版元ドットコム

探せる、使える、本の情報

文芸 新書 社会一般 資格・試験 ビジネス スポーツ・健康 趣味・実用 ゲーム 芸能・タレント テレビ・映画化 芸術 哲学・宗教 歴史・地理 社会科学 教育 自然科学 医学 工業・工学 コンピュータ 語学・辞事典 学参 児童図書 ヤングアダルト 全集 文庫 コミック文庫 コミックス(欠番扱) コミックス(雑誌扱) コミックス(書籍) コミックス(廉価版) ムック 雑誌 増刊 別冊
フィンランドの子どもを支える学校環境と心の健康 松本 真理子(編著) - 明石書店
.
【利用可】

書店員向け情報 HELP

書店注文情報

注文サイト:

在庫ステータス

在庫あり

取引情報

直接取引:なし

出版社への相談

店頭での販促・拡材・イベントのご相談がありましたらお気軽にご連絡ください。

フィンランドの子どもを支える学校環境と心の健康 (フィンランドノコドモヲササエルガッコウカンキョウトココロノケンコウ) 子どもにとって大切なことは何か (コドモニトッテタイセツナコトハナニカ)

このエントリーをはてなブックマークに追加
発行:明石書店
A5判
188ページ
並製
定価 2,000円+税
ISBN
978-4-7503-3884-2   COPY
ISBN 13
9784750338842   COPY
ISBN 10h
4-7503-3884-2   COPY
ISBN 10
4750338842   COPY
出版者記号
7503   COPY
Cコード
C0036  
0:一般 0:単行本 36:社会
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2013年9月
書店発売日
登録日
2013年9月9日
最終更新日
2013年9月9日
このエントリーをはてなブックマークに追加

紹介

日本とフィンランドにおける学校環境と子どもの心の健康に関する2国間調査をふまえ、「子どもにとって大切なものは何か」を中心に行われるフィンランドの学校教育や社会づくりの素晴らしさを紹介する。

目次

 はじめに

 フィンランドという国――厳しくも豊かな環境に生きるフィンランドの人々

第1章 子どもにとって大切なことは何か――小学校の物理的環境と学校生活
 1 フィンランドの小学校
  自然に溶け込む個性的な低層建築
  自然を意識する学校生活
  教室のAV機器
  教室の居場所感
 2 就学前教育から生涯教育
  フィンランドの教育理念
  小学校に入学するまでの準備
 3 特別支援教育
  特別支援学級の光景
  高い学力を維持する背景として
  特別な配慮や支援を必要とする子どもたち
  引っ張りだこの補助教員
  学校村!?
  少人数の補習授業(学校村にて)
  カウンセラーもLD(学習障害)重視
  特別支援教育の理念
  個別的な特別支援を受ける子どもたちの実態
 4 小学生低学年の学校での1日
  枠のゆるやかさ
  小学校2年生の1日

第2章 待つことと感謝すること――教師の役割と子どもとの関係
 1 子どもたちを待つこと
  待つことの教師教育
  待つための個別授業
  教師は2番目の親
 2 子どもに対する感謝と存在を認めること
  「キートス!(kiitos)」が聴こえる教室
  子どもの存在を認めるということ
  できるようになったことを伝える教師
  個別性を何よりも重視する教育
 3 教師を取り巻く環境
  職員室でのティーブレイク
  教師という職業
  教師としての誇り
  教師と子どもと保護者の関係

第3章 思春期の挑戦――中学生の学校生活と将来の夢
 1 中学校の学校生活
  小学校の学校生活との隔たり
  明確な境界のみえる中学校
  学校は勉強に来るところ
  生きる力を育む教育の実際
  中学校卒業後の進路
 2 フィンランドの中学生と高校生の語り――学校生活と将来について
  議論をさせてくれる先生が好き
  とにかく勉強したい、たくさん学びたい
  将来の進路に関係なく学びたいことを学ぶ
 3 社会への信頼と不信
  教師との関係
  放課後の中学生
  フィンランドの不登校、ニート、ひきこもり対策
  フィンランドの抱える思春期の問題行動
  フィンランドにおける中学校の機能と家族・社会
  思春期の挑戦
 【コラム】PISAについて OECDの学習到達度調査

第4章 垣根のない大人と子どものつながり――地域と学校の連携
 1 学校と地域の垣根
  垣根のない小学校
  地域と共に生きる学校
 2 地域との連携
  学校のおじいちゃん
  地域の警察との連携
  家庭との連携
 3 子どもたちの読書環境
  巡回図書館の役割
  子どもの居場所としての地域図書館
 4 学童保育
  フィンランドの学童保育所のシステム
  森の中の学童保育所
 5 クラブ活動・宗教教育(道徳教育)
  子どもの道徳教育の場
  学校の宗教の時間
  子どもたちは取り巻く社会全体で育てる
 【コラム】モラルジレンマ授業とは?

第5章 心を支える大人たち――日本とフィンランドの子どもにおける心の健康調査
 1 スクールサイコロジスト
  フィンランドにおける子どものメンタルヘルス
  スクールサイコロジストになるには
  トゥルク市のスクールサイコロジスト
  ヘルシンキ市のスクールサイコロジスト
  スクールサイコロジストの理念と現実
 2 いじめ対策──KiVaプログラム
  KiVaプログラムの誕生
  傍観者に注目したいじめ予防教育
  KiVaプログラムの内容
  文化や教育によって異なるいじめ予防教育
  いじめをオープンに捉えているフィンランドの保護者
  日本におけるいじめ予防教育のこれから
 3 児童福祉施設と児童精神科
  児童福祉におけるフィンランドと日本の違い
  フィンランドにおける児童精神科
 4 著者らの研究調査から
  研究概要
  日本とフィンランドのQOL比較
  学校の中の自分と他者
  対人関係における対処
  調査結果から見えてきたこと

巻末資料 フィンランドの教育事情
  学校教育システム
  教育行政
  教育支出の対GDP比
  教員1人当たりの小・中学生数
  学級規模
  年間授業日数・標準授業時間数
  フィンランドの教育基本法

 あとがき

前書きなど

はじめに

 (…前略…)

○本書のねらい
 子どもにとって、家庭、学校や地域など自分を取り巻く環境を取り替えることはたいへんに難しいことです。子どもは与えられた環境の中でその環境の影響を大きく受けながら育ってゆくほかはありません。編者らが日本とフィンランドの子どもの環境と心の健康についての共同研究を開始したのは2003年です。その後、フィンランドはOECD(経済協力開発機構)による学習到達度調査(PISA)で世界のトップレベルに位置したことから、世界中の注目を集めることになりました。日本でもフィンランドの教育や福祉に関する数多くの出版物が刊行されています。
 本書は、フィンランドにおける子どもを取り巻く環境についての現地調査と心の健康に関する日本との2国間調査の結果を中心に報告するものです。現地調査については多くの写真を掲載しながらできるだけ実際の様子がイメージでき、客観的で具体的な報告になることを目指しました。その結果、これまでに刊行されている多くのフィンランドに関する書物とは異なり、世界の注目を集める日の当たるフィンランドのみではなく、日の当たらない部分を含めて報告することになったかもしれません。
 本書を読まれた読者が、日本の子どもを取り巻く環境の光と影に思いを馳せ、子どもにとって大切なことは何か、という視点で子どもの環境について少しでも考えていただくことができたら編者としてこれ以上の幸せはありません。

   2013年7月 編者

著者プロフィール

松本 真理子  (マツモト マリコ)  (編著

名古屋大学発達心理精神科学教育研究センター長・教授。名古屋大学大学院教育発達科学研究科博士課程後期修了。博士(心理学)。臨床心理士、学校心理士。聖隷学園浜松衛生短期大学講師、聖隷学園クリストファー看護大学助教授、金城学院大学人間科学部教授を経て、2008年より現職。2011年より発達心理精神科学教育研究センター長。専門は児童・思春期を対象とした臨床心理学。
主な著作に『心とかかわる臨床心理――基礎・実際・方法』(共著、ナカニシヤ出版、2006)、『子育てをささえる心理教育とは何か』(『現代のエスプリ別冊』編著、至文堂、2008)、『これからを生きる心理学――出会いとかかわりのワークブック』(編著、ナカニシヤ出版、2008)、『子どものロールシャッハ反応――形態水準と反応内容』(監修、金子書房、2009)、『子どもの臨床心理アセスメント――子ども・家族・学校支援のために』(編著、金剛出版、2010)、『世界の学校心理学事典』(監訳、明石書店、2013)他。

ソイリ・ケスキネン  (ケスキネン,ソイリ)  (編著

トゥルク大学教育学部教授(Professor of Education, Department of Teacher Education in Rauma University of Turku, Finland)。心理学博士(トゥルク大学)。主な研究テーマは、幼稚園教員のストレスと職務満足研究、アカデミックリーダーシップに関する研究、教育方法の改革研究、フィンランドと日本の児童におけるウェルビーイング。

上記内容は本書刊行時のものです。