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越境する出雲学 岡本 雅享(著/文) - 筑摩書房
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越境する出雲学 (エッキョウスルイズモガク) 浮かび上がるもうひとつの日本 (ウカビアガルモウヒトツノニホン)

歴史・地理
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発行:筑摩書房
四六判
368ページ
定価 1,800円+税
ISBN
978-4-480-01752-9   COPY
ISBN 13
9784480017529   COPY
ISBN 10h
4-480-01752-6   COPY
ISBN 10
4480017526   COPY
出版者記号
480   COPY
Cコード
C0314  
0:一般 3:全集・双書 14:宗教
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2022年8月9日
書店発売日
登録日
2022年6月29日
最終更新日
2023年8月17日
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書評掲載情報

2022-11-20 産經新聞  朝刊
2022-10-29 東京新聞/中日新聞  朝刊
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紹介

 古事記神話の4割余りを占める出雲には、この国の成り立ちを解く鍵がある。地名や神社、伝承や考古学的成果などから、列島各地の“出雲”を掘り起こしてきた筆者が、それらを結びつけていくことで浮かび上がる“もう一つの日本”を描き出す。
 郷土と郷土の歴史を、時には国境をも越えて結びつけていくと、中央(国家)の視点で描かれてきた歴史とは異なる多様性、中央の下位的存在などではない地域の価値が浮かび上がる。地域を跨ぎ、地域をつなぐ出雲学の手法で、出雲から日本海沿岸を伝って越後で内陸に折れ、北関東へ至るルートなど、人の移動や文化伝播の流れを探究。中央―地方(周縁)という一元的な関係には収まらない、様々な地域と地域のつながりの中で多元的に醸成されてきた列島社会の基層、“別の鏡”に映し出された私たちのルーツ・自画像を可視化する。

目次

序 章 全国〝出雲〟再発見の旅
1 出雲の中の古志――古代北陸からの移住を刻む地名
2 日本の成り立ちに関わる出雲の謎
3 地名や神社で掘り起こす隠れた列島史
4 謎の神? ミホススミ――分断された日本海交流圏を結び直す鍵

第1章 大和神話との矛盾から解く列島の出雲世界
1 記紀神話における出雲の謎
2 国を譲らない大国主――出雲神話で迫る史実
3 『出雲国風土記』の世界観で見る列島古代史

第2章 出雲を原郷とする人たちを探す鍵──地名や神社で辿る列島移住史
1 出自を刻んだ地名や苗字
2 人と共に移った神々
3 神話・伝承と考古学の成果

第3章 国引き神話と新羅・高志
1 国引き神話の世界――北ツ海の交流と往来
2 出雲から越前岬へ

第4章 能登・越中・越後の出雲を追って
1 外浦航路から邑知潟地溝帯へ――能登における出雲
2 越中から佐渡・越後へ――出雲系熊野神社の道
3 出雲地名が最も多い新潟県
4 青潮の道が生み出した共通文化

第5章 沿岸から内陸へ──越後から会津・北関東への道
1 東山道・甲州街道説に戸惑う――出雲と諏訪の関係
2 会津――古代出雲文化の北限
3 越後から北関東への道
4 北関東に広がる出雲世界

第6章 瀬戸内と関門海峡を渡って
1 四国北岸の伊予・讃岐と出雲――瀬戸内海の往来
2 関門海峡をまわり瀬戸内・紀伊水道へ――周防の出雲神社と南紀の出雲崎
3 北部九州に分布する出雲の形跡

第7章 出雲と大和──畿内への道
1 出雲の東西とヤマト
2 大和国の出雲
3 出雲の神や人が頻繁に往来する播磨
4 出雲臣が集住した山城国の出雲郷
5 若狭湾から山陰道へ――丹波の中の出雲

終章 日本海交流の鍵=ミホススミに光を!
1 見えなくなった? ミホススミ
2 美保関の地主神
3 珠洲岬に鎮座する須須の神
4 出雲・能登以外でのミホススミの祭り
5 信濃・越後でみられる諏訪神との同一神説
6 地域を結んで浮かび上がるミホススミ像

おわりに
あとがき

著者プロフィール

岡本 雅享  (オカモト マサタカ)  (著/文

1967年出雲市生まれ。一橋大学大学院社会学研究科博士課程修了。現在、福岡県立大学社会学部教授。専門は政治社会学・民俗学。著書に『中国の少数民族教育と言語政策』(社会評論社、2008年)、『民族の創出』(岩波書店)、2014年、『出雲を原郷とする人たち』(藤原書店、2016年)、『千家尊福と出雲信仰』(ちくま新書、2019年)など。地域や国を跨ぐ日本型Ethnic Studiesとしての出雲学を提唱。

上記内容は本書刊行時のものです。