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日本政治思想史講義 飯田 泰三(著) - 筑摩書房
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【利用可否不明】

日本政治思想史講義 (ニホンセイジシソウシコウギ) 『丸山眞男講義録 第四冊』を精読する (マルヤママサオコウギロクダイヨンサツヲセイドクスル)

社会科学
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発行:筑摩書房
四六判
368ページ
定価 2,100 円+税   2,310 円(税込)
ISBN
978-4-480-01841-0   COPY
ISBN 13
9784480018410   COPY
ISBN 10h
4-480-01841-7   COPY
ISBN 10
4480018417   COPY
出版者記号
480   COPY
Cコード
C0331  
0:一般 3:全集・双書 31:政治-含む国防軍事
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2026年2月16日
書店発売日
登録日
2025年12月19日
最終更新日
2026年5月8日
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書評掲載情報

2026-04-18 朝日新聞  朝刊
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紹介

一九六四年の『丸山眞男講義録』をサブテキストにした法政大学法学部における本講義は、日本神話や古代天皇のあり方に日本の思想的伝統の「原型」を探る丸山の講義をわかりやすく精読。とくに丸山が力点を置いていた鎌倉新仏教の革新性について、その中にヨーロッパの宗教改革に匹敵する世俗化・脱宗教化の動きを見つつ、呪術的な心性も残り続けていくという特徴と、日本独自の政治思想の展開を見る。丸山の直接の教えを受け、その研究を引き継ぎ掘り下げた碩学による名講義。

目次

はじめに

第1講 日本とは何か
「日本」の成り立ちと天皇/邪馬台国論争/日本における古代国家の出現/文化接触により浮かび上がる「日本的なるもの」/仏教の日本化/朝鮮との比較から見えてくること/地理的条件による「余裕」

第2講 日本思想における「古層」
修正・変容により幾重にも重なる層/「なりゆき」と「いきほひ」/日本的古層の普遍性(?)/政治神話としての『古事記』/国家の枠組みを強化するために/「政治的につくられた神話」における人類学的普遍/縄文的古層と弥生的古層/日本的古層のルーツとしての東アジア

第3講 天皇制神話の形成とその諸相
日本神話における三層構造と神勅/日本神話における国の成り立ち/死と再生の儀式としての大嘗祭/他界観における水平軸と垂直軸/「大王」から「天皇」へ/古層の重層性──オナリ神信仰と斎宮制/天皇制はなぜ残り続けたのか/疑似宗教的なものとしての天皇制/天皇主権から国民主権へ

第4講 伝統とは何か
「伝統」の多義性──日本における三つの伝統概念/P伝統・C伝統・I伝統の関係/丸山眞男の「伝統という名の三つの伝統」/画期がないがゆえの「伝統」の曖昧さ/ロマン主義化された「武士道」としての「葉隠」思想/「忠君愛国」はいつから「伝統」となったのか/日本におけるnationalism のねじれ

第5講 日本における古代国家成立と日本神話
日本における「古代国家」が成立するまで/シャーマン的「女王」と「男弟」による支配という伝統/古代国家形成における四つの型──百済・高句麗・新羅・日本/政治的・外交的事情による記紀神話の独特な構造/日本神話における三つの範疇──ウム・ナル・ツクル/イザナギ・イザナミによる国産みと神産み/現世と他界の境としての黄泉比良坂/三貴子の登場─高天原神話の始まり

第6講 日本神話における道徳意識──「心情の純粋性」と「集団的エゴイズム」の結合
善心と邪心──道徳意識の芽生え/無私と集団エゴイズム/「心情倫理」と「責任倫理」/アマテラスとスサノヲのウケヒ/スサノヲの傍若無人な振る舞いが意味するもの/太陽エネルギー・生命の復活としての天石屋戸神話

第7講 記紀神話における出雲神話の位置
政治神話としての記紀神話/出雲神話の人類史的・普遍的側面/国引き神話──山陰地方と新羅の関係/ニライカナイとオボツカグラ──「三姓穴」神話と「檀君」神話/水平軸の海上他界と垂直軸の天上他界──ケルト神話とゲルマン神話/文化英雄(culture hero)について── medicine king としてのオホナムヂ/オホナムヂの試練/続くオホナムヂの根の国での試練/成年式の通過儀礼/オホナムヂは農業王として誕生する/階級分化の発生を意味したスサノヲのヲロチ退治──英雄時代/トリックスター──季節祭・聖婚と王の誕生

第8講 天皇制の正統性
大国主命による国造りの完成と天若日子の死/建御雷之男神の派遣/「うしはく」と「しらす」/国譲りまでの経緯/番能邇邇芸命による天孫降臨/真床覆衾に象徴される「新しい命」/日向三代から神武天皇へ

第9講 国体とは何か
「国体」概念の発生と福澤諭吉の国体論/「一身独立して一国独立す」──国体における政統の重要性/支配における三つの類型と二つのカリスマ(マックス・ウェーバー)/「伝統的支配」から「合法的支配」へ/「忠君愛国」と愛国心の違い/「古代王制のイデオロギー的形成」における五つの類型/「呪術的祭祀者」としての天皇という「伝統」/神の代わりの存在としての天皇(アラヒトガミとアキツカミ)/ほとんどの人民は天皇の存在さえ知らなかった(幕末)

第10講 カリスマ的支配の諸相
「軍事的指導者としてのカリスマ」/日本に「英雄時代」はあったのか──ヤマトタケルの武勇伝/「祭祀的支配」の優位性/日神アマテラスに由来するカリスマ/日本神話の特異性──神代から人の代への接続/血統カリスマ(「万世一系」の天皇)/「禅譲放伐」が起こらない日本の天皇制

第11講 血縁共同体の擬制
血のつながりがあるというフィクション/神話の中に位置づけられた祖神/天皇支配における親子的情愛/古代天皇制にみられる合議制/血縁共同体が持つ危うさと合議の「伝統」/仏教はなぜ政治に影響を与えたのか

第12講 日本政治思想における仏教思想の萌芽
皇位継承におけるさまざまなケース/放伐思想の政治改革への影響と「神々への誓い」/「十七条憲法」における仏教思想の影響/普遍的真理の優越性/「和」とは何か/自然的な人間関係と公的組織との区別/晩年の聖徳太子が達した境地

第13講 鎮護国家のための仏教
外来宗教に対する抵抗/仏教受容における三つの段階/死者への儀礼と呪術的効果/「鎮護国家」と仏教の「習合」/仏教の中核をなす「否定の論理」(家永三郎)

第14講 平安仏教がもたらしたもの
大衆仏教への転換点としての天台宗/教権と俗権の対立から癒着へ/仏教信仰の内面化/「無常」の観念と日本人の美意識/「因果応報」思想と「宿世」/「他界観」の習合

第15講 末法思想と慈円の歴史哲学
浄土信仰の広まり/貴族層におけるペシミズムと罪業意識/世紀末意識としての末法思想/末法意識に伴う人々の主体性の目覚め/『愚管抄』における七つの時代区分/歴史における極限状況とその必要性

第16講 プレリュードとしての「隠遁」の思想
古代と中世の狭間で/歴史における必然性と自由の関係/「法爾自然」と実践的自由/慈円の歴史哲学の限界とその歴史的意味/隠遁の思想──〝脱政治化〟した知識人たち/遁世的生活における二つの型──親鸞と一遍の〝原型〟/西行・鴨長明に見る隠遁の思想/「罪深き自己」の自覚と救済

第17講 親鸞の思想の革新性
地獄こそが自分のすみかである/親鸞の師・法然の理論──「聖道門」と「浄土門」/個人往生から「万人往生」へ/「悪人正機説」──己の罪深さの自覚/「非僧非俗」という立場と「在家仏教」の誕生/ウェーバーの宗教社会学から見る「在家仏教」/セクト的な共同体(「ゼクテ」)を目指して/人間存在への深くやさしいまなざし

第18講 親鸞の思想と政治
「ブレイク・スルー」としての鎌倉仏教/政治権力との対立を機縁として/「非僧非俗」の「愚禿」──最下層の民衆の生活を見つめて/門徒たちの動きと親鸞の懸念/政治的関係についての明晰な視点/「道場」・「講」から「一向一揆」へ

第19講 孤高の哲学者・道元
人はなぜ「修行」を続けねばならないのか/禅の教え、そして生涯の師・如浄との出会い/修行とはすなわち悟りである/「永平寺」開基と聖俗の厳しい分離/「精神的貴族主義」と平等主義/道元と親鸞の思想における三つの共通点/世俗権力からの完全な自立

第20講 闘う宗教改革者・日蓮
浄土経への闘争宣言/度重なる弾圧・法難を経て/新たな「鎮護国家」思想と「法国冥合」論/日蓮の思想における「宗教改革」的性格/親鸞・道元との共通点/新たな「王法・仏法の相依」関係/理想と現実の拮抗による思想的ダイナミズム

第21講 鎌倉新仏教のその後──屈折と挫折の諸相
呪術的傾向の復活/教義上のシンクレティズム/教団におけるヒエラルヒーの生成/世俗的な権威付けと本来の「信仰の自由」の喪失/王法(俗権)との結びつきの強化/「わび」「さび」「幽玄」と「道」/「悪所」における芸術と世俗化

第22講 あらためて「日本」とは何か
「日本」と「天皇」のおこり/「日本」という意識の高まり/身分秩序・道徳の根拠としての朱子学/日本における朱子学のその後の展開/「漢意」に対する「大和心」/文化変容と層別化の果てに

あとがき
人名・神名索引

著者プロフィール

飯田 泰三  (イイダ タイゾウ)  (

飯田 泰三(いいだ・たいぞう):1943年生まれ。東京大学大学院法学政治学研究科博士課程修了。博士論文は「大正知識人の成立と政治思想」。法政大学名誉教授、島根県立大学名誉教授。日本政治思想史専攻。著書に『批判精神の航跡』(筑摩書房、1997年)、『戦後精神の光芒』(みすず書房、2006年)、『近代日本思想史大概』(法政大学出版局、2024年)、共編書に『長谷川如是閑集』(岩波書店、1989-90年)、『吉野作造選集』(同、1995-97年)、『丸山眞男集』(同、1995-97年)、『福澤諭吉書簡集』(同、2001-03年)、『藤田省三著作集』(みすず書房、1997-98年)、『丸山眞男講義録』(東京大学出版会、1998-2000年)ほか。

上記内容は本書刊行時のものです。