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海のリテラシー
北大西洋海域の「海民」の世界史
- 書店発売日
- 2016年8月23日
- 登録日
- 2016年7月7日
- 最終更新日
- 2016年8月1日
紹介
近代以前、すでに大洋航海の技術やルートは確立されつつあったが、海の世界は依然として畏怖の対象であり、海の恩恵を得るためには「海のリテラシー」ともいうべき知識や経験の蓄積が不可欠であった。本書では、船長・漁民・商人・地域住民など「海民」の日常活動の分析を通して、海に関する情報の取得方法や伝達の実態を読み解き、彼らが「海のリテラシー」を獲得していく過程や海民の独自性、陸の歴史との関係性を明らかにする。
目次
第Ⅰ部 海を読/語る
第1章 難破譚の中の船乗り――近世ヨーロッパ船とサバイバルの条件
第2章 船乗りと航海譚(ヤーン)――英領アメリカ植民地における貿易と情報伝達
第3章 海のフォークロア――マルコーの『アルジェリア・スパイ』を中心に
第4章 海運業界紙の市況展望――19世紀前半におけるオーストリア領トリエステからみた両アメリカの可能性
第Ⅱ部 海で/と生きる
第5章 貿易商人マテュラン・トロティエ――ナポレオン時代における合法奴隷貿易の利潤と情報
第6章 黒人船長ポール・カフィ―アボリショニズムと環大西洋商業ネットワーク
第7章 奴隷商人セオフィラス・コノウ――19世紀前半の環大西洋非合法ネットワーク
第8章 靴職人ジョセフ・ライ――19世紀初頭マサチューセッツ州リンにおける副業としての漁業
第Ⅲ部 海が/を創り出す
第9章 石干見のアーケオロジー
第10章 近世フランスの北大西洋世界――港湾ネットワークからみた多重経済構造
第11章 18世紀フランスの《小さな港》――ミクロ資本主義の海域社会史
第12章 アメリカのもう一つのフロンティア――捕鯨業の盛衰と海民像
第13章 デンマークの西インド諸島――黒人奴隷制度史とカリブ海
上記内容は本書刊行時のものです。