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虐殺のスイッチ 森 達也(本文) - 筑摩書房
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【利用不可】

虐殺のスイッチ (ギャクサツノスイッチ) 一人すら殺せない人が、なぜ多くの人を殺せるのか? (ヒトリスラコロセナイヒトガ,ナゼオオクノヒトヲコロセルノカ)

文庫
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発行:筑摩書房
文庫判
240ページ
定価 780 円+税   858 円(税込)
ISBN
978-4-480-43881-2   COPY
ISBN 13
9784480438812   COPY
ISBN 10h
4-480-43881-5   COPY
ISBN 10
4480438815   COPY
出版者記号
480   COPY
Cコード
C0195  
0:一般 1:文庫 95:日本文学、評論、随筆、その他
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2023年7月6日
書店発売日
登録日
2023年5月26日
最終更新日
2025年7月17日
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書評掲載情報

2023-08-12 朝日新聞  朝刊
評者: 安田浩一(ノンフィクションライター)
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紹介

集団は熱狂し、変異した
関東大震災の朝鮮人虐殺、ナチスのホロコースト、クメール・ルージュの大量殺戮・・・・・・
なぜ悲劇は繰り返されるのか。そのメカニズムを解き明かす。

ナチスのホロコースト、クメール・ルージュの大量殺戮、関東大震災の朝鮮人虐殺、インドネシア政権による虐殺、ルワンダ・フツ族のツチ族虐殺……、歴史を、世界を見渡すと、虐殺事件は繰り返し起き、あふれている。なぜごく普通の善良な市民が、同じように普通の人をいとも簡単に殺すのか、しかも大量に。キーになるのは、集団と同調圧力。集団が熱狂し変異して起きる虐殺のメカニズムを考える。
解説 武田砂鉄

目次

まえがき   
1 なぜ人はこれほど残虐になれるのか カンボジアの残像   
トゥール・スレン虐殺犯罪博物館にて   
朝起きたら歯を磨くように人を殺す   
惨劇の痕跡   
2 どうしても学校や会社には適応できない 僕が虐殺に関心を抱いた理由(その1)
吃音のいじめられっ子だった頃 
映画を「作る」楽しみ
アメリカン・ニューシネマの時代 
役者を目指したものの……
ドキュメンタリーとの出会い
ドキュメンタリーはおもしろい!?     
3 オウムを撮ることで気づいたこと 僕が虐殺に関心を抱いた理由(その2)
そして一人きりになった
宗教が救えるものの限界
なぜオウムは人を殺したの
オウムの側から社会を眺める
こうして人は歯車になる
4 生きものの命は殺してもいいのか
クジラと日本
生きものと知性 
線引きの難しさ
調査捕鯨を続ける本当の理由
ウシやブタやイルカの殺され方
5 人を殺してはいけない理由などない 
人は身勝手な生きもの
人は人を殺してはいけないと誰が言ったのですか?
人は人を簡単には殺せない
映画『フルメタル・ジャケット』から見えてくるもの
日本人の心は壊れにくいのか?
6 もとからモンスターである人などいない
殺人をどう罰するか
加害者は人間であり、モンスターではない
憎しみと愛情のはざまで
自由意志のあやうさ
7 この世界は虐殺に満ちている
虐殺の歴史を振り返ってみよう
 ①デマが罪のない多くの人を殺す ―― 関東大震災時の朝鮮人虐殺
 ②ホロコースト ―― ナチスによるユダヤ人大量虐殺
③普通の人が普通の人を殺す ―― 政権側によるインドネシアでの虐殺
 ④一つの民族が殺しあい、人口が激減した国 ―― カンボジアでのクメール・ルージュによる大量虐殺   
 ⑤民族の対立をラジオが煽る ―― ルワンダでのフツ族によるツチ族虐殺
加害者の本当の姿を知りたい
被害者感情と取材の難しさ
8 集団と忖度   虐殺の核にあるもの
「私が彼を」でなく、「我々0 0 が彼ら0 0 を」殺すとは?
虐殺は誰かの指示がなくても始まる
アウシュビッツ強制収容所を訪ねて
9 善良な人々が虐殺の歯車になるとき
一人ひとりはみな優しい
凡庸な悪としてのアイヒマン
人は何に服従するのか
見えぬ命令系統
純粋さゆえの残虐さ
10 虐殺のスイッチを探る
集団化と同調圧力
過剰な忖度と異物の排除
お化け屋敷は、なぜ怖いのか?
集団が変異する熱狂の瞬間
虐殺のスイッチとは
 転がる石のように  あとがきに代えて
 ちくま文庫版のためのあとがき
 解説   武田砂鉄 

著者プロフィール

森 達也  (モリ タツヤ)  (本文

映画監督・作家。1998年、オウム真理教のドキュメンタリー映画『A』を公開。2001年、続編『A2』が山形国際ドキュメンタリー映画祭で審査員特別賞・市民賞を受賞。11年に『A3』が講談社ノンフィクション賞を受賞。著書に『放送禁止歌』(知恵の森文庫)、『死刑』『いのちの食べかた』(角川文庫)、『私たちはどこから来て、どこへ行くのか』(ちくま文庫)、『たったひとつの「真実」なんてない』『集団に流されず個人として生きるには』(ちくまプリマー新書)など。

上記内容は本書刊行時のものです。