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腸を診る医学
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2021年4月20日
- 書店発売日
- 2021年4月15日
- 登録日
- 2021年3月26日
- 最終更新日
- 2021年12月11日
紹介
腸のオーソリティである東洋医学医師・田中保郎が、コロナウイルスはワクチンによって「克服」されるという現在の風潮に警鐘を鳴らし、あわせて「腸を整える医学」である東洋医学が救いの手になる可能性を語る。
果たして、ワクチンは「ウイルス退治」の特効薬なのか?
「免疫力」さえあれば、ウイルス感染から体を守れるのか?
食物繊維は腸を元気にする「救世主」なのか?
葛根湯は、本当に「風邪薬」なのか?
すべての疑問に答える。
目次
まえがき
第一章 東洋医学とはなにか?
第二章 腸と腸内細菌
第三章 基底顆粒細胞
第四章 人は腸で考える
第五章 三つ子の魂百まで・・・健康な「腸」は3歳までに作られる
第六章 漢方薬の効能と問題点
第七章 日常で欠かせない腸内細菌と基底顆粒細胞のケア
第八章 これからの医療と東洋医学
前書きなど
まえがき
形を変えるウイルスには「ワクチン」より「東洋医学」を!
2005年、私は『東洋医学考根論』という本を出しました。
そこで、人間の体の中でも最も大切なモノは、植物の「根っこ」に当たる腸だと書きました。
私が趣味としていた盆栽の経験、さらに動物の発生学で哺乳動物は口と腸管だけの腔腸動物から進化している事から考え、腸は植物の「根っこ」に当たり、腸こそが、長年、人体の中でも大切だと思われていた脳を超える存在である、と説いたのです。つまり、「脳よりも腸が重要である」と。
また、植物にたとえるなら、花や葉が枯れかけたら、その花や葉っぱを治療しようとするのが西洋医学であり、もとになる「根っこ」を治療して、体質そのものを改善しようとするのが東洋医学だ、ということも書きました。
それから15年の歳月がすぎました。
当初、私の「脳よりも腸が大事」との考えは、
「所詮、長崎のイナカ医者が、なんかへんな事を言ってる」
と世の中の人たちにはほぼ相手にされなかったのが、特にここ数年で、だいぶ潮目は変わってきています。NHKで「腸内フローラ」に関する特集番組が放送されたり、腸が人の心を元気にするセロトニンの多くを生み出しているのが浸透して、あながち、「脳よりも腸」は間違っていないのだ、と認識する方々が増えて来たのです。
しかしその一方で、東洋医学の素晴らしさについては、まだまだ浸透したとは言えません。
たとえばコロナ問題でも、東洋医学の知識を持ち、それを利用していれば、だいぶ違った様相を見せたと思います。
西洋医学においては、口から肛門までの腸管は、一つの管です。しかし、東洋医学では、喉までを「表(ひょう)」、喉から横隔膜までを「半表半裏(はんぴょうはんり)」と言い、横隔膜から下部を「裏(り)」と言います。
この区分で初めて「熱中症」が理解出来るのです。
熱中症は表に熱で、裏に冷えがある状態を言います。体全体が熱する日射病や熱射病、あるいは脱水症とは違うのです。この「表」「裏」のアンバランスが健康を大きく損ない、風邪やインフルエンザなどの感染症の症状も悪化させるのです。
ですから、東洋医学の視点から見れば、いたずらにワクチン(私の西洋医学の知識では、形をコロコロ変えるウイルスにはワクチンは出来ないと考える)開発に走るのではなく、まず「表」と「裏」の温度差に着目して、「裏」を温めることでその差を埋めれば、コロナウイルスは今ほど怖い存在ではなくなるのです。
現に、中国や台湾、韓国といった東洋医学の知識を持つ国々は、欧米ほどコロナの重症化の確率は少ない。
なぜ、そうした東洋医学の視点に目を向けず、相変わらず西洋医学一辺倒の治療ばかりが続くのか? 不思議で仕方がありません。何も私は東洋医学がすべて西洋医学よりも優れていると主張しているのではない。救急治療などは西洋医学の方が進んでいるのは認めます。ですが、今のように、すべては西洋医学の方が優れている、という考え方が一般的な現状は、ぜひ変わってほしい。
私は、改めて『東洋医学考根論』の改訂版を書き、「腸」の大切さを再確認しつつ、東洋医学の素晴らしさをもう一度訴え直したい、と思いました。
15年間の中で、新たにわかったこと、考え方で生じた変化などについても書き加えるつもりです。
私の「東洋医学考根論」をより多くの方に理解していただき、心身の健康のために役立てていただくのが、私の生涯の望みです。
版元から一言
人間の体の「根っこ」である「腸」を整える、それが東洋医学の基本。
今、ワクチンに救いを求めるばかりでなく、改めて、東洋医学の力を信じてみよう。
上記内容は本書刊行時のものです。