書店員向け情報 HELP
自己の解釈学
フランス哲学の現在へ
- 初版年月日
- 2020年12月10日
- 書店発売日
- 2020年12月7日
- 登録日
- 2020年11月15日
- 最終更新日
- 2021年12月3日
紹介
自己の解釈学の試みは、哲学史に新たな視点をもたらすことができるのか?デコンブ、フーコー、ロマノを通して、フランス哲学の現在に向き合う!
目次
はじめに
第一章 identitéを巡る問い
Ⅰ問題の概観 Ⅱidentitéの主観化 Ⅲ真実性 Ⅳ主語と主観 Ⅴ主観と実体 Ⅵ自律 Ⅶ倫理とidentité
第二章 ipséitéに向かって
Ⅰフーコーへの移行 Ⅱ歴史的考察(a)ソクラテスとプラトンの時代(b)魂について(c)ヘレニズムとローマ Ⅲ復元と解釈 Ⅳ精神性の知と認識の知 Ⅴ解釈学へ
第三章 ipséitéの進展
Ⅰ考古学の変種 Ⅱ真正さ Ⅲ寛大さの系譜(a)アリストテレス(b)ストア派(c)社会性 Ⅳ真の行為Ⅴ デカルトの逡巡 Ⅵデカルト以後(a)ルソー(b)キルケゴール(c)ハイデガー
終章 ipséitéと非所有
Ⅰidentitéと ipséitéの相克 Ⅱipse mihi magna quaestio Ⅲ非所有という根本規定
注
あとがき
前書きなど
フランス現象学の前世紀後半からの時代区分を試みるなら、第一世代は、サルトル、メルローポンティ、第二世代は、レヴィナス、デリダ、第三世代は、マリオンに代表される。そして、ロマノはマリオンに続く世代に属している。ところで、我が国では、第一と第二の世代は、多くの翻訳により広く知られ、西洋哲学研究の主要な題材を提供していた。その後、変化の理由は定かではなく、第三の世代はあまり知られることなく現在に至り、結果として、それを継ぐ世代はほとんど注目されていない。この特殊とも言える状況は再考が必要で、哲学の現在を知るためにも、ともあれ、マリオンやロマノの著作を紐解くことが求められる。本書が導き手となれるならと願っている。――あとがきより
上記内容は本書刊行時のものです。