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取引情報
断面
北の昭和史
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2022年6月15日
- 書店発売日
- 2022年6月16日
- 登録日
- 2022年4月28日
- 最終更新日
- 2022年10月4日
書評掲載情報
2022-09-04 | 北海道新聞 |
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紹介
二・二六事件、インディギルカ号遭難、北海道独立論、北方領土返還運動、死刑囚 永山則夫、五稜郭タワー創業秘話、青函トンネル掘削工事―。
1936年から1985年。戦争と平和の昭和時代。北海道の50年間を様々な切り口で描いた、10編のノンフィクション。
目次
【戦 前】
二・二六事件 村中孝次大尉の遺書/合田一道
ソ連船インディギルカ号遭難の謎に迫る/北国諒星
【終戦前後】
一九四五 ウラジオのカミカゼ/相原秀起
北海道独立論を唱えた河野広道博士/出村文理
北方領土返還運動の先駆け―根室町長・安藤石典―/森山祐吾
〔特別寄稿〕
魂 忠魂碑―道内戦没者の慰霊―/井上和男
【戦 後】
異国に消えた美唄市議―怪僧「ガンシン」の足跡を追う/阪井宏
散骨の海へ ~永山則夫の網走/嵯峨仁朗
五稜郭タワー創業秘記―創業者中野真輔の未完の自伝より―/濱口裕介
地底への道/木村裕俊
前書きなど
あとがき
北海道ノンフィクション集団の作品『断面 北の昭和史』を発刊しました。集団としては六冊目の作品になります。新型コロナウイルス感染症が広まり、なかなか収まらない中での執筆でした。何とかまとめることができて安堵しています。
ご覧の通り、今回は昭和史をテーマに掲げて、昭和戦前、戦後のほかに、終戦前後という枠を設けてみました。昭和という戦争と平和の二つの道を歩いた時代に起こった、様々な事象を炙りだそうとしたものです。一編一編の文章に年号や数字の用い方などにばらつきがあろうかと思いますが、作者の個性によるものということでそのままにしたことを申し添えます。
今回は客員会員、出村文理さんに「北海道独立論」について寄稿してもらいました。独立論はいまもなおくすぶり続けている北海道の重要課題であり、これからも論議が沸騰することになるでしょう。
また特別寄稿として井上和男さんの作品「魂 忠魂碑―道内戦没者の慰霊―」を採録させてもらいました。道内にある忠魂碑を中心に調査したものですが、こうした調査はこれまで本格的に行われたことがなく、貴重な資料となりました。
さて、本集団が発足して、初めての作品『凍野の残影 北海道人物誌』が出版されたのが一九八二年。あれから四十年の歳月が経過しました。この間、多くの同志が入ってくださり、細々ながら継続してきましたが、昨年秋、創立会員のうち、もっとも若かった川嶋康男さんが退会。菊地寛さん、沖藤典子さんも理由があって執筆できないと伝えてきました。その他のメンバーも高齢を理由に執筆断念と退団の意志を示されました。
振り返って私も八十路の終盤に差しかかりました。そこで今回の出版を契機に、私が集団の代表を退き、新しい代表に相原秀起さんに受けていただきました。相原さんは北海道新聞社きっての敏腕記者で、『追跡 間宮林蔵探検ルート』など多くのノンフィクション作品を著しています。
集団を新しい体制に変え、より若い血を注ぎ込み、新たな視点で集団の活動を継続していこうというものです。今後ともご指導、ご鞭撻をお願いする次第です。長い間、ありがとうございました。
二〇二二年初頭
北海道ノンフィクション集団代表 合田一道
以下に、現在の会員名及び、これまでの出版物を掲げます。
相原秀起(小樽市)
石川寿彦(札幌市)
沖藤典子(神奈川県相模原市)
菊地 寛(後志管内ニセコ町)
木村裕俊(函館市)
合田一道(札幌市)
阪井 宏(札幌市)
嵯峨仁朗(札幌市)
出村文理(札幌市)=客員
濱口裕介(札幌市)
北国諒星(札幌市)
森山祐吾(札幌市)
北海道ノンフィクション集団の著書
『凍野の残映 北海道人物誌』(みやま書房 一九八二年)
『明治・札幌の群像』(北海道出版企画センター 一九八六年)
『芸妓黒清 黒田清隆の愛妾 明治・北海道人物誌』(北の浪漫社 一九八九年)
『夜明けの火焔 明治・北海道騒動記』(北の浪漫社 二〇〇一年)
『異星 北天に煌めく』(北海道出版企画センター 二〇一〇年)
『断面 北の昭和史』(柏艪舎 二〇二二年)
上記内容は本書刊行時のものです。