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出版者情報
よくわかる現代科学技術史・STS
- 初版年月日
- 2022年2月25日
- 書店発売日
- 2022年2月2日
- 登録日
- 2021年12月8日
- 最終更新日
- 2022年1月18日
紹介
本書は、私たちの日常と切っても切り離せない科学技術とどのように付き合い、またその成果やプロセスをいかに判断して、生活の中で対応していくかを考えるための格好のテキスト。第1部では主に戦後から現在までの日本の科学技術史を、大きな事件や課題を手がかりに解説する。そして第2部ではSTS(科学技術社会論 Science, Technology and Society ;STS)の立場から、科学技術をどのように考え、対応してけばよいかという諸問題について検討し、解説する。
目次
はじめに
第Ⅰ部 現代科学技術史からの視座
1 原爆で始まった戦後
1 原爆投下とマンハッタン・レジーム(塚原東吾)
2 多重災害(複合災害)(宮川卓也)
3 ABCC(中尾麻伊香)
4 永井隆と長崎原爆の思想(中尾麻伊香)
5 朝鮮戦争・ベトナム戦争と科学技術(山本昭宏)
6 水爆と第五福竜丸(高橋博子)
7 日本の物理学者と原爆開発(小長谷大介)
8 科学技術のグローバルな再編(塚原東吾)
9 日本の原子力の始まり(山本昭宏)
10 戦争技術のスピンオフ・スピンオン(河村 豊)
11 湯川のノーベル賞受賞(小長谷大介)
12 731部隊とその戦後(慎 蒼健)
13 科学技術庁の設立と科学技術基本法(野澤聡)
2 公害問題と科学技術
1 日本における公害と科学者(友澤悠季)
2 沈黙の春(篠田真理子)
3 1968年叛乱と科学技術(塚原東吾)
4 冷戦型科学(塚原東吾)
5 エコロジー(篠田真理子)
6 アポロ計画(佐藤 靖)
7 反科学論(瀬戸口明久)
8 環境問題と市民(定松 淳)
9 河川土木開発とその見直し(中澤 聡)
10 科学史とグローバル・ヒストリー:ニーダムと日本の科学史研究(塚原東吾)
3 広がるフロンティアとオルターナティブの追究
1 科学史における文明論(三村太郎)
2 2つの文化(隠岐さや香)
3 戦後の高等教育(塚原修一)
4 科学革命論(塚原東吾)
5 技術の社会史(水沢 光)
6 エジソンが切り拓いた「電気文明」(河村 豊)
7 コンピュータ,インターネット,AIの登場(杉本 舞)
8 科学技術と疎外論(塚原東吾)
9 戦後補償とODA,日本の技術移転(山品晟互)
10 リヴァイアサンと空気ポンプ(吉本秀之)
11 戦争と農業(藤原辰史)
12 「緑の革命」(春日 匠)
13 科学による可視化/不可視化(柿原 泰)
14 生命科学の現代史(斎藤光)
15 ウラニウムとプルトニウムの現代史(井上雅俊)
16 巨大事故の時代(柿原 泰)
17 女性と科学技術の歴史(村瀬泰菜)
18 人種と科学(小笠原博毅)
4 ポスト神戸と3・11
1 ライフラインと減災:神戸の経験から(塚原東吾)
2 構造災(寿楽浩太)
3 廃炉と核のゴミ(井上雅俊)
4 核軍縮問題(田井中雅人)
5 カウンター・テクノクラシー(寿楽浩太)
6 感染症と社会(廣川和花)
7 人新世(野坂しおり)
8 脱炭素と気候正義(箱田 徹)
9 科学批判学とメタバイオエシックス(田中智彦)
10 科学とカルチュラル・スタディーズ(小笠原博毅)
11 スポーツと科学技術:制御されるアスリートの身体(山本敦久)
第Ⅱ部 STSからの視座
5 現代的課題
1 情報社会(調麻佐志)
2 AIと社会(江間有沙)
3 原子力と社会(寿楽浩太)
4 低線量放射線被ばくの影響:小児甲状腺がんの多発(山内知也)
5 デュアル・ユース(川本思心)
6 公害(水俣病,イタイイタイ病)(杉山滋郎)
7 遺伝子工学(粥川準二)
8 医療廃棄物(廣野喜幸)
9 ゲノム編集(見上公一)
10 BSE(神里達博)
11 遺伝子組換え作物(平川秀幸)
12 新優生学(飯田麻結)
13 技術(者)倫理(直江清隆)
14 研究倫理(藤木 篤)
15 生命倫理(廣野喜幸)
16 脳神経倫理学(ニューロエシックス)(礒部太一・佐倉 統)
17 生政治・生権力・生資本(標葉隆馬)
18 地球温暖化と不確実性(江守正多)
19 気候工学(ジオエンジニアリング)(桑田 学)
20 海洋プラスチックごみ(松岡夏子)
21 知的財産(大谷卓史)
22 科学とメディア(田中幹人)
23 科学教育・技術教育とSTS(大辻永)
24 科学教育におけるSTSと科学的リテラシー論(笠 潤平)
6 概念と方法
1 マートンの科学社会学(定松 淳)
2 科学の目的内在化(丸山徳次)
3 パラダイム論(伊勢田哲治)
4 科学知識の社会学(SSK)(綾部広則)
5 技術の社会的構成論(SCOT)(柴田 清)
6 アクターネットワーク理論(鈴木 舞)
7 ポスト・ノーマルサイエンス(神里達博)
8 フェミニズム科学論(小川眞里子)
9 科学計量学とプライスの夢(調麻佐志)
10 科学技術政策(小林信一)
11 モード論(小林信一)
12 トランス・サイエンス論(小林傳司)
13 科学の不定性(本堂 毅)
14 科学論争(上野伸子)
15 状況依存性(藤垣裕子)
16 境界作業(藤垣裕子)
17 レギュラトリーサイエンス(平川秀幸)
18 第二種の過誤(藤垣裕子)
19 科学コミュニケーション(廣野喜幸)
20 科学技術への市民参加(八木絵香)
21 科学技術と公共空間(平川秀幸)
22 テクノロジー・アセスメント(三上直之)
23 法と科学(平田光司)
24 鑑定科学(鈴木 舞)
25 科学技術の人類学(塚原東吾・近藤祉秋)
26 認知文化論(鈴木 舞)
27 期待の社会学(山口富子)
28 STSのための質的研究(山口富子)
29 専門家論(定松 淳)
30 ELSIとRRI(藤垣裕子)
31 科学者の社会的責任(藤垣裕子)
32 ラトゥールの方法:科学の人類学(平川秀幸)
索 引
上記内容は本書刊行時のものです。