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中学生・高校生 学習・行動が気になる生徒を支える
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2016年7月
- 書店発売日
- 2016年7月21日
- 登録日
- 2016年7月14日
- 最終更新日
- 2016年7月14日
紹介
不登校、いじめ、抑うつ状態、ひきこもり、低学力など、発達障害の特性から生じるいわゆる二次障害を防止し、中学生や高校生を社会生活へとつなげるために必要な知識や支援策について、豊富な事例を交えて解説。
目次
「心の発達支援シリーズ」刊行にあたって
はじめに
第1章 思春期の子どもの発達と支援の現状
1 思春期の発達
はじめに
身体的発達
心理社会的発達
おわりに
2 中学校、高校における特別支援教育のシステムと現状
(1)特別支援教育
(2)特別支援教育の支援システム
(3)学内外における連携
第2章 気になる問題のアセスメントと支援の要点
1 基本的な考え方
(1)情報収集の範囲
(2)情報収集の必要性
(3)特性理解の必要性
2 気になる行動の実態把握
(1)第1段階(要因を考える)
(2)第2段階(学びの基礎的学習能力の困難を把握する)
(3)第3段階(適切な学びの支援を進める)
3 気になる行動の支援の要点
(1)不登校
(2)コミュニケーションの困難
第3章 気になる学習・進路での課題と支援
1 学習上の課題と支援――発達障害のある子どもの教科指導
①国語
②数学
③社会
④英語
⑤体育
2 進学と就労
(1)施策の動向と後期中等教育以降の支援の必要性
(2)発達障害の特性をもつ児童生徒に対するキャリア教育
(3)進路選択と支援
(4)職業選択と就労支援
おわりに
第4章 事例を通して
1 発達障害を疑われる生徒とその家庭への支援――集団生活になじめないアキヒロ
2 組織的な支援体制による3年間の支援――突然不登校になったケイカ
3 高校における保健支援部の取り組み――2つの事例を通して
①二次障害を抱え、心身面で体調を崩す生徒
②行動面で落ち着きのなさが気になる生徒
第5章 問題の気づきと支援に向けたスキルアップ――研修プログラムの紹介
1.教職員に求められるもの
2.研修プログラム
3.研修プログラムの構成
(1)はじめに
(2)発達障害の理解
(3)アセスメント
(4)行動への支援
付録 「青年期の特別支援教育フォーラム」による研修について
前書きなど
はじめに
2007年に学校教育法の一部を改正する法律が施行され、特別支援教育が本格的に実施されることとなりました。開始から10年が経とうとしていますが、わが国の特別支援教育はどのように変わったのでしょうか。さまざまな研究や医療・福祉・教育の現場の専門家の日々の実践が進められてきたことは事実ですが、この問いに対する意見はさまざまでしょう。特別支援教育が開始された当時、私は児童福祉施設の心理士をしており、支援が必要な児童・生徒への支援を行っていました。当時支援に携わっていた誰もが一生懸命であったと思いますが、この数年の間に、「特別支援教育の推進が遅れている」「発達障害の専門的な知識が不足している」などと教育や福祉の現場に関する課題を耳にしたり、目にすることを経験しました。
このようなことばに対し、「発達障害の特性をもつ児童・生徒を支援するための専門的知識とはなにか?」「どのような知識を習得している人が専門家と言えるのか?」「発達障害の特性をもつ児童・生徒と教育や福祉の現場で向き合っている教職員は専門家と言えないのか?」などといつも感じていました。私が考える専門家とは、最低限の知識を有し、一人ひとりの日常での困りごとや困り感に対し、一人ひとりのための支援方法を考え、試行錯誤しながら実施していける(していこうとする)人だと思っています。
本書は中学・高校生に焦点をあて、この年代の生徒の支援に関わる専門家や保護者の一助となるよう、内容の構成をしました。
なお、本書の第5章の研修プログラムは、文部科学省「発達障害に関する教職員育成プログラム開発事業」の成果の一部をまとめたものです。
上記内容は本書刊行時のものです。