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出版者情報
越境する歴史家たちへ
「近代社会史研究会」(1985-2018)からのオマージュ
- 書店発売日
- 2019年5月30日
- 登録日
- 2019年5月6日
- 最終更新日
- 2019年6月6日
紹介
あたらしい歴史学をもとめて
「近社研」という夢の軌跡
かつて社会史を「控えめな合言葉」に、京都に集った研究者たちがいた。
270回を超える例会、500前後のテーマをめぐって繰り広げられた議論、その軌跡を当事者の言葉でたどる貴重な記録。
本書は、33年間にわたり関西の研究会文化の雄として知られた「近代社会史研究会」の軌跡を、関係した多くの研究者たちの文章を通じて立体的に描き出す。欧米を中心とした(しかしアジアやアフリカも視野に収める)「近代社会史」という歴史学実践の射程を振り返るとともに、研究会文化の切り口から「現代社会史」として見つめ直し、社会史の歴史と社会史の広がり、他のディシプリンとの連携、そしてこれからの豊かな可能性を展望する。
目次
まえがき
序 章 「近社研」の軌跡をたどる――情熱の草創から苦渋の終幕へ(谷川 稔)
1 前 史
2 近代社会史研究会の誕生
3 共同論集への遥かな道
4 三部作、合評会前後
5 「中興」の90年代――今出川界隈から百万遍界隈へ
6 社会史の主流化?――第一期の後期
7 第二期近社研――2005年4月~2018年3月
第Ⅰ部 記憶と歴史のはざまで
第1章 草創期の人とあれこれ
1 「近社研」発足のころ(谷口健治)
2 私の研究者人生のなかの近社研(姫岡とし子)
3 個人的エッセイ(南 直人)
4 私にとっての近社研(渡辺和行)
5 32年の重み(上垣 豊)
6 「メディア史」へのスプリングボード(佐藤卓己)
7 「近社研」をめぐる私的残像(中房敏朗)
第2章 社会史を紡ぎだす――共同論集企画の参加者たちから
1 それぞれに咲く花(長谷川まゆ帆)
2 社会史に魅了された社会学者(落合恵美子)
3 遊びをせんとや生まれけむ(藤川隆男)
4 近代社会史研究会の思い出に寄せて(天野知恵子)
5 フランス革命史研究と社会文化史研究(小林亜子)
6 社会史のムーブメント(山田史郎)
7 届けられる花束はこれしかないが(柿本昭人)
8 人はなぜスポーツをするのか(松井良明)
9 『日常と犯罪』から20年(常松 洋)
10 私を成長させてくれた近社研(山本範子)
11 「社会史の京都」の目撃者として(森本真美)
第3章 近社研の新しい「かたち」を求めて――第二期世話人から
1 研究者養成の場としての近代社会史研究会(服部 伸)
2 社会史と現在(長井伸仁)
3 アウェー世話人の詫び言(指 昭博)
4 「永遠の絶望」の先へ(小関 隆)
5 近社研の場所(伊藤順二)
6 研究会文化と修業(金澤周作)
第4章 近社研と出会う――例会の報告者たちから
1 1986~98年の近社研(近藤和彦)
2 なにかにつけて面白く(春日直樹)
3 「記憶」のなかの「近代社会史研究会」(村上信一郎)
4 「最初の一歩」を支えた研究コミュニティ(井野瀬久美惠)
5 平成の終わりから(北村昌史)
6 参加していたときは、なにかよくわからなかったけど、いろいろなものを与えてくれた研究会(進藤修一)
7 スポーツ史研究の興隆と「近社研」(池田恵子)
8 いちスポーツ史家がみた90年代近社研の雰囲気(石井昌幸)
9 近社研からの定期便(並河葉子)
10 私の記憶のなかの「近社研」(中村年延)
11 あこがれの近社研(栗田和典)
12 東京と京都の狭間で(剣持久木)
13 近代社会史研究会と東西カルチャーショック(山之内克子)
14 長崎にて思うこと(正本 忍)
15 記憶のなかの近社研(林田敏子)
16 近社研との出会いを振り返って(中本真生子)
17 「近代」でもなく、「社会史」でもなく(藤内哲也)
18 普通の会員として(竹中幸史)
19 アイデンティティ醸成の場(堀内隆行)
20 近社研と私――外大から外大への途上でのこと(福嶋千穂)
21 近社研と私の記憶(梶さやか)
22 近社研の思い出とその文化の継承に向けて(菊池信彦)
23 近社研があったこと、研究をやめずにすんだこと(藤井翔太)
24 商人の歴史から見えるもの(君塚弘恭)
25 教育現場から近社研を振り返る(片柳香織)
26 歴史研究に体の一部を置き続けて(酒井朋子)
27 南方熊楠研究は西洋史として成立するか(志村真幸)
28 研究会文化について――「ざんねんないきもの」たちの集いの場所(藤原辰史)
29 感謝のことば(籔田有紀子)
30 境界線で出会い、境界線で道に迷う(嶋中博章)
31 京都の研究生活と近社研(森永貴子)
32 若手にとっての「近社研」(谷口良生)
33 二度の報告とその間(福元健之)
第Ⅱ部 記録篇
Ⅰ 近代社会史研究会総記録
Ⅱ 『会報』から
Ⅲ 共同論集全四巻の目次
あとがき(谷川 稔)
あとがき(金澤周作)
人名・事項索引
上記内容は本書刊行時のものです。