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出版者情報
子どもへの性暴力[第2版]
その理解と支援
- 書店発売日
- 2023年8月5日
- 登録日
- 2023年6月29日
- 最終更新日
- 2023年12月26日
紹介
現場の支援者に定評があり、改訂の要望も多かった子どもの性暴力被害に関する定番書を、時代に合わせて大幅刷新した。
関連法の改正、SNSなど新たな加害手段の出現、被害者の若年齢化、治療に関する注目の概念の登場、男児やLGBTQの被害への対応の必要性が認識されたことなどにより、初版以来、状況は複雑化してきた。
第2版では法改正を解説しつつ、最新の研究と実践に基づいて各章と事例を大きく拡充し、複雑化する状況を踏まえた支援の方法を具体的に示した。
目次
はじめに(藤森和美)
第Ⅰ部 子どもに対する性暴力――概論
第1章 子どもへの性暴力の特徴(野坂祐子)
第1節 子どもの性被害をとりまく現状
第2節 子どもがうける性暴力の状況
第3節 性被害による子どもへの影響と対応
まとめ 子どもたちに伝えたいこと
コラム1 子どもと学ぶ「性的同意」(染矢明日香)
コラム2 理解と支援に役立つトラウマインフォームドケア(吉村拓美)
第2章 性的虐待の発見と子どもへの影響(島 ゆみ)
第1節 児童虐待の定義と現状
第2節 性的虐待の発覚
第3節 性的虐待の対応の流れ
第4節 性的虐待を受けた子どもの理解と援助
まとめ トラウマの視点を軸とした支援の継続性
コラム3 性暴力行為に対する責任追求――期間の制限(時効)はあるのか?(森本志麿子)
第3章 性暴力を受けた子どもの性問題行動(浅野恭子)
はじめに 性被害へのケアをしないことに伴うリスク
第1節 発達過程にみられるその年齢に典型的な性行動
第2節 性的遊びか,性問題行動か
第3節 子どもの性問題行動はなぜ生じるか――事例を通して
第4節 子どもの性問題行動を引き起こす要因と抑止する要因
第5節 子どもの性問題行動への対応
まとめ 適切なケアとまなざし
コラム4 男児・男子生徒の性暴力被害――保護者のためのガイダンス(藤森和美)
第4章 性暴力被害の長期的影響(小西聖子)
第1節 長期的な影響の考え方
第2節 限定的な影響がある場合
第3節 やや複雑な被害の場合
第4節 長期にわたる性的虐待が発達に影響を与えている場合
まとめ 研究の紹介
コラム5 性非行と性被害――SNSでの被害(小形美妃)
第5章 支援者へのトラウマの影響(小川恵美子)
第1節 支援者へのトラウマの影響と現れ方
第2節 トラウマの対処法
第3節 組織的な取り組み
まとめ 支援者を支える組織づくり
コラム6 性と対人暴力に関わる支援者の態度を自己覚知し,再構築する(吉田博美)
第Ⅱ部 性被害を受けた子どもへの支援――実践編
第6章 学校における介入支援の実際(藤森和美)
第1節 学校が専門家に支援を要請する重要性
第2節 教育が加害者の場合
第3節 被害調査は慎重に
第4節 人生のなかのトラウマ
まとめ 子どもを社会で守る姿勢を
コラム7 教員の性暴力(今井由樹子)
第7章 保護者に対する心理教育(野坂祐子)
第1節 性暴力による保護者への影響
第2節 保護者への心理教育
まとめ 保護者の力を信じ,協力関係を築く
コラム8 医療との連携について(花房昌美)
第8章 性的トラウマに焦点をあてた支援の実際(亀岡智美)
第1節 性的トラウマとは
第2節 模擬事例にみる性的トラウマ
第3節 トラウマフォーカスト認知行動療法
第4節 TF-CBT実施後の模擬事例
第5節 トラウマインフォームドケアの必要性
第6節 支援現場でできるTIC
第7節 支援者にも必要なTIC
まとめ トラウマを理解した支援への期待
コラム9 レジリエンス・PTG(高田紗英子)
第9章 チーム学校による支援のあり方(松浦正一)
はじめに チーム学校とは
第1節 チーム学校の実現のために
第2節 チーム学校における危機対応チーム
第3節 チーム学校による性暴力被害への対応
まとめ チーム学校に期待されること
コラム10 セクシュアルマイノリティの子どもの性被害(野坂祐子)
第10章 性暴力被害に学校やスクールカウンセラーがどう関われるか(土岐祥子)
はじめに 相談先として重要な学校・スクールカウンセラー
第1節 子どもの性暴力被害発見のためにできること
第2節 子どもの性暴力被害を発見したときにできること
第3節 性暴力被害にあった子どもの継続的な支援としてできること
第4節 子どもの性暴力被害の予防のためにできること
おわりに 学校現場でよりよい支援を工夫するために
コラム11 知的障がいのある子どもへの支援(伊庭千惠)
第11章 子どもへの法的支援(笠原麻央)
第1節 法律では,何が守られているのか?
第2節 学校で性暴力が起こった場合の対応
第3節 組織内での性暴力を未然に防止できなかったときは?
まとめ 性暴力の根絶を目指して
コラム12 子どもも大人も,被害者にも加害者にもしないために――子どものころ性暴力被害にあった当事者として(柳谷和美)
おわりに(野坂祐子)
上記内容は本書刊行時のものです。