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史録 スターリングラード ヨッヘン・ヘルベック(著) - 人文書院
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史録 スターリングラード (シロクスターリングラード) 歴史家が聞き取ったソ連将兵の証言 (レキシカガキキトッタソレンショウヘイノショウゲン)
原書: DIE STALINGRAD PROTOKOLLE

歴史・地理
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発行:人文書院
A5判
縦214mm 横154mm 厚さ40mm
重さ 760g
502ページ
上製
定価 7,500円+税
ISBN
978-4-409-51103-9   COPY
ISBN 13
9784409511039   COPY
ISBN 10h
4-409-51103-3   COPY
ISBN 10
4409511033   COPY
出版者記号
409   COPY
Cコード
C1022  
1:教養 0:単行本 22:外国歴史
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2025年1月20日
書店発売日
登録日
2024年6月13日
最終更新日
2025年1月20日
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紹介

赤軍兵士はなぜあれほどまでに戦えたのか
ソ連から見た、独ソ戦の貴重な記録

1942年の独ソ戦の最中に歴史家イサーク・ミンツが組織した委員会。歴史家たちは戦線に赴き、スターリングラードで戦った将兵や民間人の声を聞き取って速記録にのこした。また従軍記者だった作家のヴァシーリー・グロスマンも多くの声を聞き取った。本書は、ミンツがユダヤ人であったがゆえに長らく公文書館に封印されていた膨大な記録を、ドイツの歴史学者ヘルベックが調査し、70年ぶりに蘇らせた記録である。ドイツ側視点に偏りがちだった独ソ戦の真実にソ連側の視点から迫る。待望の邦訳!

 歴史家は聞き取りを系統立てて行った。ときには、同じ師団の数十人に話をきいている(指揮官、その政治補佐、司令部将校、連隊長や中隊長、兵卒)。本書で兵士二十四名のインタビューを紹介する第三〇八狙撃兵師団は、九月にスターリングラード北西部での戦いに敗れて多大な損害を出した後、市内に投入されて「バリケード」大砲工場を守りながらドイツ軍と戦っている。「赤い十月」工場で歴史家が話をきいた技師は、破壊された工場の復興計画をもう口にしていた。二十名以上に話を聞いた第三八自動車化狙撃兵旅団は、パウルス元帥と第六軍司令部を探し出して捕虜にしている。語り手一人ひとりの話は全体像の一部であり、どれも主観的だ。だが個々の話を積み重ねると、戦場における兵士の多面的できわめて詳細な姿が浮かび上がる。特色は、バランスの良さだけではない。共通の経験を明らかにし、赤軍が軍事組織としてどう機能していたかも明らかになる。だが、スターリングラードの記録は、このように率直で多面的であるが故に、その後の運命に否定的に作用した。軍の検閲官から出版許可を得られず、お蔵入りになったのだ。その記録が、今ようやく日の目を見る。「史料解題」より

Jochen Hellbeck DIE STALINGRAD PROTOKOLLE:Sowjetische Augenzeugen berichten aus der Schlacht

◎目次
第一章 史料解題
命運を決する戦い/決戦/戦いの解釈/革命の軍隊/スターリンの街/戦争に
備えて/戦時の軍と党/指揮官と政治委員/クローズアップ/英雄に倣う/良
い兵士と悪い兵士/戦いのかたち/戦場の人びと/アヴァンギャルドの歴史家
/委員会はスターリングラードへ/速記録/史料選択と編集方針

第二章 兵士の合唱
一 街と住民の運命  
二 料理女-アグラフェーナ・ポズニャコワ  
三 グルチエフ狙撃兵師団の転戦  
四 ヴァシーリー・グロスマンの「主力の進路」  
五 ラトシンカ上陸  
六 パウルス元帥を捕える  

第三章 九人の語る戦争
一 将軍---ヴァシーリー・チュイコフ  
二 親衛師団長----アレクサンドル・ロジムツェフ  
三 看護婦---ヴェーラ・グーロワ  
四 オデッサの中尉----アレクサンドル・アヴェルブフ  
五 連隊長----アレクサンドル・ゲラシモフ  
六 歴史教員の大尉--ニコライ・アクショーノフ  
七 狙撃手---ヴァシーリー・ザイツェフ  
八 赤軍兵士---アレクサンドル・パルホメンコ  
九 敵向けの宣伝工作員---ピョートル・ザイオンチコフスキー大尉
 
第四章 ドイツ人の語り
一 一九四三年二月のドイツ人捕虜  
二 包囲下のドイツ人の日記  

第五章 戦争と平和

地図
謝辞
訳者あとがき

アーカイヴと図版の出典
索引

目次

第一章 史料解題
命運を決する戦い/決戦/戦いの解釈/革命の軍隊/スターリンの街/戦争に
備えて/戦時の軍と党/指揮官と政治委員/クローズアップ/英雄に倣う/良
い兵士と悪い兵士/戦いのかたち/戦場の人びと/アヴァンギャルドの歴史家
/委員会はスターリングラードへ/速記録/史料選択と編集方針

第二章 兵士の合唱
一 街と住民の運命  
二 料理女-アグラフェーナ・ポズニャコワ  
三 グルチエフ狙撃兵師団の転戦  
四 ヴァシーリー・グロスマンの「主力の進路」  
五 ラトシンカ上陸  
六 パウルス元帥を捕える  

第三章 九人の語る戦争
一 将軍---ヴァシーリー・チュイコフ  
二 親衛師団長----アレクサンドル・ロジムツェフ  
三 看護婦---ヴェーラ・グーロワ  
四 オデッサの中尉----アレクサンドル・アヴェルブフ  
五 連隊長----アレクサンドル・ゲラシモフ  
六 歴史教員の大尉--ニコライ・アクショーノフ  
七 狙撃手---ヴァシーリー・ザイツェフ  
八 赤軍兵士---アレクサンドル・パルホメンコ  
九 敵向けの宣伝工作員---ピョートル・ザイオンチコフスキー大尉
 
第四章 ドイツ人の語り
一 一九四三年二月のドイツ人捕虜  
二 包囲下のドイツ人の日記  

第五章 戦争と平和

謝辞

付録
地図/アーカイヴと図版の出典

索引

訳者あとがき

前書きなど

 歴史家は聞き取りを立てて行った。ときには、同じ師団の数十人に話をきいている(指揮官、その政治補佐、司令部将校、連隊長や中隊長、兵卒)。本書で兵士二十四名のインタビューを紹介する第三〇八狙撃兵師団は、九月にスターリングラード北西部での戦いに敗れて多大な損害を出した後、市内に投入されて「バリケード」大砲工場を守りながらドイツ軍と戦っている。「赤い十月」工場で歴史家が話をきいた技師は、破壊された工場の復興計画をもう口にしていた。二十名以上に話を聞いた第三八自動車化狙撃兵旅団は、パウルス元帥と第六軍司令部を探し出して捕虜にしている。語り手一人ひとりの話は全体像の一部であり、どれも主観的だ。だが個々の話を積み重ねると、戦場における兵士の多面的できわめて詳細な姿が浮かび上がる。特色は、バランスの良さだけではない。共通の経験を明らかにし、赤軍が軍事組織としてどう機能していたかも明らかになる。だが、スターリングラードの記録は、このように率直で多面的であるが故に、その後の運命に否定的に作用した。軍の検閲官から出版許可を得られず、お蔵入りになったのだ。その記録が、今ようやく日の目を見る。「史料解題」より

版元から一言

2019年に刊行されベストセラーとなった『独ソ戦 絶滅戦争の惨禍』。主にドイツ側からの視点に立った史料が多く、ソ連側の史料の不足は以前から指摘されてきました。今回の『史録 スターリングラード』では長らく機密文書として伏せられてきたソ連側の聞き取り記録を使用した独ソ戦の記録となります。大ボリュームで高価格ですが、独ソ戦の生の史料であり研究者やミリタリー好きにはたまらない本になっています。

著者プロフィール

ヨッヘン・ヘルベック  (ヨッヘン ヘルベック)  (

【著者】ヨッヘン・ヘルベック
Jochen Hellbeck/1966 年ボン生まれ。ベルリン、レニングラード、ブルーミントン、ニューヨークで歴史とスラブ学を修める。アメリカのニュージャージー州立ラトガーズ大学歴史学部教授。著書に Tagebuch aus Moskau 1931-1939(1996 年)、Autobiographical Practices in Russia/Autobiographische Praktiken in Russland(2004 年)、Revolution on My Mind: Writing a Diary under Stalin(2006 年)、Die Stalingrad-Protokolle(2012 年:本書)などがある。

半谷 史郎  (ハンヤ シロウ)  (

【訳者】半谷 史郎(はんや・しろう)
1968 年愛知県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。現在、愛知県立大学外国語学部教授。専門はソ連史。著書に『中央アジアの朝鮮人』(岡奈津子と共著:東洋書店、2006 年)。訳書にテリー・マーチン『アファーマティヴ・アクションの帝国』(共訳:明石書店、2011 年)、ディビッド・ウルフ『ハルビン駅へ』(講談社、2014 年)、アレクセイ・ユルチャク『最後のソ連世代』(みすず書房、2017 年)がある。

小野寺 拓也  (オノデラ タクヤ)  (

小野寺 拓也(おのでら・たくや)

1975 年生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。現在、東京外国語大学大学院総合国際学研究院教授。専門はドイツ現代史。著書に『野戦郵便から読み解く「ふつうのドイツ」――第二次世界大戦末期におけるイデオロギーと「主体性」』(山川出版社、2022)、共著に『検証 ナチは「良いこと」をしたのか』(田野大輔との共著、岩波書店、2023)、『〈悪の凡庸さ〉を問い直す』(田野大輔との共編著、大月書店、2023年)、訳書にS・ナイツェル/ H・ヴェルツァー『兵士というもの――ドイツ兵捕虜盗聴記録に見る戦争の心理』(みすず書房、2018年)、U・ヘルベルト『第三帝国――ある独裁の歴史』(KADOKAWA、2021年)などがある。

上記内容は本書刊行時のものです。