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平和のために捧げた生涯 ベルタ・フォン・ズットナー伝 ブリギッテ・ハーマン(著) - 明石書店
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平和のために捧げた生涯 ベルタ・フォン・ズットナー伝 (ヘイワノタメニササゲタショウガイベルタフォンズトナーデン)
原書: Bertha von Suttner. Ein Leben fur den Frieden

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発行:明石書店
四六判
692ページ
上製
価格 6,500円+税
ISBN
978-4-7503-4357-0   COPY
ISBN 13
9784750343570   COPY
ISBN 10h
4-7503-4357-9   COPY
ISBN 10
4750343579   COPY
出版者記号
7503   COPY
Cコード
C0023  
0:一般 0:単行本 23:伝記
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2016年6月
書店発売日
登録日
2016年6月2日
最終更新日
2016年6月2日
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紹介

19世紀オーストリアの小説家で平和運動家として知られたズットナーの波乱に満ちた生涯を、『エリザベート』で知られるブリギッテ・ハーマンが描く。第一次世界大戦が起こる20年以上前から近代戦争の悲惨さを認識し、「武器を捨てよ!」と主張し続けたズットナー。周囲から理想主義者と冷ややかに評価され続けても、その主張を曲げることはなかった。1905年、女性で世界初のノーベル賞を受賞。

目次

まえがき

1 キンスキー伯爵令嬢
2 家庭教師と秘書
3 コーカサスにて
4 作家生活
5 武器を捨てよ
6 平和協会の設立
7 反ユダヤ主義との闘い
8 ハーグ平和会議
9 人間的な、あまりに人間的な
10 ノーベル平和賞
11 有力者たちへの期待
12 同盟相手
  ○列国議会同盟
  ○社会主義
  ○道徳文化協会
  ○レフ・トルストイ
  ○欧州統合
13 女性問題
  ○女性と平和
14 大戦争を前に

訳者あとがき

前書きなど

訳者あとがき

 本書は、ウィーンの歴史研究家ブリギッテ・ハーマンによるベルタ・フォン・ズットナーの伝記 Brigitte Hamann: Bertha von Suttner. Ein Leben fur den Frieden. Piper Verlag, Munchen 2009, 4. Auflage の全訳である。同書の初版は一九八六年で、二〇一三年にはウィーンのChristian Brandstatter Verlag から新版が出版された(新版の文庫版は二〇一五年にPiper Verlag から出版)。この新版は主として旧版を短く編集した内容であり、今回の翻訳ではズットナーをより詳しく紹介したいとの思いから、あえて旧版を採用した。本書は、日本初の本格的なズットナー伝の出版となる。

 (…中略…)

 数あるズットナー伝の中で、ブリギッテ・ハーマンによる本書は内容的に最も詳細なものである。ここにはズットナーの生涯のみならず、当時のヨーロッパにおける初期平和運動、政治、国際関係、オーストリア貴族社会、女性の社会的地位、文学など、さまざまな主題が描きこまれている。また、ズットナーと交流のあったA・ノーベルやトルストイをはじめとした多種多様な知識人、文化人からの書簡等も数多く引用され、資料としての価値も非常に高い。さらに本書では、膨大な量におよぶズットナーの著作に加え、彼女の貴重な書簡・日記からの引用が充実しており、華やかな表舞台の姿からは想像もつかない、『回想録』には決して記されなかった、一個の人間としての深い苦悩までも描かれている。そうした彼女の全貌が明らかになる中で、あらためて読者は彼女の思想、そして信念を貫く生き様に、一層の共感を覚えるであろう。
 二〇一四年に続き、昨年もまた第二次世界大戦終戦七○周年という節目の年であった。IS(Islamic State)やウクライナの問題、頻発する野蛮なテロ事件などの世界情勢を見ても、戦争と平和に関する議論は今後一層高まらざるをえないだろう。そうした中で、近代戦争および近代兵器がもたらす未曾有の悲惨を予見して警告を発し、国家間、民族間の宥和と共存を訴え続けたベルタ・フォン・ズットナーの生涯を紹介する意義は非常に大きい。この出版が平和学研究、あるいは平和運動へのささやかな貢献となり、日本においてズットナーが正当に評価されるきっかけとなることを、願ってやまない。

著者プロフィール

ブリギッテ・ハーマン  (ブリギッテ ハーマン)  (

 ウィーン在住の歴史研究家。1940年、ドイツ・エッセン生まれ。ミュンスター大学とウィーン大学で歴史学とドイツ文学を学び、博士号を取得。オーストリア史に関する著作が多数あり、19世紀後半のオーストリアとウィーンを最もよく知る一人。著書:『伝記 モーツァルト――その奇跡の生涯』(邦訳:池田香代子訳、偕成社、1991年)『ヒトラーとバイロイト音楽祭 ヴィニフレート・ワーグナーの生涯(上・下)』(邦訳:吉田真監訳・鶴見真理訳、アルファベータ、2010年)、『エリザベート――美しき皇妃の伝説(上・下)』(邦訳:中村康之訳、朝日文庫、2005年)など。

糸井川 修  (イトイガワ オサム)  (

 1962年岐阜県生まれ。名古屋大学大学院博士課程(後期課程)満期退学。愛知学院大学教養部准教授。専門はドイツ文学、特に19世末ウィーンの文学。翻訳に、ベルタ・フォン・ズットナー『武器を捨てよ!』〈上〉〈下〉(新日本出版社、2011年、共訳)、同『空の野蛮化』(愛知学院大学『教養部紀要』第60巻第3号、2013年、共訳)、論文に「ベルタ・フォン・ズットナーの『武器を捨てよ!』と『マルタの子供たち』」(愛知学院大学『教養部紀要』第58巻第4号、2011年)など。

中村 実生  (ナカムラ ミツオ)  (

 1965年東京都生まれ。名古屋大学大学院博士課程(後期課程)満期退学。愛知県立大学、愛知学院大学、その他非常勤講師。専門はドイツ文学。主要著書・翻訳に、『D-Popで学ぶドイツ語』(同学社、2006年、共著)、ベルタ・フォン・ズットナー『武器を捨てよ!』〈上〉〈下〉(新日本出版社、2011年、共訳)、同『平和運動の発展』(愛知学院大学『語研紀要』第39巻第1号、2014年、共訳)、シュテファン・ツヴァイク『ベルタ・フォン・ズットナー』(愛知学院大学『教養部紀要』第61巻第3号、2014年、共訳)など。

南 守夫  (ミナミ モリオ)  (

 1951年和歌山県生まれ。大阪市立大学大学院博士課程(後期課程)満期退学。愛知教育大学元教授。専門はドイツ現代文学・現代史。主要著書・論文に、「バール論――バール像とブレヒト」(『ブレヒト叙事詩的演劇の発展』、クヴェレ会刊、1980年)、「ナチス強制収容所とスーパーとソ連特別収容所~ベルリン91年夏、二つの過去をめぐって」(『世界文学』第74号、世界文学会刊、1992年)、「ドイツにおけるナチズムと戦争の記念碑・記念館一覧」(『季刊 戦争責任研究』、日本の戦争責任資料センター刊、1997年)、翻訳に、『ベッティーナは野生の水仙を摘む』(『東ドイツ短編集 エルベは流れる』、同学社、1992年)など。2014年逝去。

上記内容は本書刊行時のものです。