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自壊する「日本」の構造 長谷川雄一(編) - みすず書房
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自壊する「日本」の構造 (ジカイスルニホンノコウゾウ)

歴史・地理
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発行:みすず書房
46
重さ 480g
384ページ
定価 3,800 円+税   4,180 円(税込)
ISBN
978-4-622-09670-2   COPY
ISBN 13
9784622096702   COPY
ISBN 10h
4-622-09670-6   COPY
ISBN 10
4622096706   COPY
出版者記号
622   COPY
Cコード
C0036  
0:一般 0:単行本 36:社会
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2024年1月10日
書店発売日
登録日
2023年11月27日
最終更新日
2023年12月27日
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書評掲載情報

2024-03-16 東京新聞/中日新聞  朝刊
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紹介

現在の日本社会全体は、時代の要請によって次々に出てくる課題に対応できないどころか、政治・経済・メディア・道徳などあらゆる局面で「劣化」や「自壊」に向かっているようにみえる。日本国憲法と二重基準になっている日米安保条約はじめ、対米従属のあり方、メディアと権力の癒着の実態やジャーナリズムの課題、教育現場での右傾化、自民党一強政治の経緯、核政策と原発問題の矛盾と失敗の構造、統一教会問題からみえてくるもの、新自由主義イデオロギーが蝕んでいるものなど、多方向から、日本の過去・現在・未来を考える。

目次

自壊する日本の「原像」  長谷川雄一
――序にかえて
1 内務省警保局発「外国軍駐屯地に於る慰安施設に関する件」/2「国体」から「国体」へ/3 理念なく、もたれ合う日本の組織の病理/4 不平等な対米関係に甘んずる日本という国/5 弱者と「犠牲のシステム」

新自由主義の隆盛と日本  水野和夫
――資本に『隷属への道』を敷設する新自由主義
1 新自由主義経済で不自由が増し生活は困窮――255兆円に相当する自由の消滅/2 サラマンカ学派と新自由主義――公正価格は神のみが知る/3 リアル・エコノミーvs.シンボル・エコノミー――資本に『隷属する道』へ/4 定常状態vs.成長経済――中庸か極端かの選択

「異形」の安全保障と沖縄  豊田祐基子
――日米関係史の中で
はじめに――「要石」から」「最前線」へ/1 「潜在主権」と天皇メッセージ 講和条約第三条の意味/2 抗議しない日本、現状維持という選択/3 「核抜き・本土並み」返還がもたらしたもの/4 「国内 問題」としての沖縄/おわりに――二つの戦争とブルースカイ

自壊するマスメディアからジャーナリズムを救出できるか  畑仲哲雄
はじめに/1 腐食の断面/2 産業的な凋落/3 権力の愛玩犬か、民主主義の番犬か/おわりに

なぜいま映画『教育と愛国』を通して政治を考えるのか  斉加尚代
1 山口と大阪は、映画『教育と愛国』で繋がる/2 歴史教科書「学び舎」への攻撃と日本書籍の倒産/3 維新の会の誕生と橋下徹氏の政治手法/4 東大名誉教授、伊藤隆氏から見えたもの/5 観客が育ててくれた映画。その反応と広がり、山口でも/6 沖縄戦から見える教育と政治的強要とは/7 平井美津子さんと教え子の感想/8 閣議決定というマジック/9 教育とメディア、そしてアカデミズムの可能性

日本の政党政治は自壊するのか  松岡信之
――政治の対立軸と選挙制度
はじめに/1 政治的対立軸の弱さ/2 小選挙区をめぐる自民党の策動/3 立憲民主党、新たな対立軸の模索/おわりに

日本的ナルシシズムという構造と自壊  堀有伸
はじめに/1 日本文化を貫く傾向としてのアンチ・ロゴス主義/2 藤田省三による『天皇制国家の支配原理』の研究/3 エディプス・コンプレックスと原始的防衛機制をめぐる精神分析的な議論/4 反復される国体の病理/むすびに――日本的ナルシシズムを乗り越えるための試論

「極東事項」の崩壊  栗田尚弥
――米軍第一軍団司令部のキャンプ座間移転をめぐって
はじめに/1 キャンプ座間の誕生と在日米陸軍司令部の開設/2 第一軍団司令部のキャンプ座間移転計画/3 司令部移転反対の動きに対する〈アメ〉と〈ムチ〉/4 アジアへのリバランス――「極東」の範囲を超える第一軍団の管轄/おわりに

核・原子力政策における日本の失敗と「ジレンマ」  鈴木達治郎
――学べぬ国日本の構造的課題
はじめに/1 日本の原子力政策の失敗――夢のエネルギーから負の遺産へ/2 日本の核政策の失敗――核廃絶のリーダーから核抑止依存症へ/3 結論――失敗からの教訓と今後への示唆

統一教会と現代日本の政教関係  島薗進
――公共空間を脅かす政教のもたれ合いと宗教右派
1 統一教会の抑圧・搾取・収奪と「祝福」の教え/2 攻撃的な隔離型教団が成長を続けられた要因/3 1970年代後半から1980年代へ/4 80年代の暴力事件と米国での展開/5 批判されにくかった統一教会/6 90年代にも捜査がなされなかった/7 2000年代以降に持ち越された問題/8 三つの段階と二つの側面/おわりに――公共空間の危機

あとがき

著者プロフィール

長谷川雄一  (ハセガワユウイチ)  (

(はせがわ・ゆういち)
1948年仙台市生まれ。慶應義塾大学大学院法学研究科博士課程単位取得満期退学、専門は日本政治外交史。東北福祉大学名誉教授。著書『近代日本の国際認識』(芦書房、2016年)、編著『アジア主義思想と現代』(慶應義塾大学出版会、2014年)『大正期日本のアメリカ認識』(慶應義塾大学出版会、2001年)、共編著『北一輝 自筆修正版・国体論及び純正社会主義』(ミネルヴァ書房、2007年)『満川亀太郎書簡集――北一輝・大川周明・西田税らの書簡』(論創社、2012年)『現代の国際政治(第4版)』(ミネルヴァ書房、2019年)。
*ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

水野和夫  (ミズノカズオ)  (

(みずの・かずお)
1953年愛知県生まれ。埼玉大学大学院経済科学研究科後期博士課程修了。博士(経済学)。三菱UFJモルガン・スタンレー証券チーフエコノミストを経て、内閣府大臣官房審議官(経済財政分析担当)、内閣官房内閣審議官(国家戦略室)を歴任。現在 法政大学法学部教授。主な著書に『終わりなき危機――君はグローバリゼーションの真実を見たか』(日本経済新聞出版、2011年)『資本主義の終焉と歴史の危機』(集英社、2014年)『次なる100年――歴史の危機から学ぶこと』(東洋経済新報社、2022年)など。
*ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

島薗進  (シマゾノススム)  (

(しまぞの・すすむ)
東京大学大学院人文科学研究科博士課程・単位取得退学。東京大学大学院人文社会系研究科・教授、上智大学グリーフケア研究所所長を経て、現在 大正大学客員教授、上智大学グリーフケア研究所客員所員。専門は宗教学、死生学、生命倫理。著書『国家神道と日本人』(岩波新書、2010年)『教養としての神道』(東京経済新報社、2022年)『宗教学の名著30』(ちくま新書、2008年)『明治大帝の誕生』(春秋社、2019年)『死生観を問う』(朝日新聞出版、2023年)など。
*ここに掲載する略歴は本書刊行時のものです。

上記内容は本書刊行時のものです。