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大学生 大学生活の適応が気になる学生を支える
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2016年4月
- 書店発売日
- 2016年4月28日
- 登録日
- 2016年4月20日
- 最終更新日
- 2016年6月2日
紹介
大学生活の中でどのようなことにつまずきやすいか、そういう時はどのようにしたらよいか、入学前にやっておく方が良いことは何かなどについて、事例を交えて具体的に解説。
目次
「心の発達支援シリーズ」刊行にあたって
はじめに
第1章 大学生の心の発達とつまずき・支援
1 青年期の発達課題
(1)大学生のホント
(2)大学生の発達
(3)自分探しの道――アイデンティティの探求
(4)大学生のいま――ポストモラトリアムという課題
2 発達が気になる大学生の抱える問題と見立て
(1)発達が気になる大学生とは
(2)大学生活とそれまでの生活の違いとは
(3)神経発達症の特性と大学生に見られる症状
(4)二次的なつまずき
(5)環境との折り合いの悪さ(社会的障壁)
(6)支援に向けて
3 入学前から発達障害と診断されている場合――大学生とその家族に知っておいてもらいたいこと
(1)発達障害の大学生を取り巻く情勢の変化
(2)合理的配慮とはなにか
(3)「学生本人が主体となって要望を出す」ための準備
(4)本当の自立とは
第2章 大学生活におけるつまずきの実際と支援の方法
1 入学期――新しい環境への適応
(1)高校と大学の違いにつまずいたヨシオ
(2)履修登録でつまずいたトシキ
(3)履修登録への不安からピア・サポートを訪れたサトシ
(4)窓口での手続きにつまずいたツヨ
(5)一人暮らしがうまくいかず大学に通えなくなったジロウ
(6)カルトに誘われてしまったサヨコ
2 中間期――学修の中でのつまずき
(1)授業をたくさん履修しすぎて単位を落としたノリオ
(2)ノートがとれず授業についていけなかったミサ
(3)最初の実験でつまずいてしまったサトル
(4)実験のレポートが書けなかったアキラ
(5)息子の留年を突然知らされた母親
(6)養護実習で戸惑ってしまったマキ
(7)資格取得の目標を見失ったタツヤ
(8)予定を立てて守るのが苦手なマサト
3 中間期――対人関係のつまずき
(1)場の空気が読めず友人関係でつまずいたノボル
(2)好きな女の子に怖がられてしまったマサシ
(3)アルバイトの職種を変えて適応できたノリカ
(4)教員の指導を否定的に受けとめてしまうテツヤ
(5)ゲームにのめり込んでいったマサオ
4 卒業期――卒業と就活
(1)不注意から卒業単位を満たせなかったタロウ
(2)就職活動につまずいたタケオとマサミ
第3章 個別にみた大学生への支援の実際
1 ASDの特徴が見られた事例――卒業後数年かけて就職したハジメ
2 ADHDと診断された理系男子大学院生の事例――窮屈な生き方から、のびのびとした生き方へ転換したツクオ
3 二次的なつまずきの問題が大きいADHDの短大生の事例――安心感・自尊心を回復して、自分サイズの生き方へと変化したヨシコ
前書きなど
はじめに
発達にばらつきがありながらも、周囲の許容的な対応や自分なりの努力で高校を卒業し、大学に入学してきた学生は、大学特有の「主体的に考えて積極的に行動しないとやっていけない」という環境の中でどう動けばよいかわからず、友達ができない、必要な情報が入ってこない、居場所感が持てない、といった戸惑いや不安、困り感を感じることが少なくありません。このような入学直後の戸惑いをうまく解決できず、ストレスにさらされ続けていると、授業を聴いても理解しにくい、考えるのに時間がかかる、不注意なミスを犯しやすいなど、これまでできていたことができなくなり、自分の学力に自信が持てなくなって、どんどん悪循環に陥ってしまいます。
本書では、発達が気になる大学生の特徴と、大学生活の中でどのようなことにつまずきやすいか、そういうときはどのようにしたらよいか、入学前にやっておく方がよいことは何かなどについて、事例を交えて具体的に解説します。また、困難を乗り越えて卒業した事例についても紹介します。
大学になじめずに困っている学生の方には、同じような困り感を抱えている人がいるということ、悩んでいるのは決して自分だけではないということや解決の方法があるということをおわかりいただけると思います。また、保護者の方には、周囲からの働きかけが少なくなる大学こそ、うまくやれているか気をつけてあげることが必要であることをご理解いただけると思います。本書でとり上げている困り感は実際の面接で語られたエピソードを基にしていますので、学生支援にあたる教職員の方にも、学生理解の参考にしていただけます。
上記内容は本書刊行時のものです。