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乳幼児 育ちが気になる子どもを支える 永田 雅子(監修) - 明石書店
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乳幼児 育ちが気になる子どもを支える (ニュウヨウジソダチガキニナルコドモヲササエル)

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発行:明石書店
A5判
184ページ
並製
価格 2,000円+税
ISBN
978-4-7503-4325-9   COPY
ISBN 13
9784750343259   COPY
ISBN 10h
4-7503-4325-0   COPY
ISBN 10
4750343250   COPY
出版者記号
7503   COPY
Cコード
C0337  
0:一般 3:全集・双書 37:教育
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2016年3月
書店発売日
登録日
2016年3月23日
最終更新日
2016年6月2日
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紹介

本シリーズでは、発達障害圏を含む「発達が気になる」子どもを抱える保護者や学校の先生が、生涯発達のまなざしをもって、乳幼児期の早期発見に始まり、発達段階に沿った心の発達支援と学習支援を行う具体的な方法を解説する。第1巻は「乳幼児」との適切なかかわり方。

目次

 「心の発達支援シリーズ」刊行にあたって
 はじめに

第1章 0歳から就園頃までの発達と見立て
 1 気になる育ちとは?
 2 乳幼児期からの育ちの支援の大切さ
 3 新生児期から乳幼児期の子どもの発達のプロセス
 (1)新生児期(0-1か月)
 (2)生後1か月~6か月
 (3)生後8か月~1歳頃
 (4)1歳から1歳半頃
 (5)2歳~入園前(3歳)頃
 (6)年少~年中(3~4歳)の頃
 (7)5歳以降~就学
 4 気になる育ちと見立て

第2章 気になる育ちの背景とかかわりのヒント
 1 気になる育ちの背景
 2 0歳台の気になる育ち
  (1)音や肌・味の感覚に敏感
  (2)なかなか落ち着かない。泣いてなだまりにくい
  (3)なかなか眠ってくれない
  (4)泣いてばかりいる
  (5)あやしても笑わない
 3 1歳以降の気になる育ち(1)――人への関心が乏しい
  (6)目が合わない/合いにくい
  (7)興味の共有が少ない
  (8)真似をしない
  (9)指さしをしない
  (10)名前を呼んでも振り向かない/返事をしない
 4 1歳以降の気になる育ち(2)――発達がゆっくり
  (11)ことばが遅い
  (12)身体のバランスを取ることが苦手
  (13)不器用で、手先をうまく使えない
 5 1歳以降の気になる育ち(3)――生活のリズムが整いにくい
  (14)寝つきが悪い・昼寝をしない
  (15)偏食が多い
  (16)食事や支度に時間がかかる/急がない
  (17)指示が伝わりにくい/言うことを聞いてくれない
 6 1歳以降の気になる育ち(4)――遊びが広がりにくい
  (18)おもちゃに合った遊びをしない/ごっこ遊びをしない
  (19)物を並べるなどのこだわりがある
  (20)一人遊びが多い/同年代の子どもに興味がない
 7 1歳以降の気になる発達(1)――落ち着きがない
  (21)迷子になっても平気/道路に飛び出す
  (22)かんしゃくを起こす
  (23)パニックを起こす
  (24)他の子に手が出る
 8 1歳以降の気になる発達(2)――おとなしすぎる
  (25)切り替えや新しい場面が苦手
  (26)嫌がったり、不安になることが多い
  (27)自信がない

第3章 支援の場をうまく活用する
 1 周産期医療
 2 保健センター
 3 子育て支援センター
 4 療育機関(発達の専門機関)
 5 保育園・幼稚園
 6 医療機関

第4章 事例を通して
 1 母親のメンタルヘルスの問題――子育て支援センターでの育児支援
 2 子どもの育ちにくさの問題――保育園のスーパーバイザーの役割
 3 サポートや周囲との関係の問題――関係機関との連携の中で

 文献

前書きなど

はじめに

 子どもは生まれたときより個性を持っており、周りとの環境の相互作用の中で育っていきます。育児書通りにいかないことも少なくなく、一人ひとりの子どもに合わせて工夫して子育てをしていく必要があります。多くの人は迷いながらも、試行錯誤を繰り返し、子どもに合わせて対応を微修正しながら、子どもの育ちに支えられて、日々子育てをしています。一方で、育てにくいと感じる子どもたちがいることも事実です。自分なりに工夫してもうまくいかなかったり、頑張ってもなかなか手ごたえを感じることができなかったとき、親として自信をなくしてしまったり、子どもに対して腹を立ててしまったりということもあるのではないでしょうか。特に、他の多くの子どもたちとは違う感じ方、理解の仕方、対処の仕方を取る子どもたちは、どう接していいかわからないという感覚を周囲に感じさせやすく、子育てがうまくいかなかったり、子どももどうしていいかわからずより困難さを強く示してしまったりということも起こってきます。
 しかし、この時期、迷いながらも、子どもと向き合い、その時、その時に対処していくことができたとしたら、子どもには、親に自分としっかりと向き合ってもらったという体験となり、その後の成長の大事な糧となり、基盤となっていきます。子育ては謎解きの連続です。子どもの気になる反応や行動の背景を、あれこれ考えをめぐらせ、試行錯誤しながら、少しずつ子どもを理解し、対処していくことができたとしたら、それで十分なのです。
 本巻では、0歳~3歳頃までの子どもの育ちを概観したうえで、気になる育ちとそのかかわりについて具体的に解説していきます。子どもを理解する一つの手がかりを提供することができたとしたら、幸いです。

著者プロフィール

永田 雅子  (ナガタ マサコ)  (監修

名古屋大学心の発達支援研究実践センター、大学院教育発達科学研究科准教授。名古屋大学大学院教育発達科学研究科博士課程後期修了。博士(心理学)。臨床心理士。日本福祉大学心理臨床研究センター嘱託研究員、名古屋第二赤十字病院小児科臨床心理士、浜松医科大学子どものこころの発達研究センター地域支援室コーディネーターを経て、現職。専門は周産期-乳幼児期の親と子を対象とした発達臨床心理学。主な著作に、『周産期のこころのケア――親と子の出会いとメンタルヘルス』(単著、遠見書房、2011)、『“いのち”と向き合うこと・“こころ”を感じること』(編著、ナカニシヤ出版、2013)、『心理臨床における多職種との連携と協働――つなぎ手としての心理士をめざして』(編著、岩崎学術出版社、2015)、『臨床心理学実践の基礎その2:心理面接の基礎から臨床実践まで』(編著、ナカニシヤ出版、2015)他。

松本 真理子  (マツモト マリコ)  (監修

名古屋大学心の発達支援研究実践センター、大学院教育発達科学研究科教授。名古屋大学大学院教育発達科学研究科博士課程後期修了。博士(心理学)。臨床心理士、学校心理士。聖隷クリストファー看護大学助教授、金城学院大学人間科学部教授を経て、現職。専門は児童・思春期を対象とした臨床心理学。
主な著作に『子どものロールシャッハ反応――形態水準と反応内容』(監修、金子書房、2009)、『子どもの臨床心理アセスメント――子ども・家族・学校支援のために』(編著、金剛出版、2010)、『フィンランドの子どもを支える学校環境と心の健康――子どもにとって大切なことは何か』(編著、明石書店、2013)、『世界の学校心理学事典』(監訳、明石書店、2013)、『心とかかわる臨床心理 第3版――基礎・実際・方法』(共著、ナカニシヤ出版、2015)他。

野邑 健二  (ノムラ ケンジ)  (監修

名古屋大学心の発達支援研究実践センター「発達障害分野における治療教育的支援事業」特任准教授。浜松医科大学医学部医学科卒業。博士(医学)。児童精神科医師。愛知県青い鳥医療福祉センター児童精神科医長、名古屋大学医学部附属病院親と子どもの心療科助教を経て現職。専門は、児童精神医学、発達障害児への支援、幼児期からの発達支援。主な著作に、『子どもの発達と情緒の障害』(共編著、岩崎学術出版社、2009)、『発達障害児の家族支援(発達障害医学の進歩24巻)』(共編著、診断と治療社、2012)、『児童青年精神医学大辞典』(共訳、西村書店、2012)他。

上記内容は本書刊行時のものです。