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東アジアのなかの二・八独立宣言
若者たちの出会いと夢
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2020年7月25日
- 書店発売日
- 2020年7月25日
- 登録日
- 2020年7月10日
- 最終更新日
- 2021年4月16日
書評掲載情報
2020-10-10 |
朝日新聞
朝刊 評者: 戸邉秀明(東京経済大学教授・日本近現代史) |
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紹介
1919年2月に東京の朝鮮YMCAで発せられた二・八独立宣言。三・一朝鮮独立運動の「前史」「導火線」としてだけでなく、東京に居住していた朝鮮人・中国人・台湾人の留学生と在日朝鮮人・日本人が関わった東アジア近代史上の意義の発掘する野心的な試み。
目次
はじめに――東アジアのなかの二・八独立宣言、その歴史的意義[李成市]
第一章 二・八独立宣言再考――三・一独立運動の「導火線」を超えて[小野容照]
第二章 二・八独立宣言後の朝鮮人留学生――「同化」から「内鮮融和」との闘いへ[裵姈美]
第三章 二・八独立宣言と三・一独立運動におけるキリスト教――「独立宣言書」署名者と「教会」との距離[松谷基和]
第四章 在京台湾人留学生と朝鮮人との「連携」――『亜細亜公論』に見られる反植民地統治運動[紀旭峰]
第五章 五・四運動から見た「二・八」と「三・一」――中国史研究の視点から[小野寺史郎]
第六章 三・一独立運動の残響――在日朝鮮人史の視座から[鄭栄桓]
〈総合討論〉
司会:李成市
登壇者:小野容照、裵姈美、松谷基和、紀旭峰、小野寺史郎、鄭栄桓
巻末資料
二・八独立宣言書〔日本語版〕
二・八独立宣言書〔韓国語版〕
写真資料
・中国語版宣言書
・英語版宣言書
前書きなど
はじめに――東アジアのなかの二・八独立宣言、その歴史的意義
一九一九年二月八日、東京神田区西小川町に所在する在日本朝鮮基督教青年会館朝鮮YMCA講堂において、数百人の朝鮮人留学生の前で独立宣言書が朗読されました。宣言書は一九一八年の年末から翌年一月の初めに、十一名が代表となり結成された秘密結社・朝鮮青年独立団によって作成されたものでした。この宣言書は「韓国併合」が朝鮮人の意思ではなく、日本の帝国主義的野心に基づくものであり、日本および世界各国は朝鮮に民族自決の機会を与えるべきであって、もしそれに日本が応じない場合は日本に対し「血戦」、つまりは徹底抗戦の姿勢で臨むことを示すものでした。この独立宣言は、二・八独立宣言とよばれ、三・一独立運動のさきがけをなすものとして朝鮮独立運動の重大な画期として語り継がれてきました。
本書は、この二・八独立宣言、三・一独立運動の一○○周年を記念して、二○一九年二月二日に、在日韓人歴史資料館において開催されたシンポジウム「東アジアにおける二・八独立宣言の意義」の発表と討議に基づいています。
(…後略…)
上記内容は本書刊行時のものです。