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「大東亜戦争」幻想化と「戦争責任」の精神史 小関 素明(著) - 人文書院
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「大東亜戦争」幻想化と「戦争責任」の精神史 (ダイトウアセンソウゲンソウカトセンソウセキニンノセイシンシ) 擬態に対峙する詩人たち (ギタイニタイジスルシジンタチ)

歴史・地理
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発行:人文書院
A5判
縦215mm 横154mm 厚さ27mm
重さ 600g
354ページ
上製
定価 6,800 円+税   7,480 円(税込)
ISBN
978-4-409-52097-0   COPY
ISBN 13
9784409520970   COPY
ISBN 10h
4-409-52097-0   COPY
ISBN 10
4409520970   COPY
出版者記号
409   COPY
Cコード
C3021  
3:専門 0:単行本 21:日本歴史
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2025年12月25日
発売予定日
登録日
2025年5月15日
最終更新日
2025年11月6日
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紹介

戦後社会に瀰漫する欺瞞と擬態、その正体を暴く

開戦の報に国民が覚えた高揚感。そして敗戦後、その熱狂をまるで“なかったこと”のように振る舞い始めた国民。この巨大な断絶の深淵には何が横たわっているのか。「大東亜戦争」という呼称が国民に与えた幻想と、戦後の空虚な平和主義の根源にある欺瞞を解き明かし、我々が未だ直視できずにいる「戦争責任」に対峙する。

◎目次
はじめに

 序章 情念に分け入る精神史をめざして
  1 本書の問題意識――「戦争協賛」と「戦争責任」の思想化に向けて
  2 本書の分析課題と視座
  3 本書で使用する史料について

第Ⅰ部 「大東亜戦争」の幻影と煩悶
 第一章 日米開戦の衝撃と翻弄
  1 開戦の衝撃と変貌する詩人たち
  2 「宣戦の詔書」の作用――高揚感の国民的拡がり
  3 「大東亜戦争」の特性と天皇制の関涉
 第二章 表現者の幻覚と煩悶――「真の自己」の渇望と探究
  1 自我と美感の転相――高村光太郎
  2 表現の原郷への帰還と「本当の自己」との葛藤――野口米次郎
  3 言語表現の新境の眺望と天皇
 第三章 「大東亜戦争」道義化の蹉跌
  1 「国民文学」の蹉跌と「大東亜戦争」聖戦化の限界
  2 「メシア国家」の幻影――「近代の超克」論の限界
  3 「戦意高揚」戦略の限界
 第四章 敗戦時における国民の擬態の前景化
  1 心的空白状態の到来
  2 「民主化」受容の屈曲――他動的「国民主権」の到来
  3 死の至近化と言葉の限界効用

第Ⅱ部 孤塁からの開削
 第五章 「荒地」への収斂
  1 「戦争体験」の特質とその思想化
  2 「紙屑を捨てない」主体性――「何も信じない」ことを原点に
  3 詩作のオントロギー――「詩の特権性」としての「在らざるものの力」の創造
 第六章 「橋上の人」の写像と射程
  1 「直接性」への懐疑――庶民感覚と兵士の目線への不信
  2 「荒地」という「可能性」――文明の蘇生に向けて
  3 「橋上」からの近代批判
 第七章 戦後社会の擬態の摘発
  1 「深い絶望」の探求
  2 バチルスとしての教説的「平和主義」に抗して――『死の灰詩集』批判
  3 病巣への肉迫
 第八章 戦争責任の実効化と言語表現の新地平
  1 「意味の回復」と愛への覚醒
  2 金子光晴における象徴主義の刷新
  3 表現のアポリアを超えて
  4 孤独の快楽と可能性としての「間隙」への対峙

 終章「大東亜戦争」と「戦争責任」の精神史から見えてくるものは何か

目次

はじめに

 序章 情念に分け入る精神史をめざして
  1 本書の問題意識――「戦争協賛」と「戦争責任」の思想化に向けて
  2 本書の分析課題と視座
  3 本書で使用する史料について

第Ⅰ部 「大東亜戦争」の幻影と煩悶
 第一章 日米開戦の衝撃と翻弄
  1 開戦の衝撃と変貌する詩人たち
  2 「宣戦の詔書」の作用――高揚感の国民的拡がり
  3 「大東亜戦争」の特性と天皇制の関涉
 第二章 表現者の幻覚と煩悶――「真の自己」の渇望と探究
  1 自我と美感の転相――高村光太郎
  2 表現の原郷への帰還と「本当の自己」との葛藤――野口米次郎
  3 言語表現の新境の眺望と天皇
 第三章 「大東亜戦争」道義化の蹉跌
  1 「国民文学」の蹉跌と「大東亜戦争」聖戦化の限界
  2 「メシア国家」の幻影――「近代の超克」論の限界
  3 「戦意高揚」戦略の限界
 第四章 敗戦時における国民の擬態の前景化
  1 心的空白状態の到来
  2 「民主化」受容の屈曲――他動的「国民主権」の到来
  3 死の至近化と言葉の限界効用

第Ⅱ部 孤塁からの開削
 第五章 「荒地」への収斂
  1 「戦争体験」の特質とその思想化
  2 「紙屑を捨てない」主体性――「何も信じない」ことを原点に
  3 詩作のオントロギー――「詩の特権性」としての「在らざるものの力」の創造
 第六章 「橋上の人」の写像と射程
  1 「直接性」への懐疑――庶民感覚と兵士の目線への不信
  2 「荒地」という「可能性」――文明の蘇生に向けて
  3 「橋上」からの近代批判
 第七章 戦後社会の擬態の摘発
  1 「深い絶望」の探求
  2 バチルスとしての教説的「平和主義」に抗して――『死の灰詩集』批判
  3 病巣への肉迫
 第八章 戦争責任の実効化と言語表現の新地平
  1 「意味の回復」と愛への覚醒
  2 金子光晴における象徴主義の刷新
  3 表現のアポリアを超えて
  4 孤独の快楽と可能性としての「間隙」への対峙

 終章「大東亜戦争」と「戦争責任」の精神史から見えてくるものは何か

あとがき
事項索引
人名索引

前書きなど

多くの詩人たちは高揚感、戸惑、逡巡を一部含みながらも、「大東亜戦争」に協賛し、それを鼓舞する戦争詩、愛国詩を多く執筆した。そうした活動は、「大東亜戦争」の遂行という戦時国策に向けた国民の高揚感を振起し、それと合体することで自らの芸術表現の触発力を実感できる「充実感」と、爾後の活動の場を確保しようという思惑に駆られたものであった。しかし、戦争を共通の根として国民との精神の共振によってえられた感動を言葉に奉戴することを矜持としていた表現者たちは、敗戦によってその自負を惨めに打砕かれ、新しい美を創造する力の脆弱さを否応なく認識させられることになった。敗戦後の社会とはこうした意味において、多くの戦争詩人たちにとっても精神の廃墟だったのである。
(「第六章 「橋上の人」の写像と射程」より)

著者プロフィール

小関 素明  (オゼキ モトアキ)  (

【著者】小関 素明(おぜき・もとあき)
1962年生まれ。立命館大学大学院文学研究科博士課程修了。現在、立命館大学教授。専門は近代日本政治史・近代日本政治思想史。著書に『日本近代主権と「戦争革命」』(日本評論社、2020年)、『日本近代主権と立憲政体構想』(日本評論社、2014年)、『現代国家と市民社会』(共編著、ミネルヴァ書房、2005年)、『新しい公共性』(共編著、有斐閣、2003年)など。

上記内容は本書刊行時のものです。