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ナショナリズムとナショナル・インディファレンス マールテン・ヴァン=ヒンダーアハター(編集) - ミネルヴァ書房
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ナショナリズムとナショナル・インディファレンス (ナショナリズムトナショナルインディファレンス) 近現代ヨーロッパにおける無関心・抵抗・受容 (キンゲンダイヨーロッパニオケルムカンシンテイコウジュヨウ)

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A5判
縦216mm 横150mm 厚さ30mm
重さ 720g
432ページ
定価 7,500円+税
ISBN
978-4-623-09435-6   COPY
ISBN 13
9784623094356   COPY
ISBN 10h
4-623-09435-9   COPY
ISBN 10
4623094359   COPY
出版者記号
623   COPY
Cコード
C3022  
3:専門 0:単行本 22:外国歴史
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2023年6月30日
書店発売日
登録日
2023年5月16日
最終更新日
2024年1月24日
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書評掲載情報

2023-09-02 朝日新聞  朝刊
評者: 前田健太郎(東京大学教授)
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紹介

本書は、幅広い射程を持つ「ナショナル・インディファレンス(国民への無関心)」現象の歴史的な意義を追究する。19世紀から20世紀後半までの、ソ連を含むヨーロッパ各地の多彩な事例を取り上げ、様々なアプローチのもと、ナショナリズム理解に画期的な切り口を与える。本書を読めば、この先「ナショナル・インディファレンス」を念頭に置かずにナショナリズムの過去・現在・未来を見ることはできなくなるだろう。
原著:Maarten Van Ginderachter and Jon Fox, eds., National Indifference and the History of Nationalism in Modern Europe (Abingdon: Routledge, 2019)

目次

はじめに

序 章 ナショナル・インディファレンスと近代ヨーロッパ・ナショナリズムの歴史(マールテン・ヴァン=ヒンダーアハター/ジョン・フォックス[金澤周作訳])
 1 「ナショナル・インディファレンス」と「想像の非共同体」の定義
 2 課題と挑戦
 3 本書の概要

第1章 他のことで頭はいっぱい──19世紀ベルギーにおける国民文化プロジェクトの障害と限界(トム・ヴルスハフル[中辻柚珠訳])
 1 多言語的過去と現在への対応
 2 両立性の構築
 3 わずかなナショナリズムではあるものの
 4 道徳的義務としてのナショナリティ
 5 家 業
 6 頭の中の他所事
 7 推進力の喪失

第2章 ナショナル・インディファレンスと国民的献身の往還──第一次世界大戦期ロシアにおけるトレンティーノ出身戦争捕虜の軌跡(シモーネ・A・ベッレッツァ[林 孝洋訳])
 1 トレンティーノにおける帰属意識とロシア帝国の捕虜政策
 2 開戦に対するナショナル・インディファレンス
 3 祖国を選ぶこと
 4 下からの国民化,上からの国民化
 5 国民の代わりとしての宗教
 6 結 論──帰属の大戦

第3章 移行途上の迷い?──アドリア海北部におけるハプスブルク帝国の遺産,国家と国民形成,新ファシスト秩序(マルコ・ブレシャーニ[濱口忠大訳])
 1 ハプスブルク帝国消滅後にみるナショナル・インディファレンス
 2 日々の敗北
 3 フラストレーションとノスタルジーのあいだで
 4 あまりに少数のナショナリスト,あまりに多数の「オーストリアびいき」
 5 イストリア──ナショナリストのための土地?
 6 イストリア農村部のファシズム
 7 結 論

第4章 ナショナル・インディファレンスとトランスナショナル企業──チェコの製靴会社バチャのパラダイム(ザカリー・ドルシャル[中辻柚珠訳])
 1 ポーランドでの事件
 2 大規模なナショナル・インディファレンス
 3 バチャの発展
 4 企業都市をつくる
 5 国民的なものに無関心な管理職社員たち
 6 ナショナル・インディファレンスを教える
 7 ナショナリストの要求
 8 ミュンヘン後の排外主義
 9 結 論

第5章 ナショナリズムと無関心のあいだ──戦間期ユーゴスラヴィアにおける無関心の緩慢な排除(フィリプ・エーデルヤッツ[村上 亮訳])
 1 ユーゴスラヴィアにおける無関心の実像
 2 職業とエンターテインメントとしての政治活動
 3 ユーゴスラヴィア国家に対する国民的ではない反対
 4 国民化する不満
 5 どちらかの側に与する
 6 混乱したナショナリズム
 7 結 論

第6章 フランス人らしさへの複数の道──ナショナル・インディファレンスとアルザスのフランス復帰,1919-1939年(アリソン・キャロル[谷口良生訳])
 1 フランスにおける国民統合とナショナル・インディファレンス
 2 フランスとドイツのあいだで
 3 アルザスのフランス復帰
 4 ナショナル・インディファレンスを求めて
 5 フランス人らしさへの複数の道

第7章 政治を越えて──日常的民族実践としてのナショナル・インディファレンス(ガーボル・エグリ[姉川雄大訳])
 1 ナショナル・インディファレンスか,日常的民族実践か
 2 戦間期ルーマニアの事例
 3 結 論──資料と展望

第8章 国民への無関心・統計・構築主義パラダイム──戦間期ポーランドの国勢調査におけるトゥテイシ(「ここ出身の人々」)欄(モルガン・ラベ[福元健之訳])
 1 ナショナル・インディファレンスで統計を問う
 2 統計とナショナリティ
 3 ポーランドの国勢調査におけるトゥテイシ
 4 ポーランド統計局の裏側で──ナショナリティ問題研究所
 5 「痕跡」の歴史に向かって
 6 国民と結びつかない共同体の地政学
 7 誰がトゥテイシなのか?──国勢調査から民族学的調査へ
 8 結 論

第9章 20世紀前半の上シレジアにおける道具的ナショナリズム(ブレンデン・カーチ[河合竜太訳])
 1 道具的ナショナリズムと価値主導的ナショナリズム
 2 分割された領土,分割された忠誠心
 3 妥協の民族共同体
 4 「ドイツ人」から「ポーランド人」へ
 5 結 論

第10章 「わたしは諸国民の境を取り払った」──第二次世界大戦終結期上シレジアにおける国民の乗り換えとローマ・カトリック教会(ジム・ビョーク[河合竜太訳])
 1 国民の乗り換えは罪か──明確な教義の不在
 2 カトリックの諸言説
 3 ドイツ民族リスト上の人々──裏切り者か,英雄か
 4 ナショナル・インディファレンティズム
 5 結 論

第11章 「ソヴィエト連邦市民──なんと荘厳な響きでしょう」──ポスト・スターリニズム期ソ連の投書・ナショナリティ政策・帰属意識(アナ・ウィティントン([福元健之訳])
 1 ある市民の手紙から
 2 ソヴィエトの理論および実践における民族,国民,公民意識
 3 投書する市民と1977年憲法
 4 ソヴィエト人民の現実化
 5 結 論

第12章 結 論──(再論)ナショナル・インディファレンスと近代ヨーロッパ・ナショナリズムの歴史
    (ジョン・フォックス/マールテン・ヴァン=ヒンダーアハター/ジェイムズ・M・ブロフィ[桐生裕子訳])
 1 地理的拡張
 2 時間的拡張
 3 適用方法の精緻化
 4 展 望

訳者解題1 新しいナショナリズム研究への展望(福元健之・中辻柚珠)
訳者解題2 ナショナル・インディファレンス研究と東中欧(桐生裕子)

おわりに
人名・事項・地名索引

著者プロフィール

マールテン・ヴァン=ヒンダーアハター  (Maarten Van Ginderachter)  (編集

2023年現在
アントウェルペン大学准教授

ジョン・フォックス  (Jon Fox)  (編集

2023年現在
ブリストル大学上級講師

金澤 周作  (カナザワ シュウサク)  (監修

*2023年6月現在
京都大学大学院文学研究科教授

桐生 裕子  (キリュウ ユウコ)  (監修

2023年6月現在
神戸女学院大学文学部准教授

上記内容は本書刊行時のものです。