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京都から考える 都市文化政策とまちづくり 山田 浩之(編集) - ミネルヴァ書房
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京都から考える 都市文化政策とまちづくり (キョウトカラカンガエルトシブンカセイサクトマチヅクリ) 伝統と革新の共存 (デントウトカクシンノキョウゾン)

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A5判
288ページ
定価 3,800円+税
ISBN
978-4-623-08768-6   COPY
ISBN 13
9784623087686   COPY
ISBN 10h
4-623-08768-9   COPY
ISBN 10
4623087689   COPY
出版者記号
623   COPY
Cコード
C3033  
3:専門 0:単行本 33:経済・財政・統計
出版社在庫情報
不明
書店発売日
登録日
2019年10月17日
最終更新日
2019年10月29日
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紹介

京都のまちづくりの特徴は、文化の継承・発展を追及し効率性を重視しない点である。本書では、近代化・文化保存という二項対立が生じながらも、この「二兎」を追う政策を推進した結果、近代都市と歴史都市という2つの顔を持つ文化的多様性豊かな都市となった京都の取り組みを、文化の継承・景観・地域住民の取り組み・産業振興という4点を軸に分析。持続可能性の観点から見て、住民の主体的な活動を自然な形で促す重要性を提言した一冊。

目次

まえがき

序 章 都市の発展における文化と経済(山田浩之)
 1 文化と経済は車の両輪
 2 文化の概念と発展要因
 3 国における文化政策の展開
 4 地域における文化政策と文化によるまちづくり


 第Ⅰ部 文化とまちづくり

第1章 多様性ゆたかな文化都市を志向した政策──明治維新を契機とした近代化への途(山田浩之)
 1 歴史都市と近代都市──京都は2つの顔を持つ
 2 明治維新と京都策
 3 第2次世界大戦後の都市政策の展開
 4 多様性ゆたかな文化都市へ

第2章 新たな芸術文化の振興と伝統文化の継承──文化政策における車の両輪(平竹耕三)
 1 京都市の文化政策
 2 京都文化芸術都市創生計画の策定と改定
 3 東京オリンピック招致と文化庁移転を契機とするプログラム

第3章 文化遺産の保全・活用と地方創生──地域経済活性化と新しい文化の創造(峯俊智穂)
 1 社会状況の変化と文化財保護制度の見直し
 2 文化遺産とは何か
 3 文化財とは何か
 4 地方創生と京都創生
 5 日本におけるインバウンド観光振興
 6 文化遺産を地域・観光資源として捉える

第4章 まちづくりの「場」としての元校舎──明倫学区を事例に(和崎光太郎)
 1 学区と元校舎
 2 地域が学校をつくり学校が地域をつくる──学区の歴史
 3 明倫小学校の閉校から京都芸術センターの開設まで
 4 地域が実施し京都芸術センターが協力する事業
 5 京都芸術センターと学区組織が共同で実施する事業
 6 地域のコミュニティセンターとしての学校

第5章 祇園祭の山鉾行事を支える現代京都の都市機能──祭礼とまちづくりの関係を問い直す(佐藤弘隆)
 1 現代都市において祭礼を支えるもの
 2 京都祇園祭の山鉾行事
 3 山鉾町の社会・空間構造の現状把握
 4 各山鉾の運営基盤の構築
 5 現代都市における祭礼の継承とまちづくり


 第Ⅱ部 景観と生活文化

第6章 景観問題・景観論争と景観政策の展開(山田浩之・松田 彰)
 1 都市景観とは何か
 2 景観問題の展開と景観政策・まちづくり
 3 新景観政策の展開と成果──都市再生における景観政策の可能性

第7章 「異なる価値観の共存」に向けた京町家の保全・継承──生活文化の継承と発展を目指したまちづくり(高田光雄)
 1 解体が続く京町家
 2 京町家保全・継承の論拠
 3 京町家の特徴と生活文化
 4 京町家の保全・継承におけるまちづくりの視点
 5 異なる価値観の共存──まちづくりの課題
 6 タイトでオープンなコモンズ──まちづくりの仕組み
 7 シナリオアプローチ──まちづくりのプロセス

第8章 コミュニティによる空き家対策(赤崎盛久)
 1 問題になる空き家
 2 京都市によるコミュニティの力を利用した空き家対策
 3 市場に流通していない空き家への対処
 4 空き家活用のあるべき姿

第9章 鴨川における「景観」の変遷──治水・舟運・納涼床から(鈴木康久)
 1 鴨川の位置づけを変えた「平安遷都」
 2 「高瀬川」「寛文新堤」によって創出された活用の場
 3 「納涼床」に代表される華やかな鴨川の出現
 4 近代化の中で進む「空間活用」と「治水」

第10章 地域住民によるまちづくり──実践報告(谷口親平・横山経治・神戸 啓・赤崎盛久)
 1 美しい街並をつくる──姉小路界隈
 2 安寧・品格を保持する──西之町
 3 この町らしさを再生する──先斗町
 4 川と商店街を再生する──白川エリア


 第Ⅲ部 地域・文化産業とまちづくり

第11章 文化都市・京都の産業政策(白須 正)
 1 市政の柱は産業と文化
 2 地方自治体における産業政策の重要性
 3 産業都市・京都
 4 文化に根ざした産業政策の歴史
 5 伝統産業振興の取り組み
 6 伝統・観光産業の低迷と近代工業の空洞化
 7 新しい産業政策──観光・新産業の振興
 8 京都型文化産業の振興

第12章 伝統産業の振興と産地のまちづくり──文化都市の産業政策(滋野浩毅)
 1 衰退する伝統産業
 2 京都の伝統産業
 3 産地のまちづくり
 4 京都市・京都府の伝統産業振興条例の策定
 5 伝統産業が持つ文化的価値や創造性への着目
 6 伝統産業の特性を活かした文化創造に向けて──これからの課題

第13章 産業政策のプレーヤーたちとそのビジョン(波多野進)
 1 経済団体と産業政策
 2 京都の産業政策
 3 産業政策のプレーヤー
 4 産業政策の背景にある産業・企業観


終 章 座談会「文化によるまちづくり」を考える(山田浩之・池上 惇・青山吉隆・宗田好史・佐々木雅幸・赤崎盛久)
 1 明治以後のまちづくり──近代化と伝統継承
 2 「文化によるまちづくり」の優れた点
 3 「文化によるまちづくり」が抱える問題点
 4 町家の問題
 5 観光をめぐる問題
 6 京都のまちづくりへの提言

あとがき
索  引


コラム
 1 「大学のまち・京都」のさらなる発展に向けて
 2 花街のまちづくり
 3 健康・スポーツ文化と観光
 4 岡崎文化地区の形成と展開
 5 路地のまちづくり
 6 琵琶湖疏水の貢献
 7 京都市地域景観まちづくりネットワークの取り組み
 8 京都リサーチパークの挑戦
 9 国際交流のまち・京都

著者プロフィール

山田 浩之  (ヤマダ ヒロユキ)  (編集

京都大学名誉教授,大阪商業大学名誉教授,羽衣国際大学名誉教授

赤崎 盛久  (アカサキ モリヒサ)  (編集

*2019年10月現在
三重大学工学部建築学科非常勤講師、あきや活用まちづくりセンター代表理事

上記内容は本書刊行時のものです。