研究』8号、2018年)など。
荻原眞子(おぎはら・しんこ)
千葉大学 名誉教授
【主要著作】
『北方諸民族の世界観――アイヌとアムール・サハリン地域の神話・伝承』(草風館、1996年)、『いのちの原点「ウマイ」――シベリア狩猟民文化の生命観』(藤原書店、2021年)、『英雄叙事詩 アイヌ・日本からユーラシアへ』(福田晃との編著、三弥井書店、2018年)など。
小熊宏尚(おぐま・ひろなお)
共同通信社新潟支局長、元モスクワ支局員、外信部編集委員
【主要著作】
「記者の『取写選択』」(『ロシアNIS調査月報』ロシアNIS貿易会、2015年4月号から連載)、「ユダヤ文化の離れ小島で」(共同通信取材班『伝える 訴える』柘植書房新社、2017年)、「ユーロマイダン革命」(服部倫卓・原田義也編著『ウクライナを知るための65章』明石書店、2018年)など。
加藤博文(かとう・ひろふみ)
北海道大学アイヌ・先住民研究センター 教授
【主要著作】
『シベリアを旅した人類』(東洋書店、2008年)、『いま学ぶアイヌ民族の歴史』(若園雄志郎との共編著、山川出版社、2018年)、『アジアとしてのシベリア』(共著、永山ゆかり・吉田睦編、勉誠出版、2018年)など。
雲和広(くも・かずひろ)
一橋大学経済研究所 教授
【主要著作】
『ロシア人口の歴史と現在』(岩波書店、2014年)、Deamography of Russia(共著、Palgrave-Macmillan, 2017年)、Gendering Post-Soviet Space(共編著、Springer, 2021年)など。
小泉悠(こいずみ・ゆう)
東京大学先端科学技術研究センター 准教授
【主要著作】
『「帝国」ロシアの地政学――「勢力圏」で読むユーラシア戦略』(東京堂出版、2019年)、『現代ロシアの軍事戦略』(ちくま新書、筑摩書房、2021年)、『オホーツク核要塞――歴史と衛星画像で読み解くロシアの極東軍事』(朝日新書、朝日新聞出版、2024年)など。
越野剛(こしの・ごう)
慶應義塾大学文学部 准教授
【主要著作】
『ベラルーシを知るための50章』(服部倫卓との共編著、明石書店、2017年)、『紅い戦争のメモリースケープ――旧ソ連・東欧・中国・ベトナム』(高山陽子との共編著、北海道大学出版会、2019年)、『現代ロシア文学入門』(共編著、ポスト・ソヴィエト文学研究会編、東洋書店新社、2022年)など。
小林昭菜(こばやし・あきな)
多摩大学経営情報学部 准教授
【主要著作】
『シベリア抑留米ソ関係の中での変容』(岩波書店、2018年)、“From Japanese Militarism to Soviet Communism The ‘Change of heart’ of Japanese POWs through Soviet Indoctrination.” Chapter 6, 2023, Routledge.(Competing Imperialisms in Northeast Asia New Perspectives, 1894-1953. Edited by Aglaia De Angeli, Peter Robinson, Peter O’ Connor, Emma Reisz, Tsuchiya Reiko)「ロシアからみたウクライナ問題」(『アジア・アフリカ研究』62(4)、2022年)など。
駒木明義(こまき・あきよし)
朝日新聞社 論説委員
【主要著作】
『検証日露首脳交渉――冷戦後の模索』(佐藤和雄との共著、岩波書店、2003年)、『プーチンの実像』(吉田美智子・梅原季哉との共著、朝日文庫、2019年)、『安倍vs.プーチン――日ロ交渉はなぜ行き詰まったのか』(筑摩選書、2020年)など。
米家志乃布(こめいえ・しのぶ)
法政大学文学部地理学科 教授
【主要著作】
「レーメゾフの『公務の地図帳』と描かれたシベリア地域像」(『法政大学文学部紀要』66号、2012年)、『ロシア』(共著、加賀美雅弘編、朝倉書店、2017年)、『近世蝦夷地の地域情報――日本北方地図史再考』(法政大学出版局、2021年)など。
齋藤大輔(さいとう・だいすけ)
一般社団法人ロシアNIS貿易会ロシアNIS経済研究所 部長
【主要著作】
『改訂版 ロシアのことがマンガで3時間でわかる本』(共著、一般社団法人ロシアNIS貿易会編、明日香出版、2014年)、『ロシア極東ハンドブック』(堀内賢志・濱野剛との共編著、東洋書店、2012年)、『ロシア・ビジネスのはじめ方』(高橋浩・芳地隆之との共編、東洋書店、2012年)など。
坂口泉(さかぐち・いずみ)
ロシア研究者
【主要著作】
『ロシアのことがマンガで3時間でわかる本』(高橋浩・服部倫卓との共著、明日香出版、2005年)『エネルギー安全保障――ロシアとEUの対話』(蓮見雄との共著、東洋書店ブックレット、2007年)など。
阪本秀昭(さかもと・ひであき)
天理大学 名誉教授
【主要著作】
『帝政末期シベリアの農村共同体――農村自治・労働・祝祭』(ミネルヴァ書房、1998年)、『満洲におけるロシア人の社会と生活――日本人との接触と交流』(編著、ミネルヴァ書房、2013年)、『ロシア正教古儀式派の歴史と文化』(中澤敦夫との共編著、明石書店、2019年)など。
佐藤宏之(さとう・ひろゆき)
東京大学 名誉教授
【主要著作】
『北方狩猟民の民族考古学』(北海道出版企画センター、2000年)、『晩氷期の人類社会:北方狩猟採集民の適応行動と居住形態』(山田哲・出穂雅実との共編著、六一書房、2016年)など。
シモーヒナ、クセーニャ(Shimokhina, Ksenia)
北海道大学大学院文学院博士課程大学院生
白岩孝行(しらいわ・たかゆき)
北海道大学低温科学研究所 准教授
【主要著作】
「巨大魚付林:アムール川・オホーツク海・知床を守るための日中ロの協力」(『外交フォーラム』No.217、2006年)、『魚附林の地球環境学――親潮・オホーツク海を育むアムール川」(昭和堂、2011年)、「第5章 オホーツク海の命運を握るアムール川」(田畑伸一郎・江淵直人編著『環オホーツク海地域の環境と経済』北海道大学出版会、2012年)など。
高倉浩樹(たかくら・ひろき)
東北大学東北アジア研究センター 教授
【主要著作】
『極北の牧畜民サハ――進化とミクロ適応をめぐるシベリア民族誌』(昭和堂、2012年)、『寒冷アジアの文化生態史(東北アジアの社会と環境)』(編著、古今書院、2018年)、『総合人類学としてのヒト学』(編著、放送大学教育振興会、2018年)など。
高島尚生(たかしま・なおき)
大学非常勤講師(大阪大学、関西大学、神戸大学、滋賀大学、同志社大学)
【主要著作】
『基礎トゥヴァ語文法』(東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所、2008年)、「トゥバ共和国の現在」(ユーラシア研究所編『ユーラシア研究』第39号、2008年)、「洪水神話と鉄の筏(シベリア(トゥバ民族)神話)」(共著、翻訳と解説、植朗子編著『はじまりが見える世界の神話』創元社、2018年)など。
高橋浩晃(たかはし・ひろあき)
北海道大学大学院理学研究院 附属地震火山研究観測センター 教授
【主要著作】
Takahashi H., et al., Velocity field of around the Sea of Okhotsk and Sea of Japan regions determined from a new continuous GPS network data, Geophysical Research Letters, doi.org/10.1029/1999GL900565, 1999.; Takahashi H., K. Hirata, The 2000 Nemuro-Hanto-Oki earthquake, off eastern Hokkaido, Japan, and the high intraslab seismic activity in the southwestern Kuril Trench Jour. Geophys. Res., doi org/10.1029/2002JB001813, 2003.; Takahashi H., M. Kasahara, Geodetic constraint on the slip distribution of the 2006 Central Kuril earthquake, Earth Planets Space, doi.org/10.1186/BF03352052, 2007.
立澤史郎(たつざわ・しろう)
北海道大学大学院文学研究院 特任助教(北極域研究センター兼任)
【主要著作】
Uehara, H., W. Nishiyama, S. Tatsuzawa, K. Wada, T. Ida, and Y. Yusa. 2023. Impacts of the Novel Coronavirus SARS-CoV-2 on Wildlife Behaviour via Human Activities. PLOS ONE 18 (5): e0285893. https://doi.org/10.1371/journal.pone.0285893.; Sawa Y, Tamura C, Ikeuchi T, Fujii K, Ishioroshi A, Shimada T, Tatsuzawa S, Deng X, Cao L, Kim H, and Ward D. 2020. Migration routes and population status of the Brent Goose Branta bernicla nigricans wintering in East Asia. Wildfowl (Special Issue No.6): 244-246. https://wildfowl.wwt.org.uk/index.php/wildfowl/article/view/2744;「シベリアの動物相と温暖化の影響」(I.オクロプコフとの共著、檜山哲哉・藤原潤子編著『シベリア――温暖化する極北の水環境と社会』京都大学学術出版会、2015年)など。
田畑伸一郎(たばた・しんいちろう)
北海道大学 名誉教授
【主要著作】
Russia’s Far North: The Contested Energy Frontier. Abingdon, Oxfordshire, UK: Routledge, 2018.『北極の人間と社会――持続的発展の可能性』(後藤正憲との共編著、北海道大学出版会、2020年)、“The Contribution of Natural Resource Producing Sectors to the Economic Development of the Sakha Republic,” Sustainability, Vol.13, No.18, 2021.
中馬瑞貴(ちゅうまん・みずき)
一般社団法人ロシアNIS貿易会 主任
【主要著作】
『改訂版 ロシアのことがマンガで3時間でわかる本』(共著、一般社団法人ロシアNIS貿易会明日香出版社、2014年)、『ロシアの政治と外交』(共著、放送大学教育振興会、2015年3月)、「ウクライナ侵攻とロシアの地域情勢――首長たちへの直接・間接的影響」(日本国際問題研究所編『大国間競争時代のロシア』、2023年3月)など。
徳永昌弘(とくなが・まさひろ)
関西大学商学部商学科 教授
【主要著作】
『20世紀ロシアの開発と環境』(北海道大学出版会、2013年)、『世界地名大事典 ヨーロッパ・ロシアI・II・III』(共著、竹内啓一・手塚章・中村泰三・山本健兒編、朝倉書店、2016年)、“Japan’s Foreign Direct Investment in Russia” (co-authored), Eurasian Geography and Economics, Vol. 61(3), 2020.など。
豊田絵里子(とよだ・えりこ)
株式会社ロシア旅行社 アシスタントマネージャー
中居孝文(なかい・たかふみ)
一般社団法人ロシアNIS貿易会ロシアNIS経済研究所 所長
【主要著作】
『ロシアビジネス成功の法則』(岡田邦生・畦地裕・芳地隆之との共著、税務経理協会、2008年)など。
中山大将(なかやま・たいしょう)
北海道大学大学院経済学研究院 准教授
【主要著作】
『亜寒帯植民地樺太の移民社会形成――周縁的ナショナル・アイデンティティと植民地イデオロギー』(京都大学学術出版会、2014年)、『サハリン残留日本人と戦後日本――樺太住民の境界地域史』(国際書院、2019年)、『国境は誰のためにある?――境界地域サハリン・樺太』(清水書院、2019年)、など。
永山ゆかり(ながやま・ゆかり)
釧路公立大学経済学部 教授
【主要著作】
『水雪氷のフォークロア――北の人々の伝承世界』(山田仁史・藤原潤子との共編著、勉誠出版、2014年)、『シベリア先住民の食卓――食べものから見たシベリア先住民の暮らし』(長崎郁との共編著、東海大学出版部、2016年)、『アジアとしてのシベリア――ロシアの中のシベリア先住民世界(アジア遊学 227)』(吉田睦との共編著、勉誠出版、2018年)など。
西山美久(にしやま・よしひさ)
東京大学先端科学技術研究センター 特任助教
【主要著作】
『ロシアの愛国主義――プーチンが進める国民統合』(法政大学出版局、2018年)、「歴史認識をめぐるロシアの国際的取り組――国連での反ナチズム決議の採択」(『政治研究』第69号、2022年)、「戦勝という共通の記憶――CIS諸国との協力によるロシアの歴史認識の正当化」(『政治研究』第70号、2023年)など。
朴昊澤(ぱく・ほーてく)
国立研究開発法人海洋研究開発機構 上席研究員
【主要著作】
Park H., A.N. Fedorov, M.N. Zheleznyak, P.Y. Konstantinov, and J.E. Walsh, 2015, Effect of snow cover on pan-Arctic permafrost thermal regimes, Climate Dynamics, 44, 2873-2895.; Park H., Y. Yoshikawa, K. Oshima, Y. Kim, T. Ngo-Duc, J.S. Kimball, and D. Yang, 2016, Quantification of warming climate-induced changes in terrestrial arctic river ice thickness and phenology, Journal of Climate, 29, 1733-1754.; Park H., E. Watanabe, Y. Kim, I. Polyakov, K. Oshima, X. Zhang, J. S. Kimball, and D. Yang, 2020. Increasing riverine heat influx triggers Arctic sea ice decline and oceanic and atmospheric warming, Science Advances, 6, eabc4699.
長谷直哉(はせ・なおや)
一般社団法人ロシアNIS貿易会モスクワ事務所所長
【主要著作】
「ロシアのガス輸出政策とガスプロム」(『国際政治』176号、2014年)、「制裁下のロシア――『新たな現実』と中東へのアプローチ」(『中東研究』546号、2022年)、「先鋭化するロシアの制裁対抗措置」(『ロシアNIS調査月報』5月号、2022年)など。
服部倫卓(はっとり・みちたか)
【編著者紹介】を参照
原口聖二(はらぐち・せいじ)
北海道機船漁業協同組合連合会 常務理事
【主要著作】
「Interview 何度も転換期を経験してきた日ロの漁業関係(聞き手:中馬瑞貴)」(『ロシアNIS調査月報』2023年2月号)、「洋上風力発電と漁業:海外情報から見えた実相と北海道の沖合底びき網漁業」(『月刊アクアネット』湊文社、2023年8月号)など。
檜山哲哉(ひやま・てつや)
名古屋大学宇宙地球環境研究所 教授
【主要著作】
Water-Carbon Dynamics in Eastern Siberia(Ohta, T. ほかとの共編著、Springer Japan、2019年)、『シベリア――温暖化する極北の水環境と社会』(藤原潤子との共編著、京都大学学術出版会、2015年)、『水の環境学――人との関わりから考える』(清水裕之・河村則行との共編著、名古屋大学出版会、2011年)など。
福井学(ふくい・まなぶ)
株式会社ロシア旅行社 営業課長
【主要著作】
「リディア・ヴェセロウゾーロヴァ――激動の時代を生きた貴族出身のロシア語教師」(長塚英雄編『新・日露異色の群像30』生活ジャーナル、2021年)など。
福田正宏(ふくだ・まさひろ)
東京大学大学院人文社会系研究科 准教授
【主要著作】
『極東ロシアの先史文化と北海道――紀元前1千年紀の考古学』(北海道出版企画センター、2007年)、「縄文文化における北の範囲」(『縄文時代』吉川弘文館、2017年)など。
堀内賢志(ほりうち・けんじ)
静岡県立大学国際関係学部 准教授
【主要著作】
『ロシア極東地域の国際協力と地方政府─中央・地方関係からの分析』(国際書院、2008年)、『ウラジオストク――混迷と希望の20年』(東洋書店、2010年)、『ロシア極東ハンドブック』(齋藤大輔・濱野剛との共編著、東洋書店、2012年)など。
森田耕司(もりた・こおじ)
東京外国語大学大学院総合国際学研究院 准教授
【主要著作】
「シベリアで見つけた痕跡」(東京外国語大学言語文化学部編『言葉から社会を考える――この時代に〈他者〉とどう向き合うか』白水社、2016年)、「シベリアにある『ポーランド』をめぐって」(永山ゆかり・吉田睦編『アジアとしてのシベリア』勉誠出版、2018年)、「シベリアにある『ポーランド』の歴史――イルクーツク州ヴェルシナ村」(渡辺克義編著『ポーランドの歴史を知るための55章』明石書店、2020年)など。
森永貴子(もりなが・たかこ)
立命館大学文学部 教授
【主要著作】
『ロシアの拡大と毛皮交易――シベリア~北太平洋の商人世界』(彩流社、2008年)、『イルクーツク商人とキャフタ貿易――帝政ロシアにおけるユーラシア商業』(北海道大学出版会、2010年)、『北太平洋世界とアラスカ毛皮交易――ロシア・アメリカ会社の人びと』(東洋書店、2014年)など。
吉田睦(よしだ・あつし)
【編著者紹介】を参照
渡邊日日(わたなべ・ひび)
東京大学大学院総合文化研究科 教員
【主要著作】
『社会の探究としての民族誌――ポスト・ソヴィエト社会主義期南シベリア、セレンガ・ブリヤート人に於ける集団範疇と民族的知識の記述と解析、準拠概念に向けての試論』三元社、2010年)、『リスクの人類学――不確実な世界を生きる』(共著、東賢太郎ほか編、世界思想社、2014年)、The Siberian World(共著、John P. Zikerほか編、Routledge, 2023)など。
上記内容は本書刊行時のものです。