書店員向け情報 HELP
出版者情報
書店注文情報
はじまりが見える世界の神話
- 書店発売日
- 2018年4月20日
- 登録日
- 2018年2月28日
- 最終更新日
- 2018年4月18日
紹介
口伝えや書き伝えによって継承されてきた「世界のはじまり」 に関する物語は「創造神話」や「起源説話」と呼ばれ、 天地の誕生、最初の人間、動植物の由来等が記されている。 これらの物語では、魂や運命や自然といった 我々の周りにある理解しがたいものの大元が、 遥か昔の人間によって様々に描かれている。 本書では、20人の専門家たちが各地域における神話や伝説を紹介し、 画家・阿部海太の絵と一緒に「世界のはじまり」を物語る。 *「まえがき」より一部抜粋 ここに収められたのは、さまざまな「この世のはじまり」です。 口伝えや書き伝えによって継承されてきた 「世界のはじまり」に関するこれらの物語は、 「創造神話」や「起源説話」と呼ばれ、天や大地の誕生、 はじめて生まれた人間、動植物の由来などが記されています。 これらの神話と呼ばれる物語には、 書物になる以前の簡素で荒削りな話も数多くあります。 日常のなかで語り継がれ、時代が過ぎるにしたがって、 物語の細かな部分が消えていき、ときには、 物語の結末すら失われていくことがありました。 私はこういった神話や伝説を研究していますが、 こんなふうに質問されることがたびたびあります。 「なぜ、今、こんなに古い物語を読む必要があるのですか?」 「なぜ、こんなに不完全な物語が必要なのですか?」 「神話を読む意味を教えてください」と。 あらためて考えてみると、これはとても難しい問いで、 何が正しい答えなのか、正直なところ分かりません。 ですが、自分のまわりを見渡した時に湧き起こる「理解しがたいもの」への関心が、 神話や伝説を読みなおすきっかけだったと思います。 その「理解しがたいもの」はたくさんありましたが、とりわけ不思議に思ったのは、 「魂はどこからやってきて、どこへ帰っていくのか」ということでした。 そして、自分たちの努力ではどうにもならない「運命」についてでした。 私は、そういう「運命」のおおもとを説明してくれるのが、 「この世のはじまり」についての物語だと考えています。 (中略) この本の二〇人の執筆者たちは、 収録されている神話や伝説が語られている地域の文化、 言語、芸術、歴史、社会を専門としています。 ページごとに、地域固有の特徴と、 神話に共通するイメージを感じ取っていただけると思います。 この本には、すべての地域のすべての神話が語られているわけではありません。 ですが、この本を通じて、「神話」の姿の一部を知ることができるのではないかと思います。 手に取っていただいたみなさんの想像がかきたてられ、 時空の無限の広がりを感じていただければ嬉しいです。 本書が、読者のみなさんの「神話」への関心の入り口となることを願っています。
目次
(制作中のため、一部変更になることがあります)
002 著者まえがき
004 目次
006 女神の棲まう聖なる森/ドイツ語圏の起源説話
012 トウモロコシから生まれた男たち/中米・マヤ神話
018 宇宙の木と九つの世界/北欧神話
024 楽園になる禁断の果実/古代イスラエル神話
030 洪水神話と鉄の筏/シベリア(トゥバ民族)神話
036 神々の降り立つ島/琉球神話
042 敗れた神々と地下の楽園/ケルト神話
048 水鏡が映した精霊男/パプアニューギニア(アラフンディ族)神話
054 カオスからはじまる愛の系譜/古代ギリシア・ローマ神話
060 霊峰を背に戦う民/古代アルメニア神話
066 風は鳥の姿をしていた/ロシア(スラヴ民族)神話
072 巨大な愛が引き裂かれるとき/ニュージーランド(マオリ族)神話
078 天地を分かつ九万里の巨人/中国神話
084 創造神の涙/古代エジプト神話
090 似てない双子の創造主/北米・イロクォイ(ホデノサウニ)神話
096 神々を描いた歴史書/日本古代神話
102 神と魔王が描いた日本/日本中世神話
108 光の故郷へ至る道/インド神話
114 主が降らせる慈雨と稲妻/イスラーム神話
120 ハルニレの子と火の女神/アイヌ神話
126 画家あとがき
上記内容は本書刊行時のものです。