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モルブス・アウストリアクス 前田 佳一(編) - 法政大学出版局
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モルブス・アウストリアクス (モルブス アウストリアクス) オーストリア文学をめぐる16章 (オーストリアブンガクヲメグルジュウロクショウ)

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A5判
436ページ
上製
価格 6,800円+税
ISBN
978-4-588-49521-2   COPY
ISBN 13
9784588495212   COPY
ISBN 10h
4-588-49521-6   COPY
ISBN 10
4588495216   COPY
出版者記号
588   COPY
Cコード
C1090  
1:教養 0:単行本 90:文学総記
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2023年5月10日
書店発売日
登録日
2023年3月7日
最終更新日
2023年5月31日
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紹介

「オーストリア病(モルブス・アウストリアクス)」と表現される消滅したかつての帝国をも含む神話への深い執着と愛憎。ナチスによる併合など幾度も国のあり方が変わり、隣国のドイツの文学との差別化からも作家たちは「オーストリア的なるものとは何か」を問い続けてきた。「ニーベルンゲンの歌」から、ホーフマンスタール、ムージル、ツヴァイク、バッハマン、ベルンハルトまで、「オーストリア病」の現代におけるアクチュアリティを問う。

目次

序 章 モルブス・アウストリアクスあるいはオーストリア文学の過去と未来の間 前田佳一

第Ⅰ部
第1章 「ドイツ」国民叙事詩?──オーストリア文学史叙述における『ニーベルンゲンの歌』 山本潤

第2章 「全的人間」による共同体の創造──ホーフマンスタール『国民の精神的空間としての書物』とディルタイの精神科学 石橋奈智

第3章 「この時代」の文化批判──ムージルの「カカーニエン」とアウストロ・ファシズム 桂元嗣

第4章 「この小さな国──偶然にも私の故国」──シュテファン・ツヴァイク『昨日の世界』における「故郷」としてのオーストリア 杉山有紀子

第5章 『聖霊降臨節の牧歌』から『聖霊降臨節の旅』へ──K・H・ヴァッガールにおける第二次世界大戦中/戦後の「故郷」理念の変化 杉山有紀子

第6章 ナチスの桂冠詩人か、言語芸術の革新者か──ヨーゼフ・ヴァインヘーバーの戦後オーストリア文学における立ち位置 日名淳裕

第7章 敷居に立つニーベルンゲン──マックス・メルによる二部作『ニーベルンク族の災厄』 山本潤

第Ⅱ部
第8章 アイヒンガー、アイゼンライヒ、ドーデラー──不信の詩学あるいは「オーストリア的なるもの」の象徴化と神話化 前田佳一

第9章 インゲボルク・バッハマンと戦後ウィーン 前田佳一

第10章 「オーストリア的なるもの」の緩慢なる自殺あるいは損傷した物語──ゲアハル
ト・フリッチュの長編『石の上の苔』と『ファッシング』について 前田佳一

第11章 「けっしてひとりではない」場所──ミロ・ドールにおける故郷と自伝的語り 桂元嗣

第12章 腐食する現在、拓かれる過去──イルゼ・アイヒンガーの詩における「錆」の主題 日名淳裕

第13章 トーマス・ベルンハルト『地上でそして地獄で』における反復される「私」──詩「顔たちの日」と「九篇の聖歌」を例として 日名淳裕

第14章 革命とフラグメント──初期ベルンハルトの中編小説 金志成

第15章 ローベルト・ヴァルザー『散歩』とトーマス・ベルンハルト『行く』──二つの歩行する散文の分岐点 葛西敬之

第16章 自伝が生まれる時──メタフィクションとしてのトーマス・ベルンハルト『推敲』について 飯島雄太郎

執筆者紹介

著者プロフィール

前田 佳一  (マエダ ケイイチ)  (

前田 佳一 1983年生まれ。お茶の水女子大学基幹研究院准教授。東京大学大学院人文社会系研究科博士後期課程単位取得退学。博士(文学)。専攻は近現代ドイツ文学、オーストリア文学。業績に『天国への階段―オーストリア文学における故郷表象の虚構性』(編著、日本独文学会研究叢書141、2020年)、『固有名の詩学』(編著、法政大学出版局、2019年)、Nachleben der Toten – Autofiktion(共著、iudicium, 2017年)ほか。

追記

■編者
前田佳一(マエダ・ケイイチ) 編者
1983年生まれ。お茶の水女子大学基幹研究院准教授。東京大学大学院人文社会系研究科博士後期課程単位取得退学。博士(文学)。専攻は近現代ドイツ文学、オーストリア文学。業績に『天国への階段―オーストリア文学における故郷表象の虚構性』(編著、日本独文学会研究叢書141、2020年)、『固有名の詩学』(編著、法政大学出版局、2019年)、Nachleben der Toten – Autofiktion(共著、iudicium, 2017年)ほか。

■著者
山本潤(ヤマモト・ジュン)
1976年生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科准教授。東京大学大学院人文社会系研究科博士後期課程単位取得退学。博士(文学)。専攻はドイツ語圏中世俗語文学。業績に『固有名の詩学』(共著、法政大学出版局、2019年)、『記憶の変容―『ニーベルンゲンの歌』と『哀歌』に見る口承文芸と書記文芸の交差』(単著、多賀出版、2015年)、『カタストロフィと人文学』(共著、勁草書房、2014年)ほか。

石橋奈智(イシバシ・ナチ)
1990年生まれ。東京大学大学院博士課程在学中。修士(文学)。専攻はドイツ文学。業績に「新しい認識論と芸術の自律性 フーゴー・フォン・ホーフマンスタール『エレクトラ』と『夢の像としての舞台』における舞台の自律性の再構築」(論文、『ドイツ文学』第164号、2022年)、「「書かれたもの」の境界を問う ホーフマンスタール『国民の精神的空間としての書物』およびアンソロジー出版活動における「空間」理念」(論文、日本独文学会研究叢書第141、2020年)、「イメージの言語 vs. 身体の言語 ホーフマンスタール『手紙』における境界の出現」(論文、『詩・言語』第86号、2019年)ほか。

桂元嗣(カツラ・モトツグ)
1975年生まれ。武蔵大学人文学部教授。東京大学大学院人文社会系研究科博士後期課程単位取得退学。博士(文学)。専攻は近現代ドイツ文学、中欧文化論。業績に『人文学のレッスン―文学・芸術・歴史』(共著、水声社、2022年)、「「構成的イロニー」再考―新版ムージル全集における『特性のない男』の編集上の問題をめぐって」(論文、『武蔵大学人文学会雑誌』第52巻第3・4号、2021年)、『中央ヨーロッパ―歴史と文学』(単著、春風社、2020年)ほか。

杉山有紀子(スギヤマ・ユキコ)
1985年生まれ。慶應義塾大学理工学部専任講師。ザルツブルク大学人文学部博士課程修了。Dr. phil.専攻は近現代オーストリア文学、ドイツ文学。業績に「一九四五年以降のオーストリアにおけるシュテファン・ツヴァイク受容―ペルソナ・ノン・グラータから「昨日の世界」の作家へ」(論文、『オーストリア文学』38号、2022年)、『過去への旅/チェス奇譚』(翻訳、シュテファン・ツヴァイク著、幻戯書房、2021年)、Ein Dieb und der Exilant in Paris. Stefan Zweigs Novelle Unvermutete Bekanntschaft mit einem Handwerk interpretiert mit Walter Benjamins Baudelaire-Überlegungen(論文、Neue Beiträge zur Germanistik. Band 16, Heft 1, 2017年)ほか

日名淳裕(ヒナ・アツヒロ)
1983年生まれ。成城大学法学部准教授。ウィーン大学文献文化学部ドイツ学科博士課程修了。Dr. phil. 専攻はドイツ語抒情詩、戦後オーストリア文学。業績に「ゲオルク・トラークル「最後の詩」における祖国の死と故郷の再生」(論文、日本独文学会研究叢書141、2020年)、「フィッカー、ツェラン、ハイデガー―オーストリア戦後抒情詩の展開とトラークル像の変遷」(論文、『詩・言語』第79号、2014年)、„Die heute undurchschaubare Strategie der Liebe.“ Zur Trakl-Rezeption bei Ilse Aichinger. (論文、Neue Beiträge zur Germanistik. Band 13, Heft 1, 2014年)ほか。

金志成(キム・チソン)
1987年生まれ。東京都立大学人文社会学部准教授。早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。専攻は現代ドイツ文学。業績に『対話性の境界―ウーヴェ・ヨーンゾンの詩学』(単著、法政大学出版局、2020年)、『さまざまな一年―近現代ドイツ文学における暦の詩学』(編著、松籟社、2021年)、『クルーゾー』(翻訳、ルッツ・ザイラー著、白水社、2023年)、『背後の世界』(翻訳、トーマス・メレ著、河出書房新社、2018年)ほか。

葛西敬之(カサイ・タカユキ)
1987年生まれ。信州大学人文学部准教授。東京大学大学院人文社会系研究科博士後期課程単位取得退学。博士(文学)。専攻は近現代ドイツ文学、スイス文学。業績に「ローベルト・ヴァルザーにおける詩という形式について」(論文、『ドイツ語文化圏研究』16号、2020年)、Zäsuren – Welt/Literatur(共著、iudicium, 2019年)、Unter dem Strich, gegen den Strich. Robert Walsers Feuilleton und Benjamins Erinnerung(論文、『ドイツ文学』155号、2017年)ほか。

飯島雄太郎(イイジマ・ユウタロウ)
1987年生まれ。京都大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。修士(文学)。専攻は近現代ドイツ文学、オーストリア文学。業績に『推敲』(翻訳、トーマス・ベルンハルト著、河出書房新社、2021年)、『アムラス』(共訳、トーマス・ベルンハルト著、河出書房新社、2019年)ほか。

上記内容は本書刊行時のものです。