版元ドットコム

探せる、使える、本の情報

文芸 新書 社会一般 資格・試験 ビジネス スポーツ・健康 趣味・実用 ゲーム 芸能・タレント テレビ・映画化 芸術 哲学・宗教 歴史・地理 社会科学 教育 自然科学 医学 工業・工学 コンピュータ 語学・辞事典 学参 児童図書 ヤングアダルト 全集 文庫 コミック文庫 コミックス(欠番扱) コミックス(雑誌扱) コミックス(書籍) コミックス(廉価版) ムック 雑誌 増刊 別冊
映像作家 宮崎駿 米村みゆき(著/文) - 早稲田大学出版部
..
【利用不可】

書店員向け情報 HELP

映像作家 宮崎駿 (エイゾウサッカミヤザキハヤオ) 〈視覚的文学〉としてのアニメーション映画 (シカクテキブンガクトシテノアニメーションエイガ)

このエントリーをはてなブックマークに追加
四六判
272ページ
定価 2,000円+税
ISBN
978-4-657-23007-2   COPY
ISBN 13
9784657230072   COPY
ISBN 10h
4-657-23007-7   COPY
ISBN 10
4657230077   COPY
出版者記号
657   COPY
Cコード
C0074  
0:一般 0:単行本 74:演劇・映画
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2023年7月20日
書店発売日
登録日
2023年5月20日
最終更新日
2024年1月24日
このエントリーをはてなブックマークに追加

紹介

『ハウルの動く城』『魔女の宅急便』『崖の上のポニョ』『天空の城ラピュタ』『となりのトトロ』etc…。多くの人が耳にし、また実際に観たことがあるであろうこれらの作品には、実は原作がある。ダイアナ・ウィン・ジョーンズ、角野栄子、夏目漱石、宮沢賢治などによる原作である。宮崎監督はそうした原作に依拠しつつ、類まれな脚色力=〈翻案〉力を発揮することによって、まさに〈視覚的文学〉ともいうべき独自の世界を構築してきた。
オリジナルを超える名作はどのように生みだされたのか。〈翻案〉の魔術師・宮崎駿の創作の秘密に、アニメーション研究の最前線に立つ著者が迫る。本書を読めば、全く新しい視点からジブリ作品を楽しめるようになる!

目次

はじめに 〈翻案〉の魔術師・宮崎駿――〈原作に準拠しつつ添加した脚色〉

第1講 〈視覚的叙述〉と『ハウルの動く城』 
 なぜ汽車が登場するのか
 行間の可視化――文学作品から映像作品へ

第2講 〈翻案〉する宮崎駿――『魔女の宅急便』 その1
 〈翻案〉とは何か
 物語の冒頭――想像力と聴覚/視覚 
 キキがコリコの町に降り立つ  
 魔女の血  

第3講 解釈と再創造――『魔女の宅急便』 その2 
 キキはどのように町の人々と交流するのか  
 〈翻案〉における想像力――普遍性と独創性  
 原作に準拠し発展させる――解釈と(再)創造  

第4講 〈原作に準拠しつつ添加した脚色〉と実写映画版、北米版――『魔女の宅急便』 その3 
 「赤ん坊のおしゃぶり」の継承と再配置  
 実写映画版の応答――童話世界の復権とアニメーション映画への応答  
 実写映画の独自性  
 北米版はいかに変更されているのか――原作の召喚  

第5講 宮崎駿版「人魚姫」――『崖の上のポニョ』と地政学 その1 
 舞台を公表しないこと  
 映画舞台の地政学  

第6講 非常時ライフラインの描出――『崖の上のポニョ』 その2 
 なぜ宗介の家はライフラインが整備されているのか――「光」を担う宗介  
 夏目漱石をめぐって――『門』、オフィーリア  
 『リトル・マーメイド』との比較から――リサと宗介のフェアネス、「魚」からみた人間世界の相対化 
 ひまわりの家にこだわる  

第7講 歩行への夢想と「災害ユートピア」の描出――『崖の上のポニョ』 その3
 水没はなぜ描かれたのか?――飛翔の夢から歩行の夢へ 
 災害ユートピアの視点――災害後の相互扶助  
 ルッキズムの問題系――宗介がポニョを受け入れる理由 

第8講 「原作」の種としてのロケーション・ハンティング――『天空の城ラピュタ』 その1 
 「漫画映画」の復活というキャッチ・コピー
 ロケーション・ハンティングの想像力と可能態――宮崎監督にとって「原作」とは何か 
 漫画映画の浄化作用 

第9講 宮崎監督版『貝の火』――『天空の城ラピュタ』 その2 
 漫画映画における既視の風景――“お姫さま抱っこ”とエスコート・ヒーローのパロディ 
 呼び起こされるチェルノブイリと宮沢賢治 

第10講 宮崎駿監督と〈翻案〉――『ハウルの動く城』における階段、荒地の魔女の「老い」 
 長い階段と『王と鳥』――階段の〈翻案〉  
 ネガとしての荒地の魔女――原作に準拠した脚色  
 「かわいいおばあちゃん」と翁童文化  

第11講 『ハウルの動く城』と戦争――『ハウルの動く城』 その2 
 ソフィーの造型の違いは何をもたらすのか  
 物語への加筆と混乱――戦争の加筆  
 宮崎監督と戦争の記憶――傷跡を読む  

第12講 『となりのトトロ』と結核、 ナショナル・トラストの系譜――『風立ちぬ』『コクリコ坂から』
 『となりのトトロ』の位置づけ――〈失われた日本の農村〉というファンタジー
 『どんぐりと山猫』からの〈翻案〉  
 「結核」の諸相――「宮沢賢治」からの〈翻案〉と『風立ちぬ』 
 〈ナショナル・トラスト〉の継承――『となりのトトロ』から『コクリコ坂から』まで

補講1 『千と千尋の神隠し』――柏葉幸子『霧のむこうのふしぎな町』を参照して
 『霧のむこうのふしぎな町』から『千と千尋の神隠し』へ
 宮沢賢治の世界から
 労働というテーマ――なぜ食べることが描かれるのか

補講2 カレル・ゼマンと宮崎駿監督――ジュール・ヴェルヌを通じた想像力の共有 
 チェコアニメの巨匠――カレル・ゼマン  
 映像の魔術師  
 『盗まれた飛行船』――読書空間の想像力 
 ゼマンのトンデモ・メカと『魔女の宅急便』 
 『崖の上のポニョ』と『前世紀探検』   
 カレル・ゼマン博物館――ジュール・ヴェルヌを通した想像力の共有 

おわりに  
初出一覧  
宮崎駿、スタジオジブリに関するブックガイド 
索引  

著者プロフィール

米村みゆき  (ヨネムラミユキ)  (著/文

名古屋市生まれ。専修大学文学部日本文学文化学科教授。研究領域は日本近現代文学、アニメーション文化論。博士(文学)。
名古屋大学大学院博士課程を経て日本学術振興会特別研究員PD、2009年より専修大学文学部に在職。ブリティッシュコロンビア大学アジア研究センター客員教授(2019年)。日本アニメーション学会副会長(2018年~)、日本児童文学学会評議員(2022年~)。
主要著書に『ジブリ・アニメーションの文化学 高畑勲・宮崎駿の表現を探る』(共編著、2022年、七月社)、『アニメーション文化 55のキーワード』(共編著、2019年、ミネルヴァ書房)、『ケアを描く 育児と介護の現代小説』(共編著、2019年、七月社)、『〈介護小説〉の風景――高齢社会と文学 増補版』(共編著、2015年、森話社)、『村上春樹 表象の圏域』(編著、2014年、森話社)、『ジブリの森へ――高畑勲・宮崎駿を読む 増補版』(編著、2008年、森話社)、著書『宮澤賢治を創った男たち』(2003年、青弓社)で、第28回日本児童文学学会奨励賞受賞。

上記内容は本書刊行時のものです。